排ガス浄化装置で環境ビジネスを食い物にした三井物産がロハスを手がける説得力
2005年12月13日
ロハス(LOHAS)関連でこのブログを訪問する人が多いようなので、もう1回この話題を取り上げます。但し、ロハスを金儲けのネタにするのはけしからん程度のことを言うつもりはありません。今回の論点は、単純にマーケティング戦略的に見ても、成功の可能性は低いのではないかということです。
日本でロハスという言葉を普及させた先駆者は、雑誌「ソトコト」の編集長の小黒一三氏です。小黒氏は、ソトコトを出版する木楽舎のグループ会社である、トド・プレス社の社長でもあります。そのトド・プレス社がロハスのライセンス・ビジネスのパートナーとして選んだのが三井物産です。果たして、三井物産がロハスというコンセプトに合うパートナーでしょうか?
現在世間を騒がせているのが、姉歯建築設計による耐震計算データ偽造問題です。ちょうど昨年の今頃、同じようにデータを改竄した問題が大きく報道されていました。ディーゼル商用車に取り付ける排ガス浄化装置の性能データの偽造事件です。この事件を起こしたのが、他ならぬ三井物産です。情報源は、人はメディアであり広報媒体――三井物産の失敗に学ぶです。
三井物産はCSR(企業の社会的責任)の一環として、地球環境保全への積極的な取り組みを謳ってきた。同社は自ら掲げる「環境負荷の低減と環境リスクマネジメントの徹底」に基づいて、関係会社に環境管理を指導してきた。また「環境問題の産業的解決を目指した事業の展開」として、持続可能な発展のスキームづくりに貢献。「社会との共生」では、日本国内の4万ヘクタール近い社有林の保全や各種環境保全活動を支援してきた。こういった取り組みは、これまで高い社会的評価を得てきた。
しかし、その三井物産が東京都など首都圏のディーゼル車規制に関連し、販売する製品とは異なる装置の試験データを提出。都からの適合指定を受けた排ガスの粒子状物質除去装置(DPF)を販売していた事件が、2004年暮れに明るみに出た。
ロハスの本質が何かはよくわかりませんが、マーケティング・コンセプトとしては環境に配慮したライフスタイルを中心に訴求していくつもりでしょう。今ひとつ中身がはっきりしない以上、マーケティングの成否はイメージにかかっていると言っても過言ではありません。だとすれば、環境関連ビジネスで世間を欺いた三井物産が絡んでくれば、説得力のかけらもなくなります。
名編集者として鳴らした小黒一三氏には、信望者も多いようです。しかし、ロハスのライセンス・ビジネスのパートナーとして三井物産を選んだのは失敗だと思います。おそらく、広範な商品分野でのライセンス・ビジネスのノウハウを持っている商社という理由で、三井物産が選ばれたのでしょう。重要な戦略パートナーに物産を選んだとところからして、ロハスのコンセプトの底の浅さが透けて見えるようです。
小黒氏は商標の無断使用という理由でシャープの正式に警告文を出すようです(ロハス(LOHAS)の登録商標の無断使用でシャープが三井物産とトド・プレスから警告)。私にはシャープの方がよほど環境問題に真剣に取り組んでいるように思えます。情報源は、シャープ、環境に優しい樹脂塗料 植物系、初の家電向けです。
シャープは、関西ペイントと共同でトウモロコシを原料にした家電用塗料の実用化技術を開発した。製品の製造時と廃棄時の環境負荷を低減するのが狙いで、植物系塗料の家電製品への適用は世界で初めて。
植物系樹脂塗料は、石油などが原料の塗料に比べ、焼却時に出る二酸化炭素(CO2)の量が少ない分、環境への負荷が小さい。塗料の変更で、テレビスタンド一台当たり二十四グラムのCO2を削減できるという。
三井物産がライセンスするロハスにマーケティング・バリューがあるとは、私には到底思えません。そう言う私も、ロハスには詳しくないので、この話題に触るのは当分止めることにします。
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