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復調の兆しが見えるソニーの完全復活にはiPodの牙城を崩すことも必要

2006年01月27日

低迷を続けていたソニーの業績にも、ようやく回復の兆しが見え始めました(ソニーの当期損益見通し、赤字から700億円の黒字に)。

ソニーは26日、06年3月期の連結営業損益予想を昨年9月時点の200億円の赤字から1000億円の黒字に、当期損益を100億円の赤字から700億円の黒字に、それぞれ上方修正すると発表した。液晶テレビの新ブランド「ブラビア」が好調で、業績悪化の主因だったテレビ事業の赤字幅が縮小したほか、円安や株高、子会社の上場益なども利益を押し上げた。

しかし、好決算の発表とともに、不採算事業からの撤退も明らかにされています。ソニーの遊び心のシンボルでもあったアイボも生産終了となります。

今回の業績回復をソニーの完全な復活と考えるのは、まだ時期尚早でしょう。それでも、ソニーの底力の強さを示す調査結果があることも事実です。先ほど発表された「世界で最も影響力があったブランド」の中で、唯一トップ10に入った日本企業がソニーです。「腐ってもソニー」ということでしょうか?  情報源は、Google、「最も影響力あるブランド」にです。

世界で最も影響力があったブランド

昨年実施された同じ調査では、ソニーはトップ10の圏外に沈んでいました。今回のトップ10への復帰を考えると、ソニーショック以降の業績不調にもかかわらず、ブランド価値はそれほど毀損されていなかったのかもしれません。ソニー・ブランドの強さは、地域別での調査結果を見るとさらに明らかになります。

インターブランドでは、アジア太平洋地域の調査結果を次のように分析しています(Asia-Pacific: Sony Stays Steady )。

Despite press reports criticizing Sony for everything from product to practices, the Japanese consumer electronics maker remains steadfast in the number one position for four of the five years we've conducted the study. It is joined by fellow Asian competitors Samsung (a sometimes collaborator with Sony) at third and LG at fourth.

Driving past Samsung (which had been hovering in the number two spot for the past four years) is Japanese automaker Toyota at second place this year. Year by year, Toyota's increasing popularity can be traced to quality product across a range of price points and lifestyles, while its focus on hybrid-powered vehicles is gaining resonance with fuel-conscious consumers.

この調査が行われた5年間のうち、アジアNo.1ブランドの座を4回も占めたのがソニーです。2番手になったトヨタに関しては、ハイブリット・カーの投入が、ブランド力のアップをもたらしたと分析しています。ソニー、トヨタの事例は、ブランドが高い評価を受けるには、単純に販売量を増やすだけでなく、オリジナリティのある製品を開発することの重要性を物語っているようです。

なお、意外なことにアジアNo.10のブランドとなっているのが、サンリオのハロー・キティーです。相次いだ不祥事によりブランド力が傷ついた三菱自動車では、キティー人気でイメージの回復を狙う戦略です(三菱自動車とサンリオ、キャラクター「ハローキティ」の宣伝・販促使用の包括的ライセンス契約について基本合意)。

自動車とキティーでは、ターゲット・ユーザがかなり違うような気もします。しかし、もしこのプロモーションで三菱自動車が高感度アップに成功することにでもなれば、それこそがキティのブランド力の強さを示す証拠になるのでしょう。

話をソニーのブランド力に戻します。ソニーの代名詞ともいえる「ウォークマン」ブランドの強さは、ソニー・エリクソン業績回復の原動力となりました。ウォークマン携帯が全世界で300万台の大ヒットとなった、同社の2005年10~12月期の最終利益は、前年同期に比べて2.6倍の200億円を達成しています。 情報源は、『ソニー・エリクソン、日本勢「最後の砦」に』(2006年1月20日 日経産業新聞 1面)です。

Sony_Ericsson_W900 ソニー・エリクソンは2001年にソニーとエリクソンの折半出資の携帯電話会社として設立されたが、2年前までは業績不振に苦しんでいた。
だが、04年は高性能デジタルカメラ搭載機でノキアなど他社に先行。昨年8月から市場投入した「W800」などのウォークマン機は音楽再生機能を強化、業界では「ミュージックフォン」と呼ばれる成長分野だ。

「デザイン性の良さもあるが、ウォークマンというブランドの知名度の高さが強みとなった」(英アナリスト)。

残念ながら、ウォークマンの本家本元の日本では、ウォークマン携帯発売の予定は今のところありません。

もう1つソニーの技術力が注目を集めている分野があります。なかなか普及が進まない電子書籍マーケットです。情報源は、ソニーの新型リーダー、電子書籍市場の起爆剤となるかです。

ソニーが先ごろ発表した電子書籍リーダー『ソニーリーダー』(Sony Reader)が、スティーブン・キングの新作さながらの話題を呼んでいる。これが起爆剤となって、電子書籍市場が一気に盛り上がりを見せるのではないかという声もあるほどだ。

Sony Reader ソニーリーダーは今春米国で発売予定で、価格は300ドル~400ドルになる見込み。小さめのペーパーバック本ほどの大きさ(縦約17.6センチ×横約12.4センチ×厚さ約1.4センチ)のコンパクトなボディが特徴だが、年明け早々ラスベガスで開催された『コンシューマー・エレクトロニクス・ショー』(CES)で話題を集めたのは、そのディスプレー(縦約12.2センチ×横約8.9センチ)だ。

さらに出版各社が期待を寄せているのは、ソニーがソニーリーダーを同社のオンラインストア、コネクトと連係させる計画を明らかにしている点だ。近年、米アップルコンピュータ社が、『iPod』(アイポッド)に簡単に転送できる楽曲ファイルを『iTunes(アイチューンズ)Music Store』で販売し、大成功を収めているが、ソニーがその成功に続きたいと考えているのは明らかだ。

ここで紹介した記事の通りに、ウォークマン携帯と電子書籍リーダーが成長を続けることができれば、ソニーも配信関連ビジネスで、ある程度の存在感を示すこともできるでしょう。しかし、ソニーが完全復活したと言われるようになるためには、携帯オーディオプレヤーの元祖として、iPod の牙城を崩すことが必要だと思います。

本家ウォークマンの重要性はソニーも十分に認識しています。そのために、携帯音楽部門と、低迷するConnect部門との連携を強化する戦略を打ち出しました(ソニー、低迷する「Connect」サービスを再編)。今回の再編策が抜本的なてこ入れとなって、ソニーの完全復活の日が訪れることになるのでしょうか?


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