植草一秀氏名古屋商科大学大学院客員教授就任とライブドア事件捜査
2006年02月06日
いわゆる手鏡事件で早稲田大学教授の職を失った植草一秀氏が、名古屋商科大学大学院の客員教授として、本年4月に教職に復帰することが、明らかにされました。マスコミ的にはもはや「過去の人間」である同氏に関する報道は、全くありません。黙殺され続ける植草氏は、事件に関して次のように語っています(植草一秀が巻き込まれた事件について)。
2004年4月8日に発生した事件につきまして、皆様には大変なご心配をおかけ申し上げ、誠に心苦しく存じます。天地神明に誓って無実潔白を主張してまいりましたが、2005年3月23日に東京地方裁判所より罰金の有罪判決が出されました。
当初、有罪判決の場合には、当然控訴する予定でおりましたが、当方の緻密な無罪立証の論点が完全に無視された不当判決を検討し、熟慮のうえで控訴いたさないことにいたしました。裁判を継続した場合、今後も不当な審理が継続することが確実であり、法廷の外に場を移し、無実の立証に努めてまいることといたしました。
警察での取調べ中に、早々と容疑を認めたと報道されたことに関しては、2004年8月30日に開いた記者会見で、次のように弁明していました。
私は、警察で当初、一貫して無実を主張しましたが、取調べの警察官から強く不当な利益誘導があり、その場での即断を迫られました。逮捕されることも初めてでしたので、私は極度の錯乱状態に陥ってしまい、軽率にも、まったく犯していない罪なのにそれを認めるような虚偽の調書を作成する方針に同意してしまいました。この点につきましては、警察の言うことに疑いを持たずに素直に信じてしまった自分の行動があまりにも軽率であったと猛烈に後悔しております
詳細な説明はここではいたしませんが、その後、事件の翌々日である4月10日の東京区検での検察官との対話を経て、短期決着との警察の話が全くの作り話で偽りであることに気付きましたのと同時に、自分の無実を立証する絶対的証拠の存在に気がつき、4月11日の裁判所における勾留質問以降、一貫して自らの無実潔白を主張して現在に至っております。
警察、検察当局は、私が全面否認の主張を開始した4月11日の翌日である4月12日に、私が容疑を認めているとの事実に反する説明をつけて事件をマスコミにリークし、事実とは異なる形で世間一般に事件が報道されました。
正式な裁判に移ってからも無罪を主張し続けたわけですが、結局判決は有罪に終わりました。判決は承服できないが控訴はしない、支援者の力を借りて法廷外で無罪の立証を続ける、というのが現在の同氏の主張です。
一般の人間には、分かりにくい主張であることは確かです。また、逮捕当初の自白を大々的に報道して以降、同氏が容疑を否認し続けている事実を積極的に伝えるマスコミもありません。
したがって、植草氏は容疑を認めた上で控訴しないことを選んだ、と思い込んでいる人も少なくないのではないでしょうか。しかし、控訴しない以上は、法律的には植草氏が東京都迷惑防止条例に違反し、有罪が確定してしまったことも、また事実です。
ライブドア事件でも、捜査の進展状況は連日マスコミから流されています。もうすでに有罪が確定したかのような報道振りです。このあまりにも早すぎる展開には、弁護士の鼎博之氏が疑問を投げかけています。 情報源は、ライブドア事件がIT企業に与える法的影響は?です。
逮捕初日の報道には、東京地検の伊藤鉄夫次席検事が、1月23日「証券取引の公正を害する重大な法律違反があることが明らかになった。ライブドアグループの存立の中心のところで違反をしている」と語ったと、ニュースの取材源の発表があるほかは、「関係者の話で分かった」「株価をつり上げるのが主要な目的であったとみられる」「決算粉飾に使う利益をつけかえたことが分かった」などと報道されており、関係者とはだれか、なぜそうと分かったのか、全くわからない。
これでは、すでに逮捕から数日で4人の有罪が確定したかの如くである。上記のように、証券取引法違反は、余りにも漠然とした規定であり、嘘をつく意図があったかどうかは、被逮捕者の供述がないと立証することができない犯罪である。
堀江氏を除いたライブドアの容疑者は、一様に容疑内容を認めているというのが、マスコミでの報道です。しかし、実際の公判になれば、植草氏の場合のように一転して否認に変わる可能性もゼロではないでしょう。ここら辺の危うさに関しても、鼎弁護士は警告を発しています。
身体拘束の極限状況に負いこんでおいて、被疑者から自白を得る方法が文明社会において、許されるべきであるとは思えない。後日おこなわれる裁判において、取調べ中の自白自体が虚偽であり、供述の任意性が争われるのが毎回繰り返される裁判のパターンである。被疑者側にもストーリーが存在するのであり、真実の追求は必要ではあるが、もう一方で、長期間の身体拘束という事実上の拷問を与えたままの自白に頼る捜査は、もうそろそろ避けるべきである。
4容疑者の10日間の拘置延長が決定しました。ライブドア事件の全容が解明されるのことになるのかは、これからというところでしょう。
ライブドアと堀江氏は、若者の間で起業ブームを巻き起こすことに大きく貢献しました。また、堀江氏の総選挙への出馬により、政治が身近に感じられるようになったのも事実でしょう。今回の事件を通じて、裁判システムの詳細について我々の知識が増えれば、それもライブドアのおかげということになるのかもしれません。
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