インテルとデルの存在感が希薄化する時代には、日経バイト休刊やむなし
2005年11月10日
このところの米国のIT業界に関する記事を眺めていると、ソフトとサービス分野においては、覇権がマイクロソフトからグーグルに、移りつつある状況を示す話題が多いように感じます。かつては「Wintel」と呼ばれ、マイクロソフトと共に、PCマーケットを完全に支配していたのがインテルです。インテルに関しては、アップルのiMacにも同社製品が採用されるといった明るい話題もあります。
しかし、話題性はともかく、iMacによる増収効果は微々たるものでしかありません。市場の9割を占めるx86系のマーケットでは、インテルの牙城がAMDにより脅かされつつあることが、明らかになりました。 情報源は、AMD、米小売PC市場でIntelを追い抜くです。
9月に小売デスクトップPC分野でIntelを抜いたAMDだが、10月はデスクトップ・ノートPCを合わせた小売PC市場でIntelを追い越した。
調査会社Current Analysisは11月8日、10月の米小売PC市場において、AMDがIntelを抜き、CPUサプライヤーとして首位に立ったと報告した。
調査報告によると、10月に米小売市場で販売されたPC(デスクトップ・ノートPCの合計)のうち、49.8%にAMDのプロセッサが搭載されていた。これに対してIntelのシェアは48.5%だった。
AMDの小売PC市場での成功は無視できないが、直販メーカーのDellがIntelプロセッサのみを採用していることから、コンシューマー向けPC市場全体ではIntelががっちり首位をつかんでいるとCurrent Analysisは述べている。
この記事の最後にあるように、今回発表された米国の小売店頭市場の統計には、直販ルートのPCの販売数量は含まれていません。その直販ルートで圧倒的な強さを誇ってきたのがデルです。同社は、Hewlett-Packard(HP)、Gateway、Lenovo、IBM等、AMD製のCPUを採用するPCメーカーが増える中で、これまで唯一インテル製CPUのみを採用してきました。
したがって、インテルからして見れば、デルの一人勝ち状態が続く限りは、店頭市場での劣勢をさほど気にする必要もない、ということになります。しかし、永遠に続くかと考えられていたデルの成長神話にも、ついに翳りが見られ始めました。 情報源は、「Dellの最盛期は終わった」とBarron's誌が指摘です。
PCメーカー米Dellの最盛期は終わったのかもしれない――。週刊金融専門誌の米Barron'sは11月7日号にそう記している。
Dellが11月1日、第3四半期の売上高予測を下方修正したニュースを受けて、同誌は「これで、Dellの売上高の伸びは7四半期連続で減速している」と指摘している。
Dellの株価はNASDAQ市場で4日、売上高予測を引き下げた前日の終値31ドル88セントから6.6%値を下げ、29ドル76セントで取引を終えた。
「Dellの売上高がもっと速く伸びないようなら、そして今後も利益目標を達成できない状態が続くようであれば、Dellの最盛期は終わったと認めるべきときが来たということなのだろう」とBarron's誌は指摘している。
金融アナリストによって、自社の成長性に疑問が投げかけられるようになれば、デルも無視はできません。背に腹はかえられなくなったデルが、打開策としていよいよAMD製のCPUの採用を始める、という噂も囁かれるようになりました。 情報源は、離反か?インテル派のデル、AMDチップ販売に乗り出すです。
Dellが同社ウェブサイトで、「Athlon 64」チップのパッケージを6種類販売している。処理速度は2.0GHzから2.8GHzで、価格は「Athlon 3500+」の219.27ドルから「Athlon 57-FX」の1102.91ドルとなっている。
何人かのCNET Forum読者がDellサイトでプロセッサが販売されているのを見かけたのは先週のことだが、AMDプロセッサのパッケージだけを提供し、PC、ラップトップやサーバには搭載していないため、盛り上がりに欠けているようだ。
Dellの業界での地位やIntelに対する長年の献身的態度を考えれば、どのようなものであれAMDチップの採用をほのめかすような動きは重大な意味を持つ。かつて、Dell創設者のMichael Dellは、AMDのAthlonプロセッサを実証されていないコンピューティングプラットホームと称し、激しく非難したことがある。一方、最高経営責任者(CEO)のKevin Rollinsは、「AMD搭載のDell製品」に関し、何度か曖昧な態度をとっている。
インテルがCPU市場で独占的な地位を構築できたのには、膨大な金額をR&DとM&Aに投資してきたこと、自社の開発拠点間での競争を促す仕組み等、色々な成功要因があります。ここでは、同社のコンシューマ向けブランド戦略にテーマを絞ります。
「Intel Inside」のように、完成品の一部品でしかない製品がブランドでの差別化を訴求する戦略は、「Ingredient Marketing」と呼ばれますが、実際に成功例は数えるほどしかありません。有名なところでは、各種衣料に使われるゴアテックス、人工甘味料のアスパルテーム(海外ではNutraSweet)程度でしょう。
Ingeredient Marketing が成功する条件は、これらの製品で製造された完成品を他社製品と比べた時、ユーザが機能上の違いを明確に認識できることです。一般的に言って、製品ライフサイクルが成熟期を迎えれば、著しい機能上の差異はなくなるものです。
PCの場合も、もはやエンドユーザが、基本性能の差異を実感できないところまで発展してきました。完成品のPC本体での性能差なくなり、コモディティ化した以上、上記の Ingredient Marketing が成立する条件も失われます。したがって、CPUのブランドにこだわるユーザが減ってくれば、価格的に安いAMDのCPUを採用するPCメーカーが増えることになります。
日本でもPCのコモディティ化の波は、押し寄せています。近い将来、ソニーがVAIOから撤退する可能性も決してゼロではないでしょう。そんな中、EIZO(ナナオ)やトウトクと並んで、国産ディスプレイメーカーの一角を占めていたイーヤマが、民事再生手続きを申し立てました(イーヤマが民事再生申し立て)。
私は「iiyama」の19インチモニターのユーザなので、この話はあまり嬉しくありませんが、同社の業績の低迷振りを考えると、さしたる驚きでもありません。本当に時代の流れを感じるのは、日経バイト誌の休刊の方です(日経バイト休刊ですかー!!)。
日経バイトを発行していた日経BP社が主催するイベント、WPC Expoが、今年も盛況のうちに終了したようです。それで、今回改めてイベントのWebページを見ると、重大な事実に気づきました。
WPC EXPOは1995年にPCの総合展「WORLD PC EXPO」としてスタート、PCとデジタル機器との融合が進む業界動向を反映して、2002年からは「WPC EXPO」と名称を新たに開催し今年で11回目を迎えます。
私の知らないうちに、正式名称そのものが「WPC」の変わっています。もはや「PC」を前面に打ち出したタイトルでは、アピールできないということなのでしょう。そのうち「PC」という文字自体が、イベント名から消えてしまっても不思議ではありません。
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