マイクロソフト・パワーポイントのトライアル・マーケティングの効果は?
2005年11月23日
無償版や廉価版ソフトの普及により、マイクロソフトがコンシューマ向けのマーケティング戦略の転換を迫られています。プレゼンテーション用ソフトで圧倒的なシェアを誇るパワーポイントに、トライアル用のインセンティブ・プランが導入されました。 情報源は、『マイクロソフト、プレゼン用ソフト、1年限定で7割引き』(2005年11月21日 日本経済新聞 朝刊 9面)です。
マイクロソフト日本法人は25日、使用期間を1年に限定し、価格が通常版より約7割引きのプレゼンテーション用ソフトを発売する。競合他社が低価格ソフトを投入するのに対抗、初心者市場でのシェア維持を図る。同法人が使用期間を限定した低価格商品を発売するのは初めて。
発売するのは「パワーポイント 2003 1Year スターター パッケージ」で希望小売価格7,980円。全国の家電量販店などで6万本を限定販売する。
機能は通常のパワーポイントと同じだが、ユーザー登録してから1年が経過すると閲覧以外の機能を利用できなくなる。クーポン券を付け、同ソフトの通常版や新バージョンを購入すると7,980円を購入者の指定口座に返還する仕組みにして、1年後の通常版への乗り換えを促す。パワーポイントでの売れ行きを見極め、データベースソフト「アクセス」などの低価格販売も検討する。
マイクロソフトが、このようなマーケティング戦略を打ち出した背景には、ソースネクストが9月末に発売した、『スタースイート 8』があります(PDFソフトでアドビを動かしたソースネクストが次に狙うターゲット)。3,970円で発売された『スタースイート 8』は、ビジネス系ソフトを統合したパッケージソフト、いわゆるオフィススイート製品で、マイクロソフトのWord、Excel、PowerPointと互換性があることが、最大のセールスポイントです。
さらにソースネクストは、1,980円で『スタースイート 8』のPowerPoint部分だけのソフト『超五感プレゼン』を、12月9日に投入する予定です。今回のトライアル・プランは、明らかに「超五感」を意識したものでしょう。なお、「超五感」は、PowerPointとの「超互換」という意味だと思います。
スタースイート 83,970円(税込み)
限定50,000本・特別価格版
Microsoftとの互換性UP!シリーズ最新版登場
ワープロ、表計算、プレゼンテーション、グラフィックなどのアプリケーションを統合したオフィスソフトの最新版。Microsoft Officeとの互換性がさらにアップ。
マイクロソフトのスターター・パッケージは、ソースネクストに対抗できるのでしょうか? このプランでは、1年後にユーザが正規製品(26,040円)を、キャッシュバック分(7,980円)を除いて実質18,060円で買うことを想定してます。果たしてそのように上手くいくのでしょうか?
マイクロソフトのコンシューマ向けソフトビジネスは、ドル箱の Windows と Office に完全に依存する構造は、ここ数年まったく変わっていません。情報源は、マイクロソフトの「利益を生まない」アプリケーションです。
CNET News.comが入手したMicrosoftの社内文書によると、新しいPCと一緒にバンドル出荷される「Works」は、1本あたり約2ドルにしかならないという。また「Money」の標準版では利益さえ生んでおらず、「OneNote」に至ってはPCメーカーにバンドルしてもらうために大幅な値引きを余儀なくされているという。
さらに、Microsoftはこのような状況が好転しないとの予測も示している。
MSNのある社員は、CNET News.comが入手した社内向けの戦略レポートに、「消費者向けパッケージソフトウェアの小売市場は見通しが暗い。市場規模が縮小しつつあり、消費者が小売店でソフトウェアを購入しようという意志も以前より弱まっている」と記している。
Microsoftはこのレポートのなかで、Works、百科事典の「Encarta」、デジタル画像処理ソフト、Moneyなどを含むフルパッケージソフトウェアの売上高が、2004年度には世界全体でも7%低下しており、さらに2005年度も同様の傾向にあるとしている。
このような不調のコンシューマ・ビジネスの打開策として考えられているのが、広告ビジネスの強化です。つまり、コンシューマ向けには、無償の広告付きバージョンの投入するという戦略転換です。情報源は、S・バルマー、マイクロソフトの広告ビジネスを強調です。
MicrosoftのCEO、Steve Ballme氏が、日本のMSN事業の10周年を記念して行われたパートナー向けのイベントで基調講演を行った。
Ballmer氏はこの講演の中で、米国時間で11月1日に発表された同社のWindows Live、Office Live戦略について語り、広告ビジネスについての意気込みを披露した。
同氏によればWindows LiveとOffice Liveは既存のWindowsやOfficeを変えるものではなく、拡張して発展させるものだという。これら「Live」のサービスについて、一部はサブスクリプションによる収入を考えているものの、その大半の収入を広告によって得ることを強調した。
かなり機能が限定されている Works は、中途半端な存在です。例えば、PowerPoint 文書は見ることはできても、作成することはできません。大黒柱の Office に先立って、広告付きの無償版の最右翼候補になるのが、Works あたりではないでしょうか。
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現在の Works では、年賀状シーズンを迎えて、はがきソフト機能を全面に打ち出しています。しかし、この機能でも、年賀状専門ソフトの『筆まめ』や『筆王』には、かないません。
何処までいっても、Works は中途半端なソフトのようです。スターター・パッケージよりは、Works にフル装備の PowerPoint を組み込むの方が、ソースネクストへの対抗策になるのではないでしょうか?。無償とはいえ、広告が常時表示されているソフトにはそれほどの人気が出るとは思えません。例えば、あのブラウザの Opera でさえ、結局広告を撤去することになりましたし。
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