一部上場企業ファーストリテイリング経営幹部も自民党候補者も公募する時代
2005年11月16日
11月13日(日曜日)の朝刊にファーストリテリングの人材募集の全面広告が掲載されました。全面赤色の文字だけというスタイルも異色であれば、その内容も通常の中途採用広告とは大きく異なります。今回募集するのは、現役のCEO、COO、CFO、CHO、CIOなどの経営トップです。「経営者は育てられません。創業者募集」というタイトルに続く文面は、次のような内容です。
この人材募集広告の狙いを解説する記事が、本日の日経流通新聞に掲載されました。 情報源は、『ファーストリテイリング、全面広告で経営者募集――柳井氏流の“荒療治”か』(2005年11月16日 日経流通新聞MJ 6面)です。
柳井正会長兼社長はこのところ「経営者は育てられるものでないことを痛感した」と、過去の人材育成策の失敗を認めるような趣旨の発言を繰り返していた。その文言がそのまま冒頭の広告文となって現れた。
外部への募集広告には内部を揺さぶる両面作戦も透けて見える。11月に持ち株会社制に移行したのと同時に、社内に一段と厳しい競争状況を作り出し、内部の人材にも経営者へとはい上がるたくましさを求める。
今秋にはメンズ、ウイメンズなど商品分野ごとに事業部制を導入し、商品開発チームを細分化した。大企業病を防ぎ、再ベンチャー化を促すのが主眼だが、責任を持たせてそれぞれに手腕を競わせ社内人材の短期育成にもつなげる。「(経営者へと)育てられるのではなく、自らを経営者に育てる」(柳井会長)ための環境を整える。
この記事の注目点は、現在のファーストリテイリング社員へ向けたメッセージが込められているというところでしょう。会社側が実際にそれほど多くの人数が応募してくるとは、想定していないところにも、そうした狙いが見て取れそうです。
広告に対し「週明けの問い合わせ件数は2ケタ台と予想以上」(同社広報・プレス部)。この中に企業幹部経験者など同社の求める条件を満たす人材がどれほど含まれるかは不明だ。
一般的には、トップクラスの人材を募集するのはヘッドハンターを使うのが普通です。今回のように会社が新聞紙上で直接公募するという形を採れば、冷やかし半分の問い合わせもあったりして、その対応も煩雑になります。また、ヘッドハンターに支払うリテイナーフィーと成功報酬を含めて考えたとしても、新聞公募がコスト的に有利であるとは思えません。やはり、現在の社員の危機感を煽る効果を狙っていると考えるべきでしょう。
さて、この人材募集への応募方法ですが、さすがにトップ人材の募集だけあって、「履歴書、職務経歴書を郵送」などといった無粋な手段は採りません。広告には「まずは、お電話をください」とあります。個人的には、どのような人が実際に応募してくるのか、興味が持てますね。
いまや、政権政党の自民党も候補者を公募する時代です。マスコミで注目を集める佐藤ゆかり氏や杉村太蔵氏も公募組でした。杉村氏のブログにはこうあります。
なんで自由民主党の公募に応募したか。もちろん日々、サラリーマンをしながら考えていることはあったが、きっかけは本当に偶然の出会いだった。会社の仕事で資料を調べている内に、たまたま自由民主党ホームページで公募をしているという情報を見つけて、クリックしたところ、郵政民営化と構造改革に関して論文課題が出ていた。今、自分が思っていることを20分から30分くらいで書いてみて、送ってみたんですよ。これが8月16日の締め切りの日だった。
こうした例を見ると、ファーストリテイリングも新聞公募で「ヘッドハンターが発見できない掘り出し物」を狙っているとも思えてきました。前言を翻すようですが。。。 自民党の公募に応募した人間の中で、ファーストリテイリングにも応募する人間がいたりすると、話としては面白くなります。そんな種類の応募マニアはいないのでしょうか?
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