藤原紀香のテレビCMでおなじみのアパート賃貸の「レオパレス21」が、2006年3月期の決算発表を延期しました。その理由は、過去5年間にわたり不適切な会計処理が行われていたため、決算数字そのものを修正する必要が生じたからです。情報源は、『共済事業資金49億円、レオパレス社長が私的流用』(2006年5月17日 日本経済新聞 朝刊 39面)です。
アパート賃貸大手のレオパレス21は16日、月決めマンションの入居者向けに家具などの破損を補償する共済事業の資金約49億円を深山祐助社長(60)が私的流用していたなどとして、過去5期分の決算短信を修正すると発表した。
同日予定していた2006年3月期決算発表を31日に延期。社内処分を検討中だが、今後の対応策や新人事体制は決算と同時に公表する。
修正するのは01年3月期―05年3月期までの決算短信。01年1月から深山社長の指示で、共済事業の手数料収入をレオパレス本体と分離して処理し、収益に計上していなかった。
この日経新聞の記事は、レオパレスが前日に発表したプレスリリースを元に書かれたものです。しかし、記事の内容は会社側の発表内容を正確に表現していないと考えたレオパレスは、翌日に再び「本日の一部報道の不適切な表現について」というリリースを発表しています。
当社の平成18年5月16日付プレスリリースに関し、一部報道機関において、「資金を不正流用した」または「入居者から共済金名目で集めた資金を私的流用していた」など不適切な表現が使われております。
共済会の目的とは異なる当社社長への貸付や、当社取引先への貸付が行われるなど、不適切な行為が認められたとは前記プレスリリースしたとおりですが、外部の弁護士によるリーガルチェックを経て、これらの貸付については、当社に帰属する資金であったとして、当社の取締役会の事後的な承認を受けたものであり、かついずれの貸付も回収済みであったものです。
また、前記プレスリリースしたとおり、本件資金は、カギの安心システム(入居中に部屋の鍵を紛失した場合、無料でお取り替えするサービス)、家具・家電メンテナンスシステム(入居中に部屋に備え付けの家具・家電を破損した場合、無料で修理又はお取り替えするサービス)および動産総合保険(借家人賠償責任特約、個人賠償責任特約付)等を目的とする、当社の賃貸事業部門の販売商品である「ロマンサービス」契約に基づくものであり、共済金名目で集めた資金ではありません。
レオパレス側の主張点は、
1.「不適切な貸し付け」ではあるが、「不正もしくは私的な流用」にはあたらない
2.資金は「共済金」の名目で集めたのはではなく、あくまでも「サービスの対価」
の2点です。
それでは、日経以外の一般紙はではどのように書かれているのでしょうか。17日の全国紙の見出しはこうなっています。
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『レオパレス21社長、48億円不正流用 入居者共済金を投資』(朝日新聞 35面)
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流用:レオパレス21社長が48億円 入居者共済金を私的に』(毎日新聞 29面)
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『「レオパレス21」社長らが47億円を一時“流用” 入居者からの手数料』(読売新聞 34面)
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『レオパレス 社長が不適切融資 「自分」「知人」に48億』(産経新聞 30面)
朝日、毎日とも日経と同じく「共済金を流用」と表現されています。読売は「協賛金」ではなく「手数料を流用」です。産経の見出しだけには、レオパレスが問題視した「流用」「共済金」といった単語はありません。
この結果からすれば、レオパレスが言う通り「一部の報道機関で不適切な表現が使われている」わけではなく、ほとんどが(レオパレスから見た)「不適切な表現」を使っていることになります。ちなみに適切な表現を使った産経の記事は、こうなっています。