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USENが朝令暮改で買収報道を認めたアルメックスとのシナジーとは?

2006年04月18日

宇野康秀社長がライブドアへの支援を表明して以来、USENに対するマスコミの注目度が飛躍的にアップしました。ここ数日間でUSENが発表したプレスリリースの一覧を見ても、同社がマスコミ対応にかなりの時間を費やしている様子が推察できます。同社広報担当のO嬢も、きっと大忙しでしょう( マスコミの注目は早くもライブドア広報のO嬢からUSEN広報のO嬢へ?)

時系列的に説明すると次のようになります。

4月13日に、ライブドアと法人向けVoIP事業での協業を発表します。【1番目のリリース】

USENとライブドアは4月13日、法人向けサービスに関して業務提携すると発表した。それぞれのグループ会社が企業向けVoIP事業で販売協力する。3月18日より開始した両社のポータルサイトの相互リンクに次ぐ、業務提携の第2弾となる。

USENのグループ会社で、IP電話サービスを提供するメディアと、ライブドアのグループ会社でLinux OSを開発、販売するターボリナックスが提携する。ターボリナックスがメディア向けにIP-PBXアプライアンス製品を開発し、メディアがこれを販売する。

同じく4月13日に、一部報道機関から「ライブドアが第三者割当増資や株式交換によってUSENの子会社となる」との踏み込んだ推測記事が流れます。すぐさま、この報道を否定する内容を発表します。【2番目のリリース】

資本提携を含め様々な可能性を検討しておりますが、現状において具体的に決定された事実はございません。

翌週になって4月17日の日経新聞朝刊には、USEN、自動精算機メーカーを193億円で買収という記事が掲載されます。この報道に対しても、事実誤認と否定します。【3番目のリリース】

株式会社アルメックスとの何らかの提携は、大きなシナジーを発生するものとその可能性を検討しておりますが、本件に関し現時点において具体的に機関決定された事実はございません。

同じ日の午後になると、今度は一転して報道内容を認める内容を発表します。まさに朝令暮改そのものです。【4番目のリリース】

平成18年4月17日開催の当社取締役会におきまして、株式会社アルメックスの株式を取得し、連結子会社とすることを決議いたしましたのでお知らせします。

端から見れば右往左往した対応のように見えますが、アルメックスの買収を最初に否定したのは、(形式にすぎないにせよ)取締役会の決議が必要であったこと、風説情報が株式市場に及ぼす影響を最小限に抑えたかったこと、などの事情によるものと想像できます。

アルメックスのパターン「憶測報道を否定→正式発表で事実を認める」が、ライブドアの子会社化の場合にも当てはまるのでは、とさらに想像をたくましくする人も出てくるかもしれません。しかし、ことはそう単純には進みません。

業績に大きな問題のないアルメックスとは違って、ライブドアの場合は厳密な資産査定が完了しなければ、株式取得の機関決定はできないからです。あわせてライブドアの再生計画も慎重に吟味しているはずです。

支援先企業の実態が十分に把握できないうちに協力を申し出ても、最終的には悲惨な結果を迎えることになってしまいます。情報源は、平成電電への再生支援中止 ドリームテクノロジーズです。

ドリームテクノロジーズは4月16日、民事再生手続き中の平成電電に対するスポンサー支援を中止すると発表した。平成電電は再生計画を10日に東京地裁に提出したばかりだが、ドリームテクノロジーズは「依然として再生の見込みが立たず、事業を継承して清算せざるを得なくなった場合に100億円超の損失が見込まれる」と説明している。

ドリームテクノロジーズは再生計画について、通信事業者としての合理性に欠けている上、実現するための人的資源も流出しているなど「実現可能性は乏しいと判断」し、現状では事業清算に追い込まれる可能性が極めて高く、その際の損失がドリームテクノロジーズの財務状況に深刻な悪影響を与える、として支援中止を決めたとしている。

同社は平成電電に対する不信感もあらわに。平成電電が説明した事業計画を「提出期限の直前まで数字が確定されないもので、弊社に提出された直後には説明が変わり、数字も変わってしまうような信頼に値しないもの」と断じ、計画についての疑問点は「内容証明郵便を送付しなければ明確な回答を得られないという状況」で、信頼関係が維持できない状態になっていた、という。

元々かなり胡散臭さのあった平成電電ですが、本当にお粗末な会社だったようです。これで再生の見込みも完全に絶たれたと言ってもいいでしょう。

最後にUSENが子会社化するアルメックスと業務内容を紹介します。情報源は、USEN、自動精算機メーカーを193億円で買収です。

USENが病院やビジネスホテル向けの自動精算機を製造・販売するアルメックス(東京・台東、竹内勉社長)を5月に買収することが16日、明らかになった。買収額は193億円。USENは有線放送やカラオケ機器を提供するホテルなどにアルメックス製品を販売し、売上高の4割を占める主力の有線放送事業などを強化する。

自動精算機はホテルやゴルフ場などで利用者自身が料金精算するのに使う。受付業務を省力化できるほか、顧客のプライバシーも守りやすい。USENはアルメックスの全国19カ所の拠点と自社の営業網を統合し、販売・保守の体制を強化する。アルメックスの顧客であるホテルなどに光高速通信網を敷設し、USENグループが持つ映像コンテンツを配信する。

アルメックスの顧客基盤であるホテルに、光ブロードバンドの積極展開を図るのがUSENの狙いです。この記事には、ビジネスホテルとしか触れられていませんが、実はラブホテルもアルメックスの有力な顧客です。アルメックスのHPでは、レジャーホテルなんて表現を使っていますが。

USENの前身は大阪有線放送で、その主たる顧客はパチンコ、スナック等の風俗営業店です。風営店に対する営業力の強さは、現在のUSENにも引き継がれているはずです。

したがってアルメックスの顧客であるホテルへの拡販にも、独自のノウハウが活用できることが期待できます。一方、ブロードバンドの競合であるNTTや電力系のISPはお公家様の商売が中心で、この手の業種ではどぶ板営業を得意とするUSENの敵ではありません。

宇野社長がイケメンであるせいでしょうか、USENも浮ついたIT企業のように誤解されてる面もあるようです。しかし、その本質は地に足のついた泥臭い会社です。今回のアルメックスの買収は、リアルビジネスとしては理にかなった戦略だと思います。株式市場がどう評価するかは知りませんが。。。


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