派手な「人生ゲームM&A」が地味な「人生銀行」に変身したのはトミーの影響?
2006年09月13日
創業者の次男でアイデアマンの佐藤慶太氏が社長就任以降、玩具メーカーのタカラは2000年のマイク一体型カラオケ「e-kara」、2001年の「ベイブレード」、2002年には犬の鳴き声を翻訳する「バウリンガル」と、毎年のようにヒット商品を連発していました。このバイリンガルが「イグノーベル賞」を受賞した2002年が、タカラの頂点だったのではないでしょうか。
この後チョロQの実車版として電気自動車「Qカー」の開発・販売に乗り出すなど、タカラは無謀とも思える拡大路線を邁進します。その結果、業績は急速に悪化し、結局2006年3月に同業のトミーと合併しタカラトミーとなったわけです。
そんな新生タカラトミーが今年の秋に発売する予定の新製品が「人生銀行」です。情報源は、貯金箱も格差社会!? 5本のシナリオを用意した「人生銀行」です。
今はワンルームマンションでも、いつかは億ションに――というのは現実世界ではなかなか難しいが、せめて貯金でもして今度のお正月は海外旅行ぐらいには行きたい。と、そんなつつましい庶民の夢を応援するのが、タカラトミーが11月に発売する予定の貯金箱「人生銀行」だ。
人生銀行は、500円玉専用の貯金箱であらかじめ期間と金額を定めてお金を貯められる。
本体には32×48ドットのモノクロ液晶ディスプレイを搭載。設定した期間と金額に応じて、主人公のサクセスストーリーを表示する。
シナリオは、普段はみすぼらしい3畳一間に住まう主人公が、貯金額に応じて豪華な邸宅の一室に移り住む様子や、海外旅行に出かけたり、結婚するなどの物語を5本用意している。
貯金できる金額は1万~10万円で、500円単位で設定できる。カレンダーや時計機能も内蔵する。大きさは120×120×120ミリ(高さ×幅×奥行き)。本体価格は4987円を予定している。
会場のスタッフによると「1人でも貯金を楽しめるが、将来の夢を楽しみながらお金を貯めるような雰囲気を家庭で作ることができる」としている。
私にはタカラらしくない地味な商品に思えます。私がもっと気になったのが「人生銀行」というネーミングです。タカラと言えば、「人生ゲーム」です。今からちょうど1年前の2005年9月にタカラが発売したのが、「人生ゲームM&A」です。
当時日の出の勢いであったホリエモン・ブームを象徴するような商品です。しかし、ホリエモンの逮捕とともに「人生ゲームM&A」も次のような顛末を迎えました。
M&Aはその開発に証券取引法違反の嫌疑がかけられたライブドアの堀江貴文元社長らが関わっていたことなどから、2006年2月に製造中止となった。計10万個が出荷されたという。
まさに時代の徒花と呼ぶに相応しい商品でしょう。そうは言っても、10億円の資金を元手に最高1兆円までを目指す「人生ゲームM&A」には、壮大な男のロマン(女も)がありました。一方「人生銀行」の方は、3畳一間のアパートからスタートしてゴールもせいぜい億ション止まりです。現実的なストーリーかもしれませんが、ゲームならでは夢も感じられません。
もちろん「人生銀行」は貯金箱なので、ゲームを楽しみながらお金も貯まるというのは、ただ遊んで楽しむだけの「人生ゲーム」にはない実用性はあります。実利があるとは言え、チマチマした商品が生まれるようになったのは、派手好きのタカラが堅実な社風のトミーと合併した影響でしょうか。
正直に言えば、「人生銀行」はヒットするとは思えません。「人生ゲーム」を使ったテレビCMを放映していたのがダイワハウスです。ダイワハウスのモデルルームに来場した人にプレゼントするくらいが、相応しい商品のように思えます。
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