ノートPCと市民メディアの炎上はもはや当たり前で、ニュースにならない?
2006年08月17日
ライブドアの社長室長伊地知晋一氏が、ITmediaに『口コミがマスコミを超える日』というタイトルで寄稿しています。その中で、ブログ等の市民ジャーナリズムがマスメディアに勝る点として、速報性をあげています。
大きな災害時に、一般的なテレビやラジオのニュースよりもブログの情報の方が早い場合があります。とは言っても、それはいわゆる「地震速報」や気象庁が出すようなニュースでなく、そこに住む人の生の声によるブログなどへの投稿です。私は、2004年の新潟県中越地震の第1報をブログで知りました。ブログから得られるニュースは生の声であり、リアリティーをもって共感できるものがあります。
最近では、今年の6月12日午前5時1分に大分県で起きた地震のブログが5時12分にはアップされていました。ブログ検索で「地震」のキーワードをたたいて見ると地震がおきてから数分以内に何千もの書き込みが発生していることが分かります。この中から情報を抽出すれば、信頼性の高い住民の感想が集められると思われます。
今月の15日、デルが発火の危険性があるソニー製のノートPC用バッテリーのリコールを発表しました。しかし、Web上では今から2ヶ月近くも前に、デルのノートPCが会議中に突如炎上した模様が、衝撃映像とともに報告されていました(Dell laptop explodes at Japanese conference)。
そして、現場に居合わせた人間は次のように述べています。
"For the record, this is a Dell machine," notes Gaston. "It is only a matter of time until such an incident breaks out on a plane," he suggests.
機種は特定できないものの、発火したPCはデル製であることと、同様な火災が航空機内で起きた場合の危険性を、この時点で指摘しています。2ヶ月後になって、この指摘が2つとも正しかったことが、ようやく証明されようとしています。今回のデルの大量リコールを受けて、ノートPCの機内持ち込みを見直す動きが本格化したからです(デル発火で米、PCの機内持ち込み制限検討)。
米パソコン大手デルが、発火の恐れがあるとして同社製ノート型パソコン搭載のソニー製充電池410万台のリコール(自主回収・無償交換)に乗り出した問題に関し、米航空当局が航空機内へのパソコンの持ち込み制限を検討していることが15日分かった。
米紙ウォールストリート・ジャーナルが報じたもので、連邦航空管理部(FAA)は産経新聞の取材に対し、「現時点で(問題の)充電池の機内持ち込みに制限はない。しかし、発火事故の原因を調査しており、関心を持っている」(広報官)と話した。
米消費者製品安全委員会(CPSC)によると、今回のリコール対象のものを含め、2005年以降、ノート型パソコン搭載の充電池の過熱・発火事故が57件報告され、旅客機内でのパソコンの過熱・発火騒ぎも複数件発生している。
14日付の同紙によると今年5月には、シカゴ発ミュンヘン行きの独ルフトハンザ航空435便で、ファーストクラスの座席上部に収納されたパソコンから発火し、客室乗務員が乗客を移動させて消火器で消し止める騒ぎがあった。
この記事を読むと、機内でのノートPCの発火事故はそれほど珍しいことではないことがわかります。本当はノートPCの炎上は当たり前過ぎて、ニュースにはならなかったのでしょうか?
ノートPCに限らず、リチウム・バッテリーを使用した電子機器は数多く存在します。マスコミで報道されないだけで、オーディオプレーヤーから携帯電話まで、世界のどこかで発火事故は起こっているのかもしれません。
話を冒頭で紹介したライブドアの伊地知晋一氏の記事に戻します。口コミメディアの例として、ライブドアのパブリックジャーナリストに触れている部分があります。
ライブドアのパブリックジャーナリスト(PJ)は、韓国の市民記者新聞「オーマイニュース」を参考に私が立ち上げた、一般市民が記事を投稿し、それをニュースとして配信するメディアです。2005年1月よりスタートし、現在(2006年5月)で300人以上のPJが登録をしています。
韓国のオーマイニュースでは、すでに数万人のPJが存在しています。日本のPJの数字とはかなり差があるのですが、これは韓国国民が政治ニュースに強い関心をもっているためです。そのため、オーマイニュースは韓国の大統領選挙などの政治に関して最も影響力のあるメディアと言われています。
PJは個人にとって理想的なニュースメディアとなる可能性を秘めています。ニュースの興味は人それぞれ異なります。最も興味があるニュースとは、マスメディアが配信する全国区のニュースではなく、最も自分に身近で関係があるニュースのはずです。
ライブドアが手本とした「オーマイニュース」の日本語版が、8月28日にいよいよスタートします。その開店準備Blogが既に炎上に近い状態にあります(オーマイニュース 「嫌韓」でブログ「炎上」)。
韓国で人気のインターネット新聞「オーマイニュース」の日本版が2006年8月28日、創刊される。オーマイニュース編集部は「開店準備中Blog」をオープンし、創刊準備を進める様子を伝えている。だが、このブログのコメント欄の様子が穏やかではない。韓国で始まったメディアであることから、「売国奴」などの攻撃的な書き込みが相次ぎ、なかば「炎上状態」なのだ。
市民メディアの理想型は簡単には作れないようです。ノートPCと市民メディアが炎上するのは当然、と考えるべきなのでしょうか?
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