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ブルーオーシャン戦略が成功したニンテンドーDS Liteは人気過熱でCM自粛

2006年03月14日

3月11日に全国発売された「ニンテンドーDSライト」の「アイスブルー」と「エナメルネイビー」も、2日の「クリスタルホワイト」に引き続き、即日完売の大人気でした(電気街に現れた1000人超の人の波!)。

秋葉原のヨドバシカメラマルチメディアAkibaには、アイスブルーを300台、エナメルネイビーが320台入荷していましたが、11日の6時30分には1000人を超える行列ができました。このため、販売開始から90分後の午前9時5分に、720台が完売したそうです。

実は発売元の任天堂でも、こうした人気の過熱振りを事前に予想していたので、テレビCMを控える措置をとっていました。 情報源は、ニンテンドーDSライト:発売前から本体CMを自粛です。

品切れ状態になっている任天堂の携帯ゲーム機「ニンテンドーDS」の新型機「DSライト」のテレビCMが発売前から放送を自粛していたことが10日、分かった。DSが昨年末から供給不足に陥り、当初3月2日に3色で発売される予定だったDSライトも、2色のモデルが11日に発売延期されるなど生産が需要に追いつかないと判断したため。

任天堂が新製品の人気が沸騰するのを予想したのは、2004年12月に登場した「ニンテンドーDS」が、発売後1年以上経過した現在でも超人気で、慢性的な品薄状態が続いているからです。DS人気はハード本体だけにとどまらず、DS用ソフトの売上も絶好調です。 情報源は、『ゲームは大作主義から軽薄短小の時代へ 任天堂が見せた先見の明』(2006年3月13日 日経ビジネス 8~9ページ)です。

年末年始の商戦は170万本以上を売り上げた「おいでよ どうぶつの森」を筆頭に、DS用ソフトが売り上げランキングの上位を独占した。DS本体発売から1年2カ月経った3月の現時点で「どうぶつの森」、「脳を鍛える大人のDSトレーニング」「やわらかあたま塾」など7本ものミリオンヒット作品が登場。これほど短期間でミリオンヒットを連発するのは、過去にもほとんど例がない。

ヒットしたDS用ソフトには共通点がある。これまでゲーム業界が突き進んできた重厚長大路線とは正反対の「軽薄短小」な作りになっていることだ。タッチパネルで直感的な操作ができるなど、ゲームに不慣れな人でも簡単に遊べる仕組みが用意されている。しかも、1回のプレー時間は15~20分しかかからない。

「こうした分かりやすさや手軽さが、ゲームから離れていた30~40代の男性や、ゲームをやったことがない女性やシニア層に受け入れられた」とBNPパリバ証券の田島健コンサルタントは分析する。

ソニーやマイクロソフト等の他のメーカーは、ゲーム暦の長いプレーヤーに好まれるような、早くて鮮やかな画像を駆使したゲーム機やソフトの開発にしのぎを削ってきました。このようなゲーム業界の流れとは、全く違った発想から生まれたのが、任天堂DSです。

フランスのビジネススクールINSEADの教授、W・チャン・キムとレネ・モボルニュ氏が提唱するのが、「ブルー・オーシャン戦略」です。この戦略を文字通り実践したのが、任天堂DSのマーケティングでしょう。情報源は、『消耗戦回避、新市場創造のススメ――業界常識とは違う価値探る』(2006年3月10日 日経流通新聞MJ 18面)です。

既存市場は血みどろの戦いが繰り広げられる「レッド・オーシャン」であり、小さな差異化に多大なコストをかけ、どんどん利益を圧迫する市場環境。競合と同じ市場で戦う限り、いずれ消耗戦を強いられる。レッド・オーシャンを抜け出し、未開拓の市場「ブルー・オーシャン(BO)」を創造することこそが企業が繁栄し続けるための唯一の方法である、とキム教授らは説く。

BO戦略の中核は「価値革新」という考え方だ。通常、「高機能製品は高い」といった具合に価値とコストはトレードオフ。つまり差異化を狙えばコストは増え、逆に低コストを目指すと違いがなくなる。BO戦略は差異化しながら同時に低コストも実現できる道を探ることから始まる。

そのための方法が4つのアクション。業界常識として既存の製品・サービスに備わっている要素のうち、(1)取り除く(2)減らす(3)増やす(4)付け加える――べきものは何かを問い、業界常識とは違う価値を探る。

売り手は機能を増やしがちだが、逆に減らした方が買い手にとって価値がある場合もある。この結果を複数の評価軸(価値要素)で図示し、既存のものと比較するのが「戦略キャンバス」。この上にライバルと異なる「価値曲線」が描ければ、新市場を創造できるというのだ。

DSのマーケティング戦略は、他社が追い求める高画質の要求仕様を落として、ゲームマニア以外でも操作がしやすいタッチパネルを装着したところにあります。この結果、シニアマーケットや女性マーケットを、ブルー・オーシャンとして開拓することに成功しました。

一方、ソニーの次世代機PS3には、同社期待の新技術ブルーレイディスクが搭載される予定です。あくまでも最先端技術に活路を求めるのがソニーです。ソニーにとってのブルーレイが、その色通りブルー・オーシャン戦略の切り札になるのでしょうか?


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