グーグルビデオの失敗は、ホリエモンにとっては想定内?
2006年01月12日
楽天のポイント・キャンペーン騒動で躓いた三木谷浩史社長の2006年が、順調とは程遠いスタートを切ったことを投稿しました(マイレージ、ポイント等の安易なキャンペーンが企業経営に与えるリスク)。三木谷氏の将来を悲観しかけたところで、同じ日に出版事業進出という明るい話題もあったので、少し救われた気がします(楽天、ネットと出版のメディアミックス分野へ進出--雑誌「STAR soccer」創刊)。
ところで、そんな三木谷氏をライバルのライブドア堀江貴文社長は、どう評価しているのでしょうか? ご無沙汰だったホリエモンのインタビュー記事を、久々に紹介します。『テレビ局はもういらない ブランドこそ儲けの源泉』(2006年1月14日号 週刊ダイヤモンド 96~97ページ)です。
――楽天のTBS買収は事実上、失敗に終わった。フジテレビから増資を含めて1470億円の“見返り”を受けたライブドアとは対照的な結末だった。
以前から、なぜ楽天と比較されるのか、さっぱりわからなかった。買収も下手で、ぱっとしない企業なので、もともとまったく気にしていなかったし、世の中がなぜあれほど持ち上げるのかも理解できなかった。楽天はもとより、競争をして負けるかもしれないと感じる相手は日本にいない。
昔はヤフーに追いつき、追い越すことが目標だと言っていたような気がしますが? 国内では向かうところ敵なし状態になった(つもりの)、ライブドアの競争相手は海外にいるのでしょうか?
――海外であれば米アメリカ・オンライン(AOL)に10億ドルの出資を決めた米グーグルか。
確かに欠点の少ない会社だと、評価していた。ただし、最近は欠点も見えてきた。今回のAOLとの提携には、なんの関心もない。
――欠点とは。
技術的に格好のいいところを目指してしまう社風。泥臭さのないところだ。ライブドアはドブ板営業が売りだ。
グーグルの弱点を公言するところなど、発言の威勢のよさは変わりません。そんなグーグルのラリー・ペイジ氏が基調講演を行ったのが、先ほど閉幕したトレード・ショーのCESです。今年のCESでは、マイクロソフト、インテル、ヤフーも基調講演の中で、映像関連のソリューションを中心に据えていました。
IT企業が雪崩をうって映像コンテンツにシフトする動きを見せる様子を、堀江氏はどう見ているのでしょうか? 一時はフジテレビに触手を伸ばした堀江氏も、すでに冷ややかな見方に変わっていました。
――テレビ局への関心は続いているか。
われわれが仕掛けた05年初めがラストチャンスだった。すでにマス媒体としてのテレビの力は衰えてしまっている。たとえば流行語大賞一つを取っても、昔のようにコマーシャル由来のものがノミネートされることもなくなったし、ドラマの主題歌から生まれたミリオンセラーもずいぶんと減った。単一方向の映像配信というビジネスモデルが、傾きかけているということだ。
――テレビ局は電通やNTTドコモと資本提携を行ない、主体的にネット配信事業に乗り出すという。彼らのリッチコンテンツには興味はないのか。
人間の稼働時間は、睡眠時間を除けば1日16時間しかない。たとえリッチコンテンツが山のように配信されても、動画は早送りできないから、見られる量は限られている。
また、インターネットや携帯電話というツールが出現したことによって、コミュニケーションが円滑になり、会社の同僚以外の仲間との飲み会やスポーツの場も増えた。外食産業は好調、フットサルのコートが急激に増えている現象を見ても明らかだ。時間はますます限られてくる。
しかも、デジタルコンテンツ配信のマージンは、パッケージメディアとの競争で薄くなっている。加えて、クリエーターを管理するのは非常に難しい。こうした状況で、動画配信だ、リッチコンテンツだと騒ぐのは、頭が悪いとしか言いようがない。むしろ、モノやサービスのトランザクションへの課金にビジネスのうまみはある。
堀江氏曰く「技術的に格好のいいところを目指してしまう社風」のグーグルが始めたのが、グーグル・ビデオという動画配信サービスです。このサービスが酷評を浴ることになったグーグルは、本当に「頭が悪い」のかもしれません。情報源は、Google Videoにブーイングの嵐です。
ある観測筋が最近指摘したように、米Googleは最先端サービスの開発に関して、「魔法の妖精の粉を失ってしまった」という見方が大勢を占めつつある。
駄作の最新例はビデオダウンロードストア「Google Video」だ。このサービスは先週Googleから鳴り物入りで発表されたが、それ以来同社の最大の支持者の一部からさんざんに酷評されている。
ビデオの選択肢が限られており、ダウンロードの帯域が狭いほか、ユーザーインタフェースが不安定だという。また、ダウンロードプロセス全体の最初のステップであるアカウント認証ができないという問題も浮上している。
どうもグーグル・ビデオは、技術的にも決して恰好いいものではないようです。この記事では、矢継ぎ早に質の低いサービスを繰り出すようになったグーグルが、かつての輝きを失い始めた兆候があるとも、述べています。
磐石とも思われていたグーグルのビジネスが、もし動画配信でミソをつけることになったとすると、堀江氏の指摘が的中したことになります。ただの偶然かもしれませんが。。。
自らは映像コンテンツ関連のビジネスへの進出を否定した堀江氏ですが、来年の今頃はどうなっているかは、わかりません。『ライブドアTV』なんていうのものが、存在している可能性も結構あると思います。何しろ発言がコロコロ変わりますから。
IT関連企業の社長の言動が物議をかもすのは、何も日本に限ったことではありません。米国ではCEOの失言を集めた「2005年の大失言」ハイテク・科学界版なんていうのもあるくらいです。誰がこれの日本社長バージョンを作ってくれないでしょうか? 完成すれば、ホリエモンがそのメイン・プレーヤーになることは、まず間違いないでしょうね。
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