Web2.0が商標登録出願されていたことを巡ってブログが炎上中
2006年05月31日
以前、ロハスを一私企業が商標登録することの是非に関して投稿したところ、かなりのアクセスがあったので、似たような話題を取り上げます。今度は、Web2.0の商標登録を出願した企業の話です。情報源は、Web2.0は誰のもの? ネットで論争です。
事の発端は先週、O'Reilly Media――Web2.0の提唱者ティム・オライリー氏の会社――とイベントを共催している出版社CMP Mediaが、Web2.0カンファレンスの開催を予定しているアイルランドの非営利団体IT@Corkに、カンファレンスの名称に「Web2.0」という言葉を使わないよう弁護士を通じて要請したことにある。
CMP Mediaは過去2回「Web2.0 Conference」を開催しており、米国およびEU(欧州連合)で「Web2.0」をカンファレンスのタイトルとして使うための商標登録を出願している(日本でもCMP子会社のメディアライブジャパンがWeb2.0を商標登録出願している)。許可なくこの商標を使えば、CMPの独占権を侵害することになると同社はIT@Corkに書簡で通達した。
IT@Corkのメンバーであるトム・ラフテリー氏がこの書簡をブログで公開すると、CMPやO'Reillyを批判するコメントが多数寄せられた。
日本でも、5月の初めにはこの問題の存在を指摘するブログの投稿がありました。果たして、それ以降日本でも論争を呼んでいたのでしょうか? この問題の根本は、誰が最初にWeb2.0という言葉を使ったのかということにも関係しているはずです。Wikipedia(日本語版)の用語の起源では、こうなっています。
この用語は、オライリーメディア社の Dale Dougherty が作ったもので、MediaLive社と共同で開催を予定していた会議に向けてアイデアを出すためのブレインストーミングをしていて出てきた言葉である。
Dougherty は Web のルールが変化しビジネスモデルが変化することによってルネッサンス期にあると示唆した。Dougherty が例として挙げたのは、「DoubleClick は Web 1.0だったが、Google AdSense は Web 2.0 だ。
Ofoto は Web 1.0 だったが、Flickr は Web 2.0だ」ということであって、言葉を定義したわけではない。彼はビジネス面を強化するためにジャーナリストの John Battelle を参加させ、2004年10月、最初の Web 2.0 カンファレンスを開催した。二回目は2005年10月に開催されている。
少なくともカンファレンス用のタイトルとして使い始めたのが、O'Reilly MediaとCMP Mediaであることは事実のようです。そう考えると、2社が商標登録を理由に他社の使用を排除しようと試みるのも、当然の行為のようにも思えます。
もしWeb2.0がこれほど人口に膾炙することもなければ、他社も使おうとは考えなかったはずです。O'Reilly MediaとCMP Media側から見れば、Web2.0という言葉が成功しすぎたがために、自分たちだけで独占的に使おうとしたら非難を受けるようになってしまった、という何とも皮肉な結果でしょう。
日本国内での登録者メディアライブジャパンは、来週からネットワーク関連のトレードショーInterop Tokyoを、幕張メッセで開催します。展示会場ではオライリー・ジャパンもブースを構えます。
Web2.0の商標登録に意見のある方は、その旨をダイレクトに伝える絶好のチャンスとなるはずです。セミナー会場で配られるアンケートに書き込むなり、オライリーのブースで話し込むなり、(あくまでも合法かつ紳士的な方法で)抗議の気持ちを表しましょう。
この他にも、Web2.0という言葉が登場してから、急いでWeb3.0、4.0... といった商標が世界各国で登録されたことも想像できます。インテルの Pentium の後継CPUが、PentiumⅡ に決まると、3以降を押さえようと考えた人間が出たように(Pentium の場合は、その間に Pentium Pro、Pentium MX が挟まって、一直線に2へと移行したわけではなかったのですが)。
その Pentium にしろ、結局4で打ち止めになったので、思惑通りには進みませんでした。当のインテル以外に Pentium 5 の商標を確保していた人間は、さぞかし落胆したことでしょう。
インターネットプロトコルのIPの場合はどうなんでしょうか? IPv7、v8... は、誰かが押さえているのでしょうか? 本当に関心があれば、国内事情は特許電子図書館で検索すればわかるはずですが、調べることにもある種のむなしさを感じてしまいます。
そうは言っても、言葉の力はやはり大きいものです。例えば、「団塊の世代」を堺屋太一が小説発表時に商標登録していれば、間違いなく億万長者になっていたはずです。一方、団塊の世代という言葉が商標により使用が制限されていれば、これほど普及しなかったとも予想できます。何事も結果論では語れないものです。
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