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素人向きとは思えないドロップシッピングはアフィリエイト2.0になりえない

2006年08月23日

先週のテレビ東京『ワールドビジネスサテライト』で、ドロップシッピングの最新事情が放送されました。現在個人サイトの副業の主流であるアフィリエイトの次に来る新たなマーケティング手法、という位置づけで番組内では紹介されていました。言わば「アフィリエイト2.0」といったところでしょうか。

日本でも『日本人が知らなかったネットで稼ぐ新手法 ドロップシッピング』というタイトルで、米国での最新事例を中心に解説した書籍も刊行されています。改めてWikipediaの説明を見ると、次のように説明されています。

Drop shipment or [drop shipping] is a type of retailing where the retailer does not keep goods/product in stock, but instead passes customer orders and shipment details to wholesalers, who then dispatch the goods to the customer directly. The retailer makes their profit on the difference between the wholesale and retail price.

つまりドロップシッピング(ドロップシップメント)とは、商品在庫を持つことなく顧客に商品を販売し、実際に受注が発生した時点で卸売業者に対して顧客への配送を依頼するという、小売りの一形態です。卸価格と小売価格の差額(実際には卸売業者への手数料もかかる)が、収入になります。アフィリエイトと違って、販売者が商品価格を自由に設定できるため、その分高い利益率が期待できる点が魅力となります。

日本でもドロップシッピングのサービスを提供しているASPは、すでに2社存在します。その1つが、ネットプライスの子会社『もしも』が提供する『もしもドロップシッピング』です。 情報源は、『ネットプライス、通販個人商店を支援――商品提供、値決め自由、高い収益性アピール』(日経流通新聞MJ 2006年7月28日 7面)です。

サービス名は「もしもドロップシッピング」。ネットプライスの子会社もしも(東京・新宿、実藤裕史社長)が運営し、会員登録すれば無料で利用できる。  もしもはサービス開始にあたりドン・キホーテのグループ会社ドンキコム(東京・江戸川)と連携。生活雑貨など約2万点にのぼる商品データベースの提供を受けた。

会員は、もしものサイトを通じて2万点の中から販売したい商品を選択し、自身のサイトに掲載する。特徴は販売価格を自由に設定できること。もしもが「卸値」として設定した価格に対して、会員は自由に利潤を上乗せして販売。売れればその利潤を会員に支払うようにする。

そのため売り上げの3%程度を手数料として受け取るアフィリエイト広告に比べ、「より多くの手数料を稼げる可能性が高い」(実藤社長)という。

サイトを通じて商品の注文があった場合、もしもがドンキコムに商品を発注。ドンキコムが倉庫から直接購入者に商品を発送する。

購入者との代金決済手続きや氏名・住所などの個人情報の取り扱いはもしもがすべて代行・管理する。会員には購入者を特定できないようにし、安全性を高める。もしもはドンキコムからの仕入れ価格に、5~0%程度の仲介手数料を上乗せし、会員に商品を卸すことで収益を得る。

今後もしもはメーカーや卸事業者などとも連携し商品情報を拡充する方針で、来年8月までに取扱高5億円、利用者1万人の獲得を目指す。

「もしも」という自信なさげな社名にしては、事業計画は強気です。

もう1つは、GMOインターネット・グループの『メイクショップ』がEC支援サービスの一環としてスタートする「ドロップシッピングプラン」です。情報源は、『メイクショップ、ECサイトの開設支援、自前商品いらず』(日経産業新聞 2006年8月21日 3面)です。

メイクショップはサイト開設や売り上げ分析のほか、商品購入者への販促用メールマガジンの発行などの手段を提供する。サイト開設者はメイクショップに1万円のサイト開設料のほか、扱う商品が30点を超えると数に応じて月額3千~1万程度の利用料を払う。

実際の商品はドン・キホーテの卸売り子会社、ドンキコム(東京・江戸川、大原孝治社長)の約2万点の扱い品目から選ぶ。衣類や雑貨、車まで10種類以上のジャンルがある。自前の商品と組み合わせて販売することもできる。

サイト開設者はドンキコムにも年間3万6千円の加盟料のほか、月額1万9,800円の利用料を支払う。売上高の2~6%をドンキコムに支払い、残りが開設者の収入となる。

メイクショップは現在、2千店舗のECサイト開設を支援している。新サービスで初年度500店舗を開拓し、月2億円の取扱額を目指す。

メイクショップがバックエンドのサービスとしてドンキコムを使っているという点では、先に紹介したもしもと一緒です。おそらく日本でドロップシッピングのエンジンを提供できるところは、現状ではドンキ1社しかないのでしょう。

上記の記事を元にドンキに支払う金額を計算したところ、結構な金額になることがわかります。ドンキ1社の独占という状況に関係があるのかもしれません。【3万6千円 ÷ 12】プラス【1万9,800円】プラス【売上高の数パーセント】で計算すると、月額ベースで3万円程度は想定した方がよさそうです。さらにメイクシフトに支払うサイト開設料が、最低でも1万円は必要です。

このような負担の大きさを考えると、日本でのドロップシッピングは、素人が片手間にやっているアフィリエイトの延長線上にあるものではないように思えてきました。始めるにあたっては、少なくとも個人事業主で税金の申告をする程度の「本気」の覚悟が必要でしょう。果たして、現在のアフィリエイターの中で、何パーセントの人間がドロップシッピングを魅力的だと思うのでしょうか?

したがってドロップシッピングはアフィリエイト2.0にはなりえない、というのが今回の結論です。もちろんドンキ以外の新規参入者が現れて、価格破壊が起これば別の展開も考えられますが・・・ それでもチャレンジしてみたいという方には、まず『プロフェッショナル・アフィリエイトへの道―あなたが稼げない理由教えます』あたりの書籍で十分に勉強することをお勧めします。

なお紹介した2社の1年後の売上げ目標は、もしもが「取扱高5億円、利用者1万人」で、メイクシフトが「500店舗を開拓し、月2億円(=年24億円)」となっています。詳しい計算根拠は不明ですが、この違いもなかなか理解できません。どれくらいの市場規模に成長するのか、ASP側も本当は予測できないといった段階にあるのが、ドロップシッピングの現状なのではないでしょうか?


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