YouTube で我が物顔で振る舞う日本人に求められる大人の節度
2006年08月05日
最近はネットで話題になっていることは、YouTubeを見ればわかります。もちろん、何らかの映像がある話題に限りますが。ここ数日間で日本からのコンテンツで急に増えたのは、ボクシングの亀田興毅に関する映像です。過去のインタビューや問題のタイトルマッチの映像も見ることができます。中でも、1ラウンドのKOシーンや11ラウンドのヘロヘロになっているテレビ映像のクリップが、人気があるようです。
亀田がらみの映像は、もちろんテレビ局の許可を得た上でアップロードしているわけではありません。このような無許可映像が増えてきたため、著作権者のテレビ局側から要請に応じて、YouTube側も速やかに無許可コンテンツは削除するようになっています。実際には、削除してもまた別の誰かがアップするという「イタチごっこ」になっているケースが多いようですが。
それでは、なぜ著作権を持つTBSは試合映像の削除を、YouTubeに申請しないのでしょうか? 現在、不可解な判定の元凶としてTBSを名指しする声が、ネットで渦巻いています(ネットがTBSをKO 亀田疑惑判定で掲示板に「抗議しろ!」)。渦中のTBSが画像を削除する挙に出れば、火に油を注ぐ結果を招くことは明らかなので、手を打てないのだと想像できます。もし、今回の判定結果が公正なものであれば、TBSも正々堂々と対策を打てたことでしょう。自らが蒔いた種とはいえ、因果な結果です。
それでは、正当な著作権を持っている企業がすべてYouTubeを敵視して、不法コンテンツの削除を要請するものなのでしょうか? 中には、「削除しない」よう正反対の要請をする企業も存在します。情報源は、「ファンムービーは削除するな」――LucasfilmがYouTubeに要請です。
YouTubeに掲載されていたスター・ウォーズ関連のファンムービーやパロディー動画が削除された問題で、米Lucasfilmの公式ブログが「不当に削除されたコンテンツをすべて戻すよう」要請したことを明らかにした。
「Lucas Online」ブログによれば、Lucasfilmはファンが作成したスター・ウォーズの偽物動画やパロディーがYouTubeから削除されているという報告を受けた。ファンコミュニティーに対し、これはLucasfilmからの要請に基づいたものではないと説明している。
これは、starwars.comのサイトから許諾なしで素材を使った映像を削除するようにとの要請を誤解したものだろうと同ブログは推測している。
このブログのコメント欄では、実際に自分のファンムービーがYouTubeから削除されたという投稿者が「Lucasfilmのファンに対する姿勢には再度感銘した」と再掲載されたことに感謝の意を表明している。
Lucasfilmは著作権を盾にして、ファンが作った映像を排除しようと考えてはいません。ファンとの間で良好な関係が築かれているのが、スター・ウォーズの息の長い人気の秘密だと思います。Lucasfilmの大人の対応は、賞賛されるべきでしょう。
これに引き替え、YouTubeを我が物顔で占有しつつある日本人は、いまだに幼稚な態度が見られます。先月、YouTubeで最もアクセスの多かった日本の映像は、相棒の不祥事を号泣して謝罪する加藤浩次の映像でした。この異常な人気振りに注目した米国人が、映像の中身に興味を持ったことから事件は起こります。情報源は、YouTubeで起きた悲しいできごとです。
日本語が分からない米国人にとって、加藤さんが泣きながら謝罪する映像や、萩本欽一さんが記者に囲まれている映像は、なぜ人気なのか疑問だったに違いない。一部の米国人が、各映像のコメント欄に「彼は誰?」「なぜ泣いているのだ」などと英語で書き込み、日本人ユーザーが英語で解説する、という “国際交流”も見られた。
一方で、これらの映像をめぐって、一部の2ちゃんねらーが海外のYouTubeユーザーを誤解し、中傷していた、という騒動のてん末をまとめサイトで知った。
経緯はこうだ。日本語を聞き取れない一部の外国人が、不祥事関連の映像のコメント欄に、「Jap」など差別表現を交えて「英語で話せ!」などと英語で書き込んでいた。これを見た米国の男性が「そんな差別表現はやめなさい」と英語で語る顔出しビデオを作成、YouTubeで公開した。
しかし、英語を聞き取れない一部の2ちゃんねらーがビデオを見て「この米国人が、日本人をJapと中傷している」と勘違い。彼のビデオに中傷的なコメントを立て続けに書き込んでいった。
この様子を見た、日本に留学中の米国人の女の子が「争いはやめてほしい」と語る日本語ビデオを作成してYouTubeに公開。だが彼女に彼氏がいると知った一部の2ちゃんねらーが嫉妬?し、彼女のビデオにも中傷を浴びせかけた。傷ついた彼女は、Web上アップしていた、日本での思い出を書いた日記や写真などを、非公開にしてしまった。
頑なに著作権ばかりを主張する企業、真意を十分に理解しないままに中傷を浴びせる幼稚なユーザ、日本人はパブリック・スペースであるYouTubeでの振る舞いを、もう少し見直すべきではないでしょうか? 日本がらみのトラブルが続けば、日本からのYouTubeへのアクセスがブロックされるような事態が起きないかと心配です。
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