イオンがホワイトナイトとして登場してドンキのオリジンTOBは勝負あった
2006年01月31日
ドン・キホーテは、持ち帰り弁当・惣菜大手のオリジン東秀に対してTOBを仕掛けていました(向こう傷を恐れないドン・キホーテにはライブドアと同じ危うさも感じる)。この争いに割って入ってきたのが、流通大手のイオン・グループです。現経営陣の支持を受けて友好的TOBに乗り出すイオンは、いわゆるホワイト・ナイトという役回りとなります。情報源は、『オリジン東秀、イオンが友好的TOB、ドン・キホーテに対抗、「白馬の騎士」に』(2006年1月31日 日本経済新聞 朝刊 12面)です。
イオンは30日、持ち帰り弁当・総菜店を展開するオリジン東秀に対し、TOB(株式公開買い付け)を実施すると発表した。先にオリジン東秀にTOBを仕掛けたドン・キホーテに対抗し、いわゆる「ホワイトナイト(白馬の騎士)」となって友好的に子会社化し、グループ力を強化したい考え。国内の上場企業同士のTOB合戦は異例。
イオンの1株あたり買い付け額は3100円。ドン・キホーテの提示価格(2800円)を300円上回る高値で、50%(890万株)超を買い取る。取得額は277億円超となる。オリジン東秀の30日終値は2670円。予定数を超えても応募株はすべて買い付けるとしており、「結果次第でオリジン株が上場廃止になる可能性がある」(イオン)という。買い付け期間は31日から3月1日。
ドンキ、イオンのどちらが買収先として相応しいかを判断するのは、あくまでもオリジンの株主です。イオンによるTOBに対しては、オリジン東秀の取締役会、労働組合も同日付で賛成の意を表明しています。ドンキ側も対抗措置として、買収価格をさらに引き上げてくることも予想されます。しかし、イオンがドンキよりも潤沢な買収資金を持つことは明らかです。
現状の展開ではドンキ側の劣勢は、決定的であるように思えます。ドンキ側の選択肢としては、イオンに匹敵するようなパートナーを探して、対抗陣営を形成するという方法もないわけではありません。しかし、あくの強いドンキと組もうとするパートナー企業が、簡単に現れるとは思えません。残りはファンド系ということになりますが、これも期待薄でしょう。
イオン側の買収予定株数は50%超ですが、予定数を超えても応募数はすべて買い付けることを表明しています。昨年8月にドンキは、東秀の発行済株式の23%に当たる417万株を、平均単価1940円で友好的に取得しています。仮にイオンのTOBに応じて3100円で手放すことにすれば、50億円弱の儲けとなります。ROIとしては驚異的で、あながち悪い話でもありません。
東秀へのTOBに失敗したとしても、ドンキは短期的には大きな利益を手にできるわけです。しかし、次世代コンビニ構想に欠かせない提携先を失うことは、経営戦略上は大きな痛手でしょう。現在のドンキの主力業態は、周辺住民の理解が得られるケースも少なく、出店候補地も限定されています。また、現在のドンキの顧客層も若者が中心です。
東秀の持ち帰り弁当と惣菜をメニューに加えることで、幅広い顧客をターゲットとしたコンビニでの他店舗化を狙ったのが、ドンキの成長戦略です。中食市場の強化は、コンビニ・チェーン共通の課題です。イオンは東秀の買収により、グループのコンビニ・サンクスのメニューを強化することができます。
今回の失敗により、ドンキにとって東秀に代わる提携先を見つける必要性は、ますます高まってくるはずです。毀誉褒貶の多いドンキにとっては、友好的な提携先を見つけることは、簡単なことではありません。しかし、不屈のドンキ安田隆夫会長は、この程度の失敗でめげることもないでしょう。今後もドンキの動向からは目が離せないことは確かです。
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