ひっそりと開幕するプロバスケ「bjリーグ」のショーアップ方法はかなり疑問
2005年10月26日
日本初のプロバスケットリーグ「bjリーグ」が、いよいよ11月5日に開幕します。収まりの悪い「bj」は、「Basketball Japan」の略です。気の利いた1文字はもう残っていなかったからでしょうか? それとも、プロ化を巡って袂を分かつことになった日本バスケットボール協会の略が、JBL(Japan Baketball Leage)なので、あてつけの意味を込めて順番を逆にしたのでしょうか?
マスコミの報道量も少なく、地味目なスタートを切るbjリーグですが、やろとうしていることは驚くほど派手です。 情報源は、『bjリーグプロバスケ5日開幕――お手本はJと米、サイン会/前座に吉本芸人』(2005年10月26日 日経流通新聞MJ 1面)です。
「無理そうでも、ダンクしろ」。東京バスケットボール・プロモーション(東京アパッチ)の山田朋一社長は選手にはっぱをかける。いくらファンを開拓しても、試合が盛り上がらないようではいずれ客は離れていく。勝利を追い求めるだけではプロは務まらない。ショービジネスであるとの意識がある。
東京アパッチはあえて身長が低めの選手を集めたという。「小さな軍団が大男に立ち向かう」シナリオを演出するためだ。さらに一部の選手にはワルぶった表情をさせるなど、懸命に一人ひとりのキャラクターを際だたせようとする。「SMAPのようにいろんなタイプをそろえて女の子の心をつかむ」(山田社長)
試合の演出で吉本興業と業務提携した大阪エヴェッサは前座でも楽しませる。プレシーズン試合にはチャンバラトリオが登場、エヴェッサの応援グッズでもあるハリセンを使ったコントで会場をわかせた。吉本所属の芸能人らはシーズンを通して出演する予定だ。
私がプロバスケの試合という言葉から想像していたものとは、大きく違います。bjリーグは、まるでプロレスの地方興行に近い印象を受けます。ヒール(悪役)の覆面チームが登場しても、決しておかしくなさそうなノリでしょう。
bjリーグ 3つの理念は、こうなっています。
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プロフェッショナル
1) 世界に通用する選手、リーグ、球団を目指す。
2) 我が国のスポーツ界に新風を巻き起こす。 -
スポーツ・エンタテインメント
スポーツ・エンタテインメント事業として、あらゆる意味でハイレベルかつプロフェッショナルなバスケットボールを提供することでバスケットの新しい魅力を創造し、スポーツを愛する人々や子供達に「夢」と「感動」を与える新しいスポーツ文化の創造を目指す。 -
グローカル &コミュニティ
1) 「グローカル」とは、グローバル(国際性)とローカル(地域性)とを合体した言葉である。この二つのコンセプトを持って、バスケットボールを通じた一つのコミュニティ社会の創造とその拡大により社会に貢献する。
2) ホームタウン制、地元密着型球団経営により支持基盤の安定・拡大を図る。その証として、チーム名称は、地元の地域名称とニックネームで構成する。
3) NBAなどの海外のプロリーグにチャレンジできる選手の輩出、オリンピックや世界選手権で勝てる日本代表チームへの選手の輩出を目指す。
4) バスケットを通じて、競技種目やスポーツの枠を超えた国際交流と文化貢献を行う。
この理念そのものはすばらしいものです。しかし理念を形にすると、プロレスの地方巡業のようになってしまうことには、大いな疑問を感じます。エンターテイメント的要素の重要性はわかりますが、バスケットボールに無関係な吉本のコントが必要なのでしょうか?
手本とすべき米国のNBAでも、確かにチームマスコットの着ぐるみによるパフォーマンスはあります。しかし、その多くは、トランポリンを使ったアクロバティックなシューティングの妙技を見せたりするもので、一応はバスケットボールに関係したものです。しかも、その技術レベルは、純粋なアスリートとしても非常に高いもので、単なるお笑いではありません。
あまりおふざけが過ぎると、プロスポーツの真剣勝負に水を指すことにもなりかねませんし、極端な話では、試合も八百長臭く見えて来る危険性もあります。プロレスが衰退し、K-1、プライド等の異種格闘技が人気化した理由は、プロレスの試合に本来格闘技が持つべき真剣さが感じられなくなったからでしょう。その異種格闘技も、ショー的要素が増え過ぎたため、人気に翳りが見え始めました。
プロ野球やサッカーとは比較にならないほどの低予算でスタートするbjリーグが、話題づくりに知恵を絞ることは結構なことです。しかし、プロスポーツの原点を忘れたかのようにも映る演出方法には、将来大きく発展する可能性は見えてきません。
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