期待値が高いだけに失望させる機会も増えてきたグーグルとアップル
2006年03月03日
梅田望夫氏の近著『ウェブ進化論』によれば、ハードウェアとソフトウェアをユーザーに納める現行のコンピュータ産業は「こちら側」と定義されています。一方、無形のサービスだけを提供する新しい形態のコンピュータ産業は「あちら側」で、その代表格がグーグルです。
そのグーグルのCFO George Reyes 氏が、投資家への説明会で、自社の広告ビジネスの成長率が鈍化の兆しを見せ始めていることを明らかにしました。 情報源は、グーグルCFO、成長鈍化を示唆です。
同氏によれば、エンジニアたちが広告システムを完成させてから、Googleは18カ月間、急速な勢いで成長してきたという。また同氏は、現在の Googleには「有機的成長への道だけが残されており、今後はトラフィックおよび収益の拡大が必要になる。われわれの成長率が四半期ごとに鈍化していることは明らかだ。われわれは売上を得るための代替策を見つけ出さなければならない」と語った。
現状のグーグルは広告収入に完全に依存した「一本足」のビジネスモデルです。その点に係る危機感ついては、Reyes 氏はこう答えています。
「広告収入は、今もわれわれの売上高の約97~98%を占めている。投資家からは『この状況ではリスクが高い。サービスの多角化が必要なのではないか』という意見をよくもらう。いずれはサービスの多角化も行うというのが、われわれ経営陣の統一見解だ。しかし今のところは、計り知れないほど大きなチャンスがある。検索業界も検索技術もまだ始まったばかりと見る人も多い」
アップルは iTunes の無形サービスが好調とは言え、その利益の源泉がハードウェアにあることから、「こちら側」の企業ということになります。アップルが発表した新製品も、投資アナリストから絶賛を持って迎えられたわけではありません。情報源は、アップルから「Intel Mac mini」や「iPod Hi-Fi」が新登場です。
Piper JaffrayのアナリストGene Munsterは調査メモのなかで、28日のAppleの発表について、訴求力のある製品ではあるものの、Appleの成長を著しく促すものではないと述べている。
矢継ぎ早に新製品を発表する最近のアップルに対しては、一般ユーザからも批判の声が上がっています。
「クパチーノの仲間がまた、期待外れの製品を立て続けに発表している。Steve Jobsは、意味のないものを作り出す名人だ。どういうわけか、今回の発表はたいしたことがないと直感していた」
グーグル、アップルとも、ちょっとした悪材料が大きく取り上げられるのは、それだけ両社に対する期待が大きいからでしょう。時として失望感を与えることがあったしても、両者がイノベーティブな企業であることは、本質的に変わりありません。
『Everything Bad Is Good for You』の著者、Steven Johnson 氏は、イノベーションという観点から、グーグルとiPod の強みを分析しています。 情報源は、 Ben Franklin Forum on Innovation: What Can You Learn from the World's Top Innovators?です。
Google is nearly as easy to use. When it began, competing search engines often employed busy graphics and organized their results in opaque ways. Google presented only its memorable moniker, a mostly white screen and a text-input field.
Likewise, the genius of the iPod is its scroll wheel, which allows a user to rapidly spin through hundreds, even thousands, of songs.
They allow a person to recombine text, photographs and music in ways uniquely useful to him. “The iPod is a tool for taking information ― digital music files ― and creating your own media experience,” he said.
可能な限りシンプルな操作性とデザインで、ユーザに新しい体験をもたらすのが、グーグルとアップルの競争力の高さの基本ということです。しかし、最近の両社の新製品の投入スピードには、ますます拍車がかかっています。そうなれば、当然駄作が含まれる確率も高くなります。製品開発を急ぐあまり、自社の強みの基本部分を見失うようなことが起これば、その将来にも黄色信号が点滅することになります。
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