デル前社長を迎えてリヴァンプは澤田・玉塚・浜田のトロイカ体制に?
2006年05月09日
4月にデルの日本法人社長の職を退任し、同社の非常勤取締役に留まっていた浜田宏氏の転身先が決まりました。意外なことに、その行き先はリヴァンプです。 情報源は、『デル日本法人前社長、企業再生会社取締役に転身』(2006年5月8日 日本経済新聞 朝刊 9面)です。
デル日本法人前社長の浜田宏氏(46)は8日付で、企業再生会社のリヴァンプに取締役・マネージングパートナーとして加わる。デルの直販モデルを日本で根付かせ、パソコンの国内シェアを3位まで躍進させた経験を、「企業再生やニュービジネスの立ち上げに生かしたい」と転身を決意した。
リヴァンプはユニクロ元首脳の沢田貴司氏、玉塚元一氏が中心となってロッテリアの再建やドーナツ店チェーンの新規開業に取り組んでいる。今後は浜田氏を加えた三頭体制に移行し、インターネット関連やIT周辺にも事業範囲を広げる見通しだ。
浜田氏はコンサルティング会社などを経て、1995年にデル日本法人に入社。2000年に社長に就任した際に600億円だった売上高を、6年間で3,100億円に伸ばした。4月3日付で社長を退任し、身の振り方が注目されていた。
記事では、澤田貴司氏、玉塚元一氏のユニクロ・コンビに浜田氏が加わり、リヴァンプが三頭(トロイカ)体制に移行すると書かれていますが、同社のプレスリリースでも明らかなように浜田氏は代表権は付きません。リヴァンプで代表権があるのは澤田、玉塚の2人だけです。結局リヴァンプからは、「元ユニクロ幹部の会社」という修飾語が消えることはないでしょうね。
外資系コンピュータ会社の日本法人社長が、転身先としてIT業界以外を選ぶことは、決して珍しいことではありません。アップルコンピュータから外食業の日本マクドナルドホールディングスに転じた原田泳幸氏、ヒューレット・パッカード(HP)からダイエーの社長になった樋口泰行氏などの例もあります。
しかし、浜田氏の場合は自ら異業種への転身を否定していた節もあるので、今回のリヴァンプへの転出は意外性の強いものでした。情報源は、デル日本法人新社長、「社員に会い、顧客に会うことが最初のミッション」です。
浜田氏は今後も非常勤顧問としてデルを支援する。今後のデル以外での活動については、「やりたいことがある。日本の産業界に貢献できるような仕事をしたい」と浜田氏。IT業界のトップの転職例としては、2005年5月に日本ヒューレット・パッカードから、他業種のダイエーの社長に就任した樋口泰行氏などが知られているが、浜田氏は「(樋口氏のような)転職は考えていない」と述べた。
果たして今回の転職は「樋口氏のような転職」ではないと言えるのでしょうか? それとも、本人にとっても想定外の転職だったのでしょうか? しかし、浜田氏の経歴を見ると、デル入社以前はIT業界とは無関係のキャリアであったことがわかります。業種・業態に拘泥しない本人から見れば、今回の転職も想定内の結果なのでしょう。
1959年5月30日、東京都生まれ。1982年3月早稲田大学卒業。同年4月山下新日本汽船株式会社(現 株式会社商船三井)入社。
その後1987年3月アリコ・ジャパンを経て、1992年11月米クラーク・コンサルティング・グループ入社、グローバル企業の組織開発等のコンサルティングに携わる。同社在籍中、1993年6月米国デルコンピュータ日本法人立ち上げに参画。
1995年1年にデルコンピュータ株式会社(現 デル株式会社)に移籍後、「デル・ダイレクト・モデル」の構築、日本初のインターネット直販、同社の8割を占める法人向け直販において主要な事業を多数立ち上げる。
2000年8月同社の代表取締役社長およびアメリカ本社副社長に就任。
2006年4月同社代表取締役社長退任、同社取締役就任。
2005年(ママ)5月同社取締役退任
組織開発等のコンサルティングに携わった経験が、リヴァンプへの転身に結びついたのでしょうか? さらに浜田氏の経歴を仔細に調べたところ、玉塚氏との共通点を見つけました( ファーストリテイリング社長玉塚元一氏を単なる若大将社長と見なす疑問)。「サンダーバード国際経営大学院国際経営学修士課程修了」という学歴です。同窓生という関係から、玉塚氏と浜田氏との間には以前から親交があったことも推測できます。
しかし、これも単なる偶然の一致なのかもしれません。ダイエーの樋口社長とローソンの新浪剛史社長もハーバードビジネススクール(HBS)では、同級生だったという有名な話もあります( ハーバード(HBS)の同級生ダイエー樋口泰行社長とローソン新浪剛史社長の奇妙な因縁)。この程度のキャリア上の接点は、一流の経営者の間では珍しいことではないとも思えてきます。
余談になりますが、デルの浜田氏やHPの樋口氏が日本法人社長退任後も、新たな組織で腕を振う道を選んだのは、退任してもまだ40代という年齢に関係しているのでしょう。数年前に一斉に退任した米国IT企業の日本法人のトップと比べると、その後の身の振り方に大きな違いがあるように思えます。
例えば、マイクロソフトの成毛真氏はインスパイアを創業し、インテルの西岡郁夫氏はモバイル・インターネットキャピタルを作り、「雇われ社長」に別れを告げるキャリアを選びました。オラクルの佐野力氏に至っては、ビジネス界から退いて文学・美術関係のNPO活動に専念しています。
これらの人々が現在比較的自由度の高い生活をエンジョイできるのは、当時はあまり問題視されなかった莫大な金額のストック・オプションの恩恵があったこととも、無関係ではないでしょうね。なお、マイクロソフト、インテル、オラクルとも、その後を引き継いだ日本人トップがパッとしなかったことから考えても、いい時期に退任したとも言えそうです。
★恐縮ですが、『人気ブログランキング』を クリック してください。
| 成毛真のマーケティング辻説法 | |
![]() | 成毛 真 日経MJ 日本経済新聞社 2005-03 売り上げランキング : 43,071 おすすめ平均 ![]() ちょっとやられたって感じです。 ダメな者を切る 市場を小さく捉え、その熱をうかがうAmazonで詳しく見る by G-Tools |
| 新世代ビジネス、知っておきたい四賢人版マーケティングの心得 | |
![]() | 成毛 真 文藝春秋 2004-11 売り上げランキング : 101,162 おすすめ平均 ![]() トピックス。エッセンス。こりゃナイス。 広く浅いが読みようかとAmazonで詳しく見る by G-Tools |
| 成毛式・実践マーケティング塾 | |
![]() | 成毛 眞 日本経済新聞社 2002-06 売り上げランキング : 208,696 おすすめ平均 ![]() 奥が深いですわ 重要な内容がさらっと書いてあります。 参考になること多かったAmazonで詳しく見る by G-Tools |
| 希望のビジネス戦略 | |
![]() | 金子 勝 成毛 真 筑摩書房 2002-12 売り上げランキング : 84,913 おすすめ平均 ![]() 成毛氏の「イズム」が味わえた 対談の妙 異色の経済学者と気鋭の経営者の対話Amazonで詳しく見る by G-Tools |
| 新世代ビジネス、知っておきたい60ぐらいの心得 | |
![]() | 成毛 真 文春ネスコ 2000-07 売り上げランキング : 87,074 おすすめ平均 ![]() 人生を3回分楽しむために。 「軽い」けれど「明快」 あまのじゃくな生き方は自分に素直Amazonで詳しく見る by G-Tools |
| 辞めた、起した、成功した!そしてロマン | |
![]() | 佐野 力 浩気社 2000-06 売り上げランキング : 327,533 おすすめ平均 ![]() ロマン?Amazonで詳しく見る by G-Tools |


ちょっとやられたって感じです。
ダメな者を切る
広く浅いが読みようかと





