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いまどき比較展示が禁止されるようなCEATECがCESに負けるのは当然

2005年10月11日

先週幕張メッセで開催されたデジタル家電関係の展示会で、ひと悶着ありました。業界秩序のみを重視したかに見える争いには、一般来場者は蚊帳の外という感じで、いかにも日本的な印象を与えます。 情報源は、『プラズマ・液晶、比較展示を再開――CEATECで松下など、対立残し最終日へ』(2005年10月8日 日本経済新聞 朝刊 11面)です。

千葉市で開催中のデジタル家電見本市「CEATEC JAPAN2005」の会場で7日、前日に続きプラズマと液晶テレビの比較展示を巡る論争が繰り広げられた。松下電器産業やパイオニアなどプラズマ陣営が、いったん中止していた大型液晶との画質比較展示を再開。反発していたシャープなど液晶メーカーとの対立は最終日の8日も続く可能性がある。

問題になっているのは、松下や日立製作所などプラズマ大手3社が出資する次世代PDP開発センター(東京)のブース。大型プラズマと液晶を横に並べて画質を比較する展示に6日、シャープなどが猛反発。これを受けたイベント事務局が展示中止を要請し、開発センターはいったん受け入れた。

しかし同センターは7日午後、液晶テレビにかけていた暗幕を取り払い、画質比較を再開。「(展示ルールなどの)どの部分に抵触するのか不明で、中止要請は承服できない」(開発センター)と主張した。

出展メーカー各社の代表者らで構成する事務局は対応策を協議。7日は比較展示を黙認したうえで同日夕、最終日の8日は液晶テレビに再度暗幕をかけるよう口頭で申し入れた。だが開発センターは「拒否する」としている。プラズマ大手とシャープらが歩み寄らなければ、最終日に混乱が起きる懸念もある。

いかにも、CEATECならではという感じのする話です。普通の展示会であれば、比較展示、デモは当たり前です。例えば、WPC EXPOで、比較展示が禁止されたとしたら、AMDは伝えるべきメッセージはなくなってしまいます。

AMDブースは、インテル製CPUに対する優位性を訴えることによって、成り立っているからです。展示の花となる比較デモでには、公平な条件で両社の製品が比べられているかどうか、かなり疑わしいものさえ登場するくらいです。その程度のことは、実際のビジネスで熾烈な争いを繰り広げている以上、ある意味当然でしょう。それでは、通常で行われている比較展示が、なぜCEATECで問題視されたのでしょうか?

その背景には、CEATECが日本の業界団体が主催する展示会といった特殊事情がありそうです。 通信機械工業会、社団法人日本電子工業振興協会、社団法人日本パーソナルコンピュータソフトウェア協会が主催していた「COM JAPAN」と、社団法人日本電子機械工業会が主催していた「エレクトロニクスショー」が、2000年に統合して誕生したのが、CEATECです。

業界団体主催の展示会では、競争よりも協調を大事にして、あまり刺激的な展示はやめにしてくれというのが、比較展示を中止を要請した展示会事務局の真意でしょう。特に、経済産業省肝いりの次世代PDP開発センターには、他社からの厳しい目が向けられたのかもしれません。

率直に言って、いまどきこのような自主規制を出展者に要求するのは、時代錯誤でしかありません。当然各社とも、自社の技術が最も効果的に表現できる手段で、展示会来場者にアピールすべきです。このような生ぬるいことをしていては、家電立国日本の展示会であるCEATECの看板が泣きます。

世界のマスコミの注目度が、米国のCESにいつまでたっても追いつかないのは、こんなところにも理由がありそうです。来年1月にラスベガスで開かれるCESの話題の1つになるのは、「HD DVD陣営対ブルーレイ・ディスク陣営」の次世代DVDの規格争いでしょう。協調よりも競争を重視する米国の展示会では、ハリウッドの映画会社を巻き込んで、刺激的な展示が展開されることが、十分に期待できます。


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