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NHKはスクランブル有料化だけでなくネット配信の導入も積極的に検討すべき

2005年12月07日

受信料不払い問題の抜本的な解決策として、NHKがスクランブル放送による有料化の検討が本格化してきました。情報源は、NHKスクランブル化、経財諮問会議に提案へ 宮内議長です。

6日にある政府の経済財政諮問会議で、規制改革・民間開放推進会議の宮内義彦議長(オリックス会長)がNHKの視聴を受信料を支払った世帯だけに限る「スクランブル化(有料放送化)」を提案することが明らかになった。スクランブル化すれば受信料制度が大きく変わることになり、経営形態の論議にも影響を与える可能性がある。

解決すべき問題が山積していることを承知の上で言えば、私はスクランブル化の検討には反対ではありません。今の段階で有料化の方向性を持ち出すことは、NHKの経営改革への取り組みが鈍るといった意見もあるでしょう。消費税アップの話が構造改革の勢いをそぐというのと似たような主張です。もちろんどちらの改革もさらに進めるべき必要性はありますが、それだけでは根本的な問題の解決にならないのは明らかなので、建前論だけでは限界があります。やはり収入の増加策も併せて検討すべきでしょう。

これに加えて、NHKはコンテンツのネット配信にも積極的に取り組むべきだと思います。 地上波放送が有料になるのであれば、ネットも配信も有料になって当然でしょう。NHKをはじめ放送局は、他のメディアに比べてグローバル展開で大きく遅れをとっているのが現状です。 オールドメディアの典型と考えられる新聞系のメディアの方が、むしろグローバル展開の取り組みが進んでいるとさえ思えます。

大都市であれば、朝日、読売等の日刊紙も、衛星版がほほリアルタイムで海外でも定期購読できる時代です。一方テレビ番組でも、海外居住者向けのサービスとして『録画ネット』というユニークなサービスがあります(ソフトバンク対総務省の争いの次なる火種は、Yahoo! BB 光の映像配信サービス)。

しかし、先月にはこのサービスが最終的に著作権法上違法であるとの司法判断が下り、海外居住者は自由に日本のテレビ番組を見ることができなくなりました。情報源は、「録画ネット裁判」で明らかになったタブーです。

「録画ネット」とは、簡潔にまとめるならば、海外からPCとインターネットを使って、日本に置いてあるテレビパソコンで録画した番組を見る、というサービスである。このサービスを運営するのは、有限会社エフエービジョンという会社だが、ここでは「録画ネットを運営する会社」という意味も含めて、便宜上「録画ネット」と呼ぶことにする。

事の発端は、この録画ネットに対して2004年7月30日に、NHKと在京民放5局から「サービス停止を求める仮処分の申し立て」の申請が東京地裁に起こされたことに始まる。この申し立ての根拠は、この録画ネットが放送番組の複製・送信サービスであるから違法である、という点にあった。

これに対して録画ネット側は、このサービスはテレビパソコンを預かって代行管理するハウジングサービスであり、違法性がないことを主張したが、 2004年10月7日に、サービス停止の仮処分申請が認められた。以降録画ネット側が異議申し立てを行なったが、東京地裁は録画ネット敗訴という決定を下した。2005年6月1日のことである。

録画ネット側はこの判決を不服として抗告したため、今度は舞台を知的財産高等裁判所(知財高裁)に移すこととなった。そして11月15日に知財高裁の決定が、抗告棄却。再び録画ネット敗訴という判決となったわけである。

この判決により海外居住者は、簡易な手段によってテレビ番組を視聴する手段を奪われたことになります。奪ったのは、録画ネットを提訴したNHKと民放5社で、奪った側の責任として、現ユーザのニーズに答える責任もあるはずです。元々録画ネットのユーザは、ある程度の料金を支払っているわけですから、ネットの有料配信に対するニーズも高いと考えられます。

さらに話が飛びますが、前回の総選挙では海外居住者による在外投票率が25.84%と、前回を9.91ポイントも上回りました((9/12)投票率、67.51%に・小選挙区。在留邦人は、どのような情報を元に投票したのでしょうか? 十分な情報も与えずに単純に投票のみのを促がすのは、海外居住者へ積極的にアピールできるチャネルを持つ特定政党のみを利することになるのではないでしょうか?

公平に判断できる情報を与えた上で、在留邦人の投票率を伸ばすためには、テレビ番組のネット配信も活用すべきでしょう。なにしろ、現行の公職選挙法では公示後はホームページの更新も禁止されているくらいですから、それを補完する役割を担うのが、やはり市民メディアのテレビになるのではないでしょうか。なお、時代遅れの公職選挙法の方も改正される動きもありますが、そうなったとしてもテレビの影響力は依然として大きいと思います。

話をNHKのスクランブル有料化に戻します。問題はこのように有料化されても、見たいコンテンツがあるかということです。みのもんたにを司会に迎えるまで落ちぶれた、紅白歌合戦は見たいとは思いません。しかし、例えば、本日予定されている衆議院国土交通委員会の耐震強度偽装問題質疑に、もし姉歯建築士が登場するのであれば、有料でも見たいと思う人は少なくないのではないでしょうか? 

前回の中継でも感じたことですが、こういう重要な答弁は、編集されたものをニュースで見るのではなく、できれば全部通して見たいものです。そうしたニーズのためには、ネットでのオンデマンド配信が用意されていてもいいと思います。



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