検索順位の低下やグーグル八分は企業にとってはもはや死活問題
2006年03月23日
検索エンジン経由でWebサイトにアクセスするユーザが増加した現在では、企業のマーケターも自社サイトの検索結果の順位を常に意識せざるをえません。 自社ビジネスに関連するキーワードで検索結果の上位に表示されることで、アクセス数を向上を目指すのが、SEO(Search Engine Optimization=検索エンジン最適化)です。こういった傾向を反映して、SEOサービスの市場規模も拡大を続けています。情報源は、『検索サイトの上位表示支援、製造業にも拡大――アウン社予測』(2006年3月22日 日経流通新聞MJ 7面)です。
アウンコンサルティングはSEOサービスや専用ソフトなどについて市場規模を独自に試算した。05年の市場規模は64億円で、前年比33.8%の伸び率を示した。
現在「ウェブサイトを保有する約8万社のうち、2~3割が何らかの形でSEOを利用している」(同社)とみており、試算では今年の市場規模を76億円と予測。
SEOを利用する業種の中心は金融機関や保険会社だが、今後メーカーや公共機関にも広がるとみられ、10年には06年比48%増となる113億円まで拡大する見通しという。
同社が同時に会社員など約300人に対して実施したSEOに関するアンケート調査では、SEOの認知度は57%に上った。検索結果の上位に自社サイトが表示されることで、クリック率が高まると回答した人は84%に達し、SEOの有効性が広く認められていることが浮かび上がった。
この調査結果を発表したアウンコンサルティングは、SEM(検索エンジンマーケティング)専門のコンサルティング会社です。したがって、調査結果がSEOの重要性を強調する結論になっているところは、多少割り引いて考えた方がいいかもしれません。
そうは言っても、検索エンジンでの表示順位が企業のマーケティングに重要な影響を及ぼすことは、まぎれもない事実です。米国ではグーグルが意図的に検索結果の順位を下げたという理由で、同社を訴える企業も現れています。情報源は、「検索結果ランキング下げられた」とGoogleを提訴です。
KinderStart.comは3月17日にカリフォルニア州サンノゼの米連邦地裁に訴状を提出、金銭的な損害賠償を求めるとともに、GoogleがユーザーのWeb検索実行時にどのようにWebサイトのランクを決めているのかを教えるよう要求している。
Googleにコメントを求めたが連絡が付かなかった。だが同社は、特許を取得した自社の検索ランキングシステムの秘密を固く守っており、同社が最適な検索結果と判断したものをユーザーに提供するためにこのシステムを調整する権利があると主張している。
KinderStartは、Googleが2005年3月に検索結果ランキングにおいて通告なしで同サイトにペナルティーを科し、同サイトのビジターが70%「大激減」し、その結果売上高が80%減少したと申し立てている。
この事件の詳細は不明ですが、グーグルが不正にアクセスを誘導するようなサイトに対して、ペナルティを科すことは決して珍しいことではありません。世界的な大企業といえども不正が見つかれば、インデックスの対象からはずず、いわゆる『グーグル村八分』の制裁を免れないことになります。情報源は、グーグル、ドイツのBMWサイトをブラックリストにです。
GoogleのソフトウェアエンジニアMatt Cuttsはブログのなかで、Googleが自社のウェブインデックスからBMW.deを削除したことを明らかにした。BMW.deサイトに、アクセスしたユーザーを異なるURLに自動的にリダイレクトする「入口ページ」が組み込まれていたためだという。
Cuttsによると、BMW.deがGoogleに再掲載されるためには、同サイトでこのようなリダイレクトを行うJavaScriptを削除した上で、Cuttsが統括するGoogleのウェブスパムチームに再掲載依頼を出す必要があるという。BMW.deでは、すでに一部のリダイレクトページを削除している。
村八分となったBMWは、グーグル側の主張を認めてすぐにサイトを修正したので、翌日にはインデックスに復帰しました。BWMが文句も言わずにグーグルの指摘に従ったことは、まさにグーグルの影響力の大きさを示すものでしょう。
今や世界中のサイト運営者がグーグルの検索順位で一喜一憂しているのは事実ですが、先に紹介したKinderStart社のようにグーグルを訴えるという行動にまで出ることには、日本人の感覚としては違和感を覚えます。そもそもグーグルは一私企業であり、KinderStart社から一銭の報酬を得ることもなく検索サービスを提供しているだけです。無料で配っているグルメマップに、自分の店が載っていない、或いは扱いが小さいといった理由で訴える飲食店はいないでしょう。
しかしその影響力の大きさからして、グーグルの検索には公共サービスと同等の責任が求められていると考えると、KinderStart社の提訴も理解できないこともありません。米国のアマゾンでもユーザの指摘を受けて、『中絶(abortion)』というセンシティブな単語で検索したときの処理の仕方を修正しています。Googlezon時代のサービスには、ベスト・エフォートの言い訳は通用しなくなっているのかもしれません。
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