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IOCが五輪ビジネスの利権を独占する限り、ネットはテレビを駆逐しない

2006年02月23日

今週はテレビを見る時間が増えて、思うようにブログを更新する時間がとれません。試合内容そのものに加え、私が特に興味があるのは試合終了後の選手の正直な感想です。現状では、選手の生の感想を知る手段は、テレビしかありません。実際には各選手ともブログを持っているのですが、オリンピック期間中は更新が禁止されているからです。 情報源は、選手のブログ「トリノ期間中は駄目」 注意を呼びかけです。

国際オリンピック委員会(IOC)が「ブログの更新は五輪憲章が禁じる選手のジャーナリスト活動にあたる」として制限しているためだ。日本オリンピック委員会(JOC)も2度の監督会議で注意を呼びかけた。

五輪憲章は「選手、コーチ、役員は、記者あるいはその他のいかなるメディアとしての活動はできない」と定め、選手、役員、メディアなどの五輪参加資格を厳格に分けている。

ブログの広がりを受け、IOCは04年アテネ五輪前にインターネットガイドラインを新たに策定、ブログの更新もジャーナリスト活動と見なした。「違反した場合は参加資格認定が取り消されることがある」とまで明記している。

参加資格が取り消されると脅されれば、選手も従わざるをえません。例えば、上村愛子選手のブログRoad to Torinoも、こうなっています。

もう、ブログの更新はオリンピックが終わるまで出来ないけ どみんなの応援をしっかり感じて入ってきます^_^
(コメントは見れるので・・)

大会期間中に更新が禁止されることになるとは、上村選手のブログをプロモートしてきた Excite にとっても想定外だったのではないでしょうか? エキサイトの山村社長のブログ「愛子、明日があるさ。」 2月13日では、この件に関して恨みがましいことは書かれていません。しかし、大会中も更新が許可されていれば、爆発的なアクセスが稼げたと期待していたのが本音ではないでしょうか。

選手の方も大会期間中にブログを更新したいと考えている人は、少なくないようです。ショートトラックの寺尾悟選手のホームページでは、はっきりと書かれています(五輪期間中のHPについて)。

いろいろ確認を取ってみたけど、どうやら五輪期間中HPを更新する事はできなさそうです。

それでも日記は時々書いて、その時の心境等をオリンピック終了後に掲載したいと思います。それまではTVを見るなど、五輪を楽しんでください!

こんな不自然なことになっているのは、リアルタイムの投稿が記者としての活動と見なされているからです。しかし、五輪憲章の方が個人の言論の自由よりも優先されている事態に、選手は必ずしも納得しているわけではないはずです。

実は、上村選手にはブログとは別に、team-aikoの公式ページもあります。こちらの方では、次のようなコメントが載っています(ご声援ありがとうございました)。

「皆様の温かいご声援をいただき、トリノオリンピックでは自分でも納得のいく滑りが出来ました。

ご期待いただいた、メダルには届かず悔しい気持ちもありますが、ソルトレイクシティーオリンピックからのこの4年間は、ルール変更などもあり、『コークスクリュー720』の習得など私にとって貴重な経験であり、これからの自分にとってとてもかけがいのないものになると思います。

これも、皆様の厚く温かい心のこもった応援のおかげと心から感謝しております。ありがとうございました。

4年後のバンクーバーオリンピックに向けて、自分らしく頑張っていきます。今後とも温かいご声援の程宜しくお願い致します。」

彼女がバングーバーでも再挑戦するつもりだとわかり、いくぶんホットできます。何故、ブログでは許されていない本人のコメントが、大会終了前に掲載されているのでしょうか。それは、これを書いているのは本人ではなく、team-aiko ということになっているからだと思われます。

team-aiko は選手のサポートスタッフなので、五輪憲章の適用外という、いわゆる「グレーゾーン」的手法です。こちらのほうも、ブログと同じく excite のサイトですが、この程度の更新は許されてもいいという判断なのでしょう。

ブログだけではなく、試合の様子もネットで動画配信されることもありません。オリンピックでは、IOCと契約を締結した各国の放送局しか映像配信することが許されていないからです。トリノ五輪の日本の放映権料は、3,850万ドル(約45億円)で、NHKが70%、民放が30%を負担する契約になっています。

米国の場合は、 NBCがさらに高額な放映権料を支払っています。そんなNBCの特設サイトNBCOlympics.comでも、動画映像は見れません。用意されているのは、静止画像をめくる紙芝居のような仕掛けだけです。要するに、現状ではネットでオリンピックの動画を見るのは不可能なのです。

オリンピックという巨大な利権を一手に握るIOCのビジネスモデルが変わらない限り、ネットではオリンピックの生情報を得ることはできません。したがって、ことオリンピックに関しては、ネットがテレビを駆逐することはありえない、というのが今回の結論です。


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