ここまでするか、検索サイト「ゾットスポット」のユーザ獲得インセンティブプラン
2006年11月02日
まず、何の説明もなしで次の図をご覧ください。これはあるウェブサイトのサービスの仕組みを説明したものです。
ちなみに図の最後にはこう書いてあります。
"The bottom line is that if you refer a lot of people, you can earn a lot of money."
紹介した人間の数が増えれば、それだけお金が儲かるというメッセージです。この説明から、このサイトは「無限連鎖講」(ネズミ講)の一種だと想像するが普通でしょう。しかし、意外にもこれは米国の新しい検索サイトzotspot(ゾットスポット)の仕組みを解説したものなのです。情報源は、検索サービス:人に紹介すると収入 ねずみ算で増額です。
インターネット検索サイトの米ゾットスポットは31日(米国時間)、利用者の拡大策として、同社を知人に紹介した人には報奨金を支払う試みを開始した。紹介を受けた人が、さらに別の人に紹介すると、最初の人の収入が、ねずみ算式に増える。米グーグルなどが独占する市場に、新しいビジネスモデルで挑む。
紹介して登録させるのに成功すれば、1人につき年間0.1~0.5ドルを得られる。最初に知らせた相手を「子供」とすると、「ひ孫」の代まで紹介実績として認定。つまり10人に紹介し、その10人がそれぞれ10人という具合に繰り返すと、合計では1110人に膨れあがる。仮に1人につき0.25ドルが支払われれば、「親」は年間278ドルを手にする。
検索も登録も無料のため、いわゆるネズミ講ではない。検索連動広告で得た収入の一部を報奨金に充てる。登録すれば、自分で検索を利用するだけでも報酬を得られる仕組み。人に紹介した人は「子孫」たちが検索を使えば使うほど、少しずつ受取額が増える。
上記の説明は、動画でも見ることができます。
これらの説明でも明らかなように、紹介された人間が「登録」さえすれば、報酬がもらえることになり、登録した人間が実際に「検索」するかどうかは報酬の有無には全く関係ありません。この辺のところは、紹介料目当てに使い途もない鍋釜を買うネズミ講販売と同じような感じがします。つまり報酬は、サービス登録時のみに発生する導入インセンティブということです。
報酬を払うためにゾットスポットは、収益源を確保する必要があります。それでは、ゾットスポットはどのようなビジネスモデルを考えているのでしょうか? 収益は、他の検索サイトと全く同じで検索連動広告です。導入インセンティブはユニークでも、収益化するビジネスモデルは極めて陳腐です。
現在のところ、ゾットスポットに登録できるのは北米在住者に限られています。そういうわけで、私も登録しないで「MBA」のキーワードで検索してみました。すでに広告はかなり集まっているようです。
当たり前のことですが、どんなに広告が集まったとしてもユーザがクリックしないことには、ゾットスポットの収入にはなりません。さらにそれ以前の問題として、登録インセンティブまで払って増やしたユーザが、ゾットスポットで実際に検索することが必要です。ユーザが他の検索サイトの代わりにゾットスポットを使ってくれるようになるのは、やはり実際の検索結果の中身が充実していなければなりません。
その割には、肝心の検索結果が他の検索サイトより充実していることを、強烈にアピールする姿勢は、ゾットスポットのサイトには見受けられません。結論としては、とりあえず登録者をかき集めさえすれば収入は後からついてくる、といった安直なWeb2.0型ビジネスモデルの典型例のよう私には思えます。ゾットスポットは、あまり普及することなく破綻するのではないでしょうか? この点でもネズミ講がたどる結末と同じような気がします。
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