ネット関連株の低迷が示すのは「Web2.0バブルの終わりの始まり」?
2006年11月01日
登場以来爆発的なスピードで右肩上がりの成長を見せてきたYouTubeのアクセス数が、9月になって初めて減少となりました(梅田望夫氏がワン・アンド・オンリーと礼賛するグーグルのブランド問題)。動画投稿サイトNo.1のYouTubeのアクセスの鈍化は、日米共通の減少です。これに加えて、米国ではSNSの利用者数が、同じく9月に減少傾向を見せています。情報源は、米大手ソーシャルネットワーク、はやくも「踊り場」に--9月の利用者数が減少です。
Wall Street Journalの「MySpace, ByeSpace?」という記事によると、9月には最大手のMySpaceと2番手のFacebookで、ともにユニークユーザー数が減少したという(MySpaceでは8月に4920万人だった利用者数が4720万人へと4%減少、Facebookも890万人から780万人へと12%少なくなっている。なお、この数字の出元はNielsen/NetRatingsだが、Facebook側では9月の利用者数について9%増の1100万人になったと述べている。
この数字の減少については、「新年度が始まり学生の利用が減った」という季節的変動要因も影響しているものの、それ以外にもっと根本的な問題も作用しているという。この記事のなかには、「MySpaceが急激な成長フェーズから、成熟フェーズに移りつつある」ことを認めるFox Interactive Media(MySpaceを傘下に収めるNews Corp.のインタラクティブ事業統括部門)幹部の言葉に続き、このことはMySpaceが飽和状態に近づいていることを暗に示唆しているのかもしれない、と書かれている。
一部には「MySpaceの価値が数年後には100億ドル規模になる」とも声もあるように巨大な潜在力を秘めたSNSだが、今後しばらくは成長に伴う痛みを経験することになるのかも知れない。
一方日本のSNSのガリバー、ミクシィの成長は止まる気配はありません。 情報源は、『ミクシィなど新興ネット株軟調――成長持続力に疑問符、広告依存懸念も』(日経金融新聞 2006年10月31日 1面)です。
「ミクシィ」は500万超の会員を抱え、ユーザー1人当たりの利用時間も7月時点で4時間16分とヤフーを上回った。閲覧数増加が広告収入の拡大に直結し、07年3月期の単独経常利益は前期比89%増の見込みだ。
しかし、ミクシィの株価は軟調な展開が続いています。
ミクシィの10月30日終値は上場初値から約15%下落。インタースペースは9月の初値から半値の水準だ。「CGM関連銘柄の中長期的な成長戦略の不透明さが原因」(国内証券)という指摘も出始めている。
株式市場では、ミクシィを筆頭にいわゆるCGM(Consumer Generated Media)銘柄の中長期的な成長性に対して、懐疑的な見方が広がっています。次の表は、CGM銘柄の初値からの下落率をまとめたものです。
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懸念の1つが広告収入に偏る各社の収益構造だ。米アマゾン系の調査会社によると、2006年に入りSNSなどCGMサイトの1日あたりの訪問者数の伸びは鈍化傾向にある。いちよし経済研究所の納博司氏は「サービスの新鮮味が薄れると閲覧数が減少し、広告収入も伸び悩む可能性がある」と見る。
個人のブログに象徴されるように広告掲載サイトが小型になり、1つのサイトが上げる売上高も減少傾向にある。ファンコミュニケーションズの06年6月中間期末の掲載サイト数は32万と前年同期比79%増えたが、「仲介料収入は16%増にとどまったと見られる」(納氏)。今後はサイト数の増加ペースがそのまま増収率に結びつかない懸念が強まっている。
JPモルガン証券の勝間和代シニアアナリストは「国内のネットユーザーだけが対象では、売上高を百億円規模に拡大するのは不可能」と言い切る。勝間氏の計算では、ブログサービスの運営者は、百万人のネット利用者が1年間、毎日33ページのブログを閲覧することで、やっと10数億円規模の広告収入を得られる。
国内のネット接続人口数が飽和状態のなか「乱立する個人メディア間で閲覧数の獲得競争が激しくなれば、CGMの収益成長性にも限界が訪れる」(勝間氏)という。
もちろん、これらのネット関連企業の成長性を懸念する声とは別に、その潜在的な可能性を信じる見方も多数存在します。但し、株式市場の反応は、すでに「Web2.0バブルの終わりの始まり」といった警鐘を鳴らしているようにも思えます。
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