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はてな近藤社長インタビュー記事は取材時のライブ録音がwebで公開中

2006年05月17日

先週のテレビ「カンブリア宮殿」に続いて、今週の「週刊東洋経済」にはてな社長近藤淳也氏のインタビュー記事が掲載されました。近藤社長が取材を受けるに当たって東洋経済側に提示した条件の1つは、当日の取材の様子をMP3で録音して、はてなのホームページで公開することでした。

そういうわけで、jkondoの日記には、1時間以上に及ぶインタビューの録音が公開されています。実際に近藤社長がしゃべった内容に興味があって時間的余裕もある方は、そちらを聞かれることをお勧めします。今回は、雑誌記事の一部を抜粋することにします。情報源は、『web2.0の旗手と呼ばれる30歳のネット企業経営者-【あちら側のものづくり】』(2006年5月20日 週刊東洋経済, 78~81ページ)です。

インタビューは、時節柄ライブドアをどう評価するかという質問から始まりました。

ボクたちはウェブサイトをつくっていますが、ユーザーが40万人で1カ月に見にくる人が800万人。事業を拡大しようと思ったら、これをどう伸ばすかを考える。たとえば、ヤフーさんがやればすぐに100万人いくのに、ボクたちはどれだけ頑張ろうと何万人。その差をどう埋めるか。ライブドアは、そこをいちばん果敢に攻めた。

堀江(貴文)さんの様子を(テレビなどで)見てもなかなか感じないだろうけれど、技術的にいい“ものづくり”をしている会社です。技術やサービスは、レベルの高いことをやっているのがわかっていて、そこはむしろ尊敬していました。

続いて、はてなの上場可能性と資金調達の必要性について。

市場からおカネを調達して、うらやましいと思うような使い方をしている上場企業がないんです。社長がすごい車に乗っているなんてどうでもいい話ばかり(笑)。市場がいいのになぜ調達しないんだと言われても、ちょっとピンとこない。

ウチは人の資本。ものをつくるのが自分たちの天職だと思っている社内の人間のアイデア、開発の技術力、あるいは営業力、人に存在する差異によって勝負している。それで回っているビジネスを、より速くするためには何を借りてくればいいか。工場をつくるわけでないので、おカネはテコにならないですよね。

さらに、「最終目的は利益追求か?」と質問されると。

いや、正確に言うと、利益はついてくる、みたいな感じですかね。

会社って、特定の人がきゅっと集まって、何か事業をやっている。そういう会社という固まりが社会にあるとき、その価値って何だろう。要は、何を使って何を出すか、ということではないですか。その差、つまり会社対社会を考えたときの収支がプラスなら利益になる。逆に、人がつくり出した価値をチューチューと吸う会社はマイナスになると思う。

――いいものをつくれば利益はついてくるとピュアに信じている。

そういうところはあります。

この後、マイクロソフト、グーグル、アマゾンのビジネスモデルに話題が転じて、新しいビジネスモデルが誕生する可能性についての質問が投げかけられます。

しばらくは、広告モデルが伸びるかなと。新しいことは考えますけれども、わからない。ちょっと興味があるのは、いろいろな会社にとって本当に大事なのは資本ではなくて、何か知的な、人に属する資本みたいなものだとすれば、それをうまく仲介したり、PRしたり、そういうことがあるかもしれないなと。

最後が、このインタビューのオチです。「取材に来てこう言うのも何ですが、なぜ注目されると思いますか?」と聞かれて。

ボクが聞きたい(笑)。過大評価をされているなと思います。ビジネスの側面ではなく、新しいもの見たさ。

「web2.0の騎手」と持ち上げられることについても、回答はクールです。

結果がすべて。今やっていることが2.0的かどうかより、3年後にいちばん儲けるのは誰か、です。

今回の記事の内容そのものは、率直に言えばそれほど面白いと言える程のものではありません。しかし、取材の模様をすべて公開するというやり方には、興味を覚えました。その理由の1つは、単純に「こういうインタビュー取材からこんな記事になるんだ」ということがわかることです。

もう1つは、取材の模様が公開されることによって、取材する側、受ける側双方にある種の緊張感が生まれるのではないか、ということです。録音が公開されないのであれば、取材を受ける方も当日は適当にお茶を濁しておいて、後で不都合な箇所を訂正してもらうということも可能でしょう。例えば自信を持って答えらない質問を受けたとしても、後で代わりの人間がフォローすれば、社長のメンツを保つこともできます。

一方質問する側にとっても、的外れな質問をしてその模様がそのまま公開されれば、格好悪いことは同じです。特に今回の場合は、メジャー経済誌の編集長自らがインタビューするわけですから、それなりの覚悟も必要でしょう。編集長も通常よりも事前の勉強に力を入れたのではないでしょうか? 

また、インタビューした内容と実際の記事が大きく乖離していれば、今度は執筆者の資質が問題視されることになります。インタビュー内容を忠実に表現した記事になるように、細心の注意が払われたことでしょう。この点では、「そんなことは言っていないのに記者が勝手に書いた」といったトラブルを避けられる、という効果も期待できます。

このように考えると、取材内容をそのまま公開してしまった近藤社長のインタビュー記事は、面白い試みであったと思います。まさにweb2.0型社長インタビューと言えるのかもしれません。それでも録音も公開されない、記事にもならない、いわゆる「オフレコ」という発言があったのかどうかは、実際にはよくわからないところもありますが。。。


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