ソフトバンクがボーダフォンを買収すれば、埼玉ダービーも白熱する?
2006年03月10日
日本の携帯電話事業をソフトバンクに売却する方向で交渉に入った世界最大の携帯電話会社、英国のボーダフォンの最高マーケティング責任者、ピーター・バムフォード氏が4月1日付で辞任することが発表されました。この人事は、ソフトバンクへの事業売却に関係があるのでしょうか? ボーダーフォンが日本市場撤退を決めた背景には、経営陣内部での人事抗争があると伝えられています。 情報源は、苦悩続く英ボーダフォン 圧力緩和へ株主報酬増です。
5日付英紙フィナンシャル・タイムズ(電子版)はボーダフォンのサリーン最高経営責任者(CEO)は少なくとも日本の子会社、ボーダフォン・ジャパンの売却で得る資金の大半を株主に還付させる意向を示していると伝えた。売却額としては最大で100億ポンド(約2兆円)と見積もられている。
ボーダフォンは今年、配当金と株式の買い戻しを合わせて計95億ポンドを株主に返還するとみられている。ソフトバンクへの日本法人売却の具体的な方針はまだ固まっていないものの、株主はそれ以上の返還を求めており、サリーン氏が株主の機嫌をとるために追加報酬を決断したといわれる。
サリーン氏の決断の背景には経営陣内部での確執が表面化し、同氏のCEOとしての立場も危うくなり始めているという実情がある。ボーダフォンのマクローレン会長はサリーン氏が辞任しなければ、会長職を辞任する意向だと伝えられた。
今回の海外事業の売却は、延命を狙った現経営陣の株主懐柔策の1つという位置付けということになります。それでは、約2兆円を支払うことになるソフトバンクの株主は、この買収をどのように評価しているのでしょうか?
買収資金の半分をLBOでまかなうことで、ソフトバンクの財務体質の悪化を懸念する声が大きいようです。一方、通信事業の本命である携帯電話事業へのソフトバンクの参入は既定路線なので、それを買収により加速させるのは、当然の選択とみなすポジティブな見方もあります。
ボーダフォンは業績悪化の影響で、英国プレミアリーグの古豪 マンチェスター・ユナイテッドのスポンサー契約を今季限りで打ち切ることを決定しています(名門マンUすら赤字転落の危機を迎えるスポーツビジネスは所詮チーム成績次第)。レッド・デビルズのユニフォームのボーダフォンのロゴも、 今シーズンで見納めです。
サッカーと言えば、日本のボーダフォンは浦和レッズのオフィシャル・スポンサーで、ユニフォームの胸にもロゴが付いています。
買収後はソフトバンクがどのようなブランド名で携帯事業を展開するのかは不明です。しかし、レッズのスポンサーを継続することは確実でしょう。
埼玉には、現在もう1つのJ1チーム、大宮アルディージャがあります。前身は旧電電公社のチーム電電埼玉です。
したがって現在でもチームのオフィシャル・スポンサーにはNTTグループ各社が名を連ね、ユニフォームの胸にはNTT東日本のFLET'Sが、背中にはNTTドコモのFOMAが付いています。
今までは外資系のボーダフォンということであまり意識することはありませんでした。これからは同一県内のチームが戦う埼玉ダービーが、NTT対ソフトバンクの代理戦争に見えてきて、戦いも一層熱を帯びるのではないでしょうか。
ソフトバンクのボーダフォン買収が成功すれば、日本の通信マーケットは固定・携帯の両方を持つ、NTT、KDDI、ソフトバンクの3グループが覇権を争うことになります。KDDIが現在「光プラス」「メタルプラス」のCMキャラクターに起用しているのが、浦和レッズの小野伸二です。その小野選手は、ピッチ上ではボーダフォンのユニフォームを着てプレイしているわけです。これがKDDIにとって、ゆゆしきことであるのは間違いありません。
KDDIと小野選手との契約は、レッズ移籍前のオランダ・フィエノールト時代の昨年11月に結ばれています。小野選手が日本に帰国してライバル・ブランドのユニフォームを着ることになるとは、KDDIの広告担当者もあわてたことでしょう。そういう事態になった以上、このCM契約の更新はないと予想します。企業の買収やCM契約選手の移籍は、企業のスポンサー契約にも予想外の影響を及ぼすことになる、というのが今回の結論です。
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