プレステ3をギリギリ5万円以下に値下げしたのはSCEの弱気の現れ?
2006年09月26日
ソニー・コンピュータエンタテインメント(SCE)が、11月に発売する新型ゲーム機「プレイステーション3(PS3)」の日本での価格を、当初発表していた6万2,790円から4万9,980円(税込み)に値下げすることを発表しました。SCEの久多良木健社長は、「高いと言われて買われなくなると、PS3が目指す夢が実現できなくなる」と値下げの理由を説明しています。
元々、PS3は単なるゲーム機を超えたスーパーコンピュータと位置づけ、価格設定でも独自路線を貫いてきたのがSCEでした。そのSCRが当初価格に比べて20%の値下げに踏み切ったわけで、かなり思い切った戦略転換だと考えられます。
PS3のライバルとなるのが、任天堂が12月に発売する予定の「Wii(ウィー)」とマイクロソフトが昨年発売した「Xbox360」です。Wiiの販売価格は2万5,000円(税込み)、Xbox360は3万9,795 円(税込み)です。なお、マイクロソフトでも対抗策として、11月には廉価版の「Xbox 360 コア システム」を2万9,800円(税込み)で投入する予定です。
この3機種の価格をまとめると、このようになります。
- PS3 4万9,980円(税込み)
- Xbox360コア 2万9,800円(税込み)
- Wii 2万5,000円(税込み)
PS3の価格には「5万円を切る」ことを目的に設定されたギリギリ感が滲んでいます。Xboxの価格は「3万円を切る」のが狙いですが、こちらの方は10円単位までは刻んでいません。このような端数価格は、「Psychological pricing」(心理的価格)と言われる古くからあるマーケティング・テクニックの1つです。一方、DSシリーズが好調な任天堂は、Wiiの価格設定にも2万5,000円と、端数なしでスッキリ感があります。
SCEが強さを誇っていた時に登場したPS2は、1万6,000円という端数なしの価格で発売されたと記憶しています。その後のゲーム業界の動向には、私は決して詳しくありません。そんな私が今冬発売の製品価格の端数の度合いだけから判断すると、1番自信があるのが任天堂、2番目がマイクロソフト、最後がSCEという順番になるように思います。
ところで、そもそも生活必需品でもないゲーム機に、心理的価格がどれほどの効果があるのでしょうか? PS3の価格を5万円ではなく4万9,980円にすると、売上げがどれくらい増加するとSCEは計算したのでしょうか?
確かに1人の人間が何度も消費するケースの多い外食関連だと、心理的価格の効果が働く場合も多いとは思います。例えば、吉野家の牛丼は380円で復活しました。この牛丼の価格を分析した記事を見つけました。情報源は、『データで読む牛丼復活』(日経流通新聞MJ 2006年9月25日 23面)です。
米国産牛肉の輸入解禁を受け、吉野家ディー・アンド・シーが牛丼を2年7カ月ぶりに復活させた9月18日に客の4割が「大盛り」を注文したことが分かった。2004年2月の販売休止前の2倍の水準。総来店客数も05年の前年同日比2.3倍に達しており、牛丼ファンの熱心さを裏付けた。
牛丼の並盛り(380円)を注文した人は64.2%なのに対し、肉、ご飯がそれぞれ1.3倍になる大盛り(480円)は35.8%。04年2月の販売休止前は並盛りが8割を占め、大盛り、特盛りとの合計で2割だった。
これは1日しか販売されなかったことによる異常値と考えた方がよさそうです。ちなみに吉野家の牛丼と競合すると予想される外食チェーン店の価格設定は、次のようになっています。
だいたい300円台に収まっていることがわかります。今後注目されるのは、日高と幸楽苑、吉野家とすき家の価格差がどれくらい縮まるかでしょう。
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【追記】
値下げで安くなっても「次世代ゲーム機が欲しくない」というIT戦士もいます。
【追記(その2)】
日米中の端数価格の違いに注目した人もいました: キングソフトが4980円でOffice互換アプリを出した理由

