全米を騒がしたジェームズ・フライとオプラ・ウィンフリの事件
2006年02月10日
ウォートンの記事 A Million Little Embellishments: Truth and Trust in Advertising and Publishing を読んで、全米で人気No.1のトークショーのパーソナリティ Oprah Winfrey が番組の中で推薦した本に、虚偽の記述があることがわかり、大問題になっていたことを知りました。騒動の概要を紹介している日本のマスメディアの記事が見つからなかったので、IPSO FACTO から、該当部分を引用させてもらいます。
ウィンフリーは毎月1回程度の割合で、自身の番組の中に「オプラのブッククラブ」というコーナーを設けていて、その中で特定の本を取り上げ、書評を行っている。彼女によって紹介された本は、それだけで売り上げが100万部ほど増えるとも言われており、昨年9月に紹介されたジェームズ・フライ氏の「ア・ミリオン・リトル・ピースィズ」はすでに350万部以上が売られている。
「ア・ミリオン―」は麻薬と犯罪から更生する様子を描いたもので、フライ氏の自叙伝として書かれていたため、書店ではノンフィクション作品として販売されていた。2003年に発売された「ア・ミリオン―」は順調に売り上げを伸ばしていたが、昨年9月にウィンフリーによって紹介されると、オンライン書店のアマゾンで売り上げ1位を記録し続けるなど、爆発的なヒット作品となった。
しかし1月8日、ウェブサイト上でフライ氏の経歴や犯罪歴と自叙伝の内容が大きく食い違う事実が報じられ、フライ氏にストーリーの脚色疑惑が浮上していた。
この3週間、ウィンフリーはフライ氏の作品を弁護し続けてきたが、自叙伝の内容があまりにも氏の実体験とかけ離れていたため、26日になってその態度を180度変えている。26日のウィンフリー・ショーにはフライ氏がゲストとして出演したが、そのフライ氏をにらむようにして、ウィンフリーは「騙された気分だわ」と怒りをあらわにした。「それよりも重要なのは、あなたが数百万の読者を裏切った事よ」、ウィンフリーは続けてそう語っている。
フライ氏は脚色の事実を認めながらも、「今でもこれを小説ではなく自叙伝だと思っています」と語った。「ア・ミリオン」の出版元は内容の事実確認が行われなかったと認めているが、今後も自叙伝として販売を続けていくとする声明を発表している。
事件の詳細を知りたい方には、Smoking Gun questions ‘Million Little Pieces’(MSNBC)、Wikipedia のJames Frey あたりがお薦めです。英語が苦でない人にとっては、結構面白いストーリーだと思います。なお、最初の自叙伝の記述に関する疑惑を告発したのは、The Smoking Gun というサイトの記事 The Man Who Conned Oprah です。
改めて一連の事件を時系にしたがって整理すると、次のようなものになります。
■2003年 James Frey 自叙伝 A Million Little Pieces を出版。
■2005年9月 Oprah Winfrey が monthly bookclub で同書を紹介。この結果、一躍ベストセラーに。
■2006年1月8日 The Smoking Gun が同書の内容に虚偽があることを告発。
■2006年1月11日 Frey が Larry King Live に主演し、一部の脚色を認めるも、基本は真実に基づくと主張。
番組終盤に Winfrey も電話で加わり、「本当のことなんかどうでも良い」とも取れる問題発言を行う。
その後各種メディアの後追い報道が続き、騒動が拡大。
■2006年1月26日 Frey が Winfrey の番組に出演。Winfrey は Frey が読者を裏切ったことを認め、真実を軽視するような発言をしたことも公式に謝罪。
冒頭に紹介したウォートンの記事では、Winfrey は、最後に視聴者に公式に謝罪したことで、自分自身のブランド価値が毀損するのを何とか食い止めたようだ、と分析しています。彼女が犯した最大のミスは、事実関係の確認もせずに、 Larry King Live で軽率な発言をしたことにあるようです。
ところで、総選挙でホリエモンを持ち上げた自民党は、国民に謝罪したのでしょうか? それとも、一連の容疑が確定したら、公式発表をするつもりなのでょうか? やはりけじめとして謝罪は必要でしょう。
★恐縮ですが、『人気ブログランキング』を クリック してください。
| A Million Little Pieces (Oprah's Book Club) | |
![]() | James Frey Anchor Books 2005-09-30 売り上げランキング : おすすめ平均 ![]() 引き込まれる作品 A powerful story ここ数年でいちばんintenseだった本Amazonで詳しく見る by G-Tools |
| 「みんなの意見」は案外正しい | |
![]() | ジェームズ・スロウィッキー 角川書店 2006-01-31 売り上げランキング : Amazonで詳しく見る by G-Tools |
| 良心をもたない人たち―25人に1人という恐怖 | |
![]() | マーサ スタウト Martha Stout 木村 博江 草思社 2006-01 売り上げランキング : Amazonで詳しく見る by G-Tools |





