ケータイだけではない、消費者を惑わす違法スレスレの広告コピー
2006年12月14日
ソフトバンクの「通話0円」等の広告表現の違法性に関する、公正取引委員会調査結果が明らかになりました。問題の発端は、同社の広告表現が景品表示法に違反する恐れがあるとして、ライバル社のKDDIが公取に訴え出たことに始まります。
それが携帯業界全体に関わる広告倫理にまでに発展したのは、ソフトバンクが他社の広告にも誤解を招く表現が見られるとして、公取に反論したからです(ケータイ広告を総取りした電通に突きつけられた「予想外」の問題)。情報源は、ソフトバンク:0円広告で公取委が警告 他社には注意です。
ソフトバンクモバイルが導入した携帯電話の新料金プラン「通話料、メール代0円」の広告について、公正取引委員会は12日、景品表示法違反(有利誤認)の恐れがあったとして同社に警告。同時にNTTドコモ、KDDI(au)など携帯電話2社と、簡易型携帯電話(PHS)のウィルコムの計3社の料金プラン広告についても同法違反につながる恐れがあったとして注意する。
公取委が同法違反で業界のほぼ全社を対象に行政指導するのは珍しい。
ソフトバンク1社が警告、他の3社が注意ということで、行政指導のレベルには違いがありますが、結局痛みわけという感じです。自社の反論が受け入れた形になったソフトバンクとしては、上首尾の結末と言えるのではないでしょうか。今回の件でとばっちりを受けた形の被害者は、そもそも番号ポータビリティに参加していないウィルコムということになりそうです。
問題となった携帯業界の広告の目的は、煎じ詰めれば「消費者が誤解してくれる」ことにあると言えます。携帯電話に負けず劣らず、違法スレスレの表現でしのぎを削っているのが、消費者の健康意識に訴えかける食品の広告です。
前回の投稿 効能がないほどイメージで消費者を操る清涼飲料水のマーケティング戦略では、サントリーの清涼飲料水にまつわる話題を紹介しました。今回は、他社の事例も紹介します。 情報源は、『食品広告、効能表示に薬事法の壁「キメぜりふ」効き目あり』(日経流通新聞MJ 2006年12月13日 3面)です。
健康増進や美容など期待できる効果や効能を消費者にどうイメージさせ、連想させるかに、食品メーカーが知恵を絞っている。「承認前の医薬品等の広告を禁止」した薬事法に照らせば、食品は効果・効能をうたえない。問われるのは、スレスレのところで許される「キメぜりふ」の表現力だ。
食品が身体への効果効能を掲げることができないのは「承認前の医薬品等の広告を禁止」した薬事法68条の取り決めがあるためだ。東京広告協会(東京・中央)の「広告法規マニュアル」によると、薬事法は口から入るものを食品と医薬品の2つに分類。効果効能を広告できるのは医薬品に限られるため、食品は承認前の医薬品扱いを受け規制の対象となる。
「表現をどこまで許容するかの判断は難しい」。食品の広告表現について最終的な判断を下す立場の厚生労働省医薬食品局監視指導・麻薬対策課の大川創・広告専門官はこう打ち明ける。
通常は各都道府県単位で問題のある時は指導しているが「許容範囲は自治体によって、ばらつきがある」。例えば、ある県が不問に付した表現でも、他県がよく似た表現で「否」と判断すれば、“整合性”から指導に乗り出すこともある。
年末年始の宴会シーズンを迎え、ハウス食品が販売に力を入れているドリンク剤「ウコンの力」。「飲んだら、飲んどこ。」という宣伝文句に対し、監視指導・麻薬対策課は待ったをかけた。
健康被害が生じるものは即座に製品回収に動くが、「単に広告表現が問題な場合は、CM変更時などに切り替えてもらう」(大川専門官)といい、運用は弾力的だ。
ハウス食品のHPにあるウコンの力のCMには、「飲んだら、飲んどこ。」のフレーズが残っています。おそらく早急にCMを改定するつもりもない、というのがハウスの本音ではないでしょうか。この製品の最大需要期である忘年会、新年会シーズンを現行バージョンのCMで乗り切ることができれば、同社にとって大きな痛手とはならないはずですし。
判断基準に明確さが欠けるだけに、運用の方もかなり緩い(よく言えば弾力的)になっているようです。正式にお咎めを受けるまでは、メーカーの立場からすれば、危なそうな橋を渡ってみる価値が十分あるということでしょう。
「広末涼子、浄化計画。はじまる。」――。「浄化」というコピーが「老廃物除去という医薬品の効能のように消費者に受け取られる」と、東京都が表現の変更を求めた日本コカ・コーラの飲料「からだ巡茶(めぐりちゃ)」。発売から2カ月後の7月、「広末涼子、気分浄々。」という表現で出直した。
日本コカによると「浄化計画」という表現については、都と事前に相談したという。広告表現については消費者団体などの監視も厳しく、同社は「発売後に行政側の判断が変わることは間々ある」と説明する。
これも行政側が明確な判断基準を持たない一例でしょう。危なそうな他社のCMを消費生活センターあたりにたれ込むのも、ライバル社の競争戦略の1つとなるのでしょうか。
最後に危ない橋を渡らない食品メーカーの事例を紹介します。法律を厳格に守ろうとすると、かなり笑える話になります。
「商品特性について、この場ではっきりと申し上げることはできません」――。味の素が11月開いた健康食品の新製品発表の記者会見の場で、山口範雄社長はこう言って苦笑いした。
新商品は粉末状のカツオ節をお湯に溶かして飲むサプリメント(栄養補助食品)「かつおの力」。カツオ節には疲労やストレスを和らげるとされるアミノ酸やペプチドが豊富に含まれているという自社の研究成果をもとに製品化した。
医薬品ではないため、豊富な実験データを重ねているとはいっても効果効能を訴えることはできない。消費者は「なかなか休めない毎日に」という言葉から製品の特性を想像するしかない。
グリナのパッケージのコピーは「さわやかな朝をサポート」だが、販売窓口には「いったい何に効くんだ」といった消費者からの問い合わせが絶えない。オペレーターが効果効能を答えることをマニュアルで禁じているため、明確な答えが得られず、怒って電話を切る人も少なくない。
自社製品の特性を明言できない社長と、苦情に対応しなければならないオペレーターに同情します。
★恐縮ですが、『人気ブログランキング』を クリック してください。
| 食品の裏側―みんな大好きな食品添加物 | |
![]() | 安部 司 東洋経済新報社 2005-10 売り上げランキング : 668 おすすめ平均 ![]() 食品添加物とのつきあい方から、食育の大切さまで書かれています。 添加物を知るのと知らないのとでは雲泥のさがある~ 驚きの連続でした。Amazonで詳しく見る by G-Tools |
| 新・食べるな、危険! | |
![]() | 食品と暮らしの安全基金 講談社 2005-09-06 売り上げランキング : 38744 おすすめ平均 ![]() 一人一人がもっと真剣に考えよう! バカと鋏は・・・ 不思議、、、怒り、、Amazonで詳しく見る by G-Tools |





食品添加物とのつきあい方から、食育の大切さまで書かれています。 

バカと鋏は・・・
不思議、、、怒り、、
