プロだから書ける「ファクタ」とプロじゃ書けない「ブログキャスター」
2006年02月20日
堀紘一氏が代表を務めるドリームインキュベータ(DI)が、ライブドアと同じ港陽監査法人の会計監査を受けていたことを紹介しました(ライブドア事件の余波で監査法人変更を余儀なくされた堀紘一氏の甘さ)。ライブドア事件の影響で、DIは港陽に代わる監査法人を探すことを迫られているわけですが、いまだにこの問題は解決していません。もし監査法人が見つからなければDIは決算ができないことになり、決算ができなければ上場廃止になってしまいます。
DIの堀氏は、元々ライブドア堀江元社長のビジネス手法を完全に否定していました。ライブドア事件のせいで、自分の会社が上場廃止に追い込まれるような事態にでも陥れば、それこそライブドアへの恨み骨髄といったところでしょう。
しかし、上場以来最大の危機に瀕しているDIに対して、厳しい目を向けるジャーナリストもいます。この4月に創刊する会員制雑誌『ファクタ』の阿部重夫編集長です。同じジャーナリストという立場から、その容赦のない矛先は、DIの社外取締役を務める田原総一朗氏にも向けられています。情報源は、ライブドア崩落9―プロレス・ジャーナリズムです。
田原氏はDIの社外取締役をつとめており、市場が危惧するようにDIの経理に問題があれば氏自身が取締役の「善意の管理者による注意義務」(善管注意義務、民法644条)違反に問われかねない。それを自らテレビカメラの前で解説しなければならない場面を避けたことになる。東証一部上場企業とはいえ、財務諸表も読めない身で安易に取締役を引き受けると、とんだ目にあうという典型なのだが、カエルのツラにナントカで済まそうとしている。
昨年のフジテレビ対ライブドア騒動のさなか、田原氏がDIの堀紘一社長を出演させ、くそみそにけなす演出をしたことを覚えている人も多い。田原流の突っ込みが「プロレス・ジャーナリズム」と呼ばれるのは至言だろう。視聴率を稼げれば真偽などどうでもいいのだ。ヤラセすれすれの演出に出演者と出来レース、それも社外取締役の報酬つきである。この落とし前をどうつけるのか、ぜひとも聞いてみたい。
さらに、DIが新しい監査法人を見つけるのに苦労している理由も、そのビジネス実態がコンサルティングというよりも、ベンチャー投資ファンドに近いからだと、一刀両断に切り捨てています。
昨年10月25日発表の中間決算短信の「企業集団の状況」でも明らかなように、DIもまた原則として投資事業組合「DI1号投資事業組合」(事業執行はDIの非連結子会社デライトが行っている)を通じてベンチャー投資を行っている。つまり、ライブドアはじめIT系の投資会社と似た構造を持っているのだ。その監査法人がライブドアと同じ港陽だったことで、市場や他の監査法人が神経質になるのも無理はない。港陽に代わって監査を引き受けるなら、目を皿にしてDIの有価証券報告書を精査し、経理処理が適正かどうかを判断しなければならないだろう。
この阿部氏の新雑誌『ファクタ』の見本誌が、本日私の自宅に届きました。見本誌はわずか18ページの小冊子といった体裁でしたが、4月20日創刊の本誌は100~112ページのボリュームになる予定です。
年間購読料は、12冊で12,000円です。一冊当たり1,000円という単価は、以前阿部氏が発行していた『選択』と全く同じ価格設定になります。中身の方も『選択』と同じ、もしくはそれ以上のものが期待できるのでしょうか? なお、『ファクタ』のセールスポイントの1つは、プロのジャーナリストが執筆するメディアという点にあります。
国内外の俊英ライター700人
報道の世界で「この人あり」と知られた阿部・宮嶋の責任編集ゆえに、国内外の俊英ライターが意気に感じて執筆や取材協力に参加します。さらにジャーナリストだけではなく、「あの人が」と思うような各界有識者など、とっておきの700人が筆を競います。
一方、市民ジャーナリストのメディアと呼ばれるのがブログです。
本日、週刊東洋経済の臨時増刊という形で、『ブログキャスター』という雑誌が発売されました。「ブログ + ニュースキャスター」で「ブログキャスター」なのでしょう。キャッチコピーは、ブロガー=市民記者が書く雑誌、登場。
プロじゃ書けないネタ満載!
斬新で、新鮮、大胆 そして繊細・・・
だからおもしろい!
「プロだから書ける」のがファクタの売り文句で、「プロじゃ書けない」と言うのがブログキャスターです。果たしてこの勝負、どっちに軍配があがるのでしょうか? ブログキャスターの方も、ちゃんと編集部日記が用意されています。雑誌とブログが連動する点では、両者とも共通しています。
ブログキャスター創刊号のスペシャルインタビューを飾るのは、お馴染みの「ブログの女王眞鍋かをり」と「関取ブロガー大関栃東」です。東洋経済新報社が発行する割には、創刊号はエンタメ路線濃厚といった印象を受けます。まあ硬軟ごった煮なのがブログの魅力なので、その路線が誤りということではありませんが、東洋経済ならでは特色がもっと色濃く出て来てもよかったような気もします。
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