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欧米で広告規制が強化される中ジャンクフードが続々と上陸する日本

2006年12月21日

日本マクドナルドが一部の店舗で限定販売していた新製品「メガマック」の扱い店舗を全国に拡大します。情報源は、『ビッグマックの「兄貴分」―日本マクドナルド』(日本経済新聞朝刊 2006年12月21日 35面)です。

メガマック 丸いパンではさむ、肉を平たく固めたパティの枚数を同社の大型ハンバーガー「ビッグマック」の2倍の4枚に増やした。米国や中国などで売っている人気商品で、日本では1カ月弱の限定販売。

パンを3層にし、それぞれパティを3枚重ねにしてはさむ。高さは通常のハンバーガーの約3倍。カロリーも3倍の754キロカロリー。10~20代の若い男性を主な購入者に想定している。

一方、大型ハンバーガー「WHOPPER(ワッパー)」で有名な米国バーガーキングも、日本に再上陸します。情報源は、『バーガーキング、来夏1号店、ロッテなどFC契約、再挑戦「高め」路線追い風』(日経流通新聞MJ 2006年12月18日 19面)です。

ロッテと企業支援会社のリヴァンプ(東京・港)は米ハンバーガーチェーン大手のバーガーキング(フロリダ州)とフランチャイズ(FC)契約を結び、来夏から店舗展開を始めると発表した。2012年までに百店の出店を目指す。

バーガーキング バーガーキングは1993年に日本に参入したが、デフレ長期化を受けた低価格競争に敗れたことなどから2001年に撤退しており、再上陸となる。

ロッテとリヴァンプは11月29日、共同出資でバーガーキング・ジャパン(東京・渋谷)を設立。社長には日本マクドナルド出身で日本ウェンディーズ前社長の笠真一氏(54)が就いた。

2008年3月までに直営で8店を出店。10年3月までに50店と首都圏の都心部を中心に徐々に出店ペースを加速する。ロッテリアと競合しないよう、出店地域をある程度分ける。

最大の特徴はパティ(ハンバーグ)の焼き方。鉄板で焼く一般的なチェーンと違い直火で焼き、香ばしさを付ける。主力商品「ワッパー」は直径がマクドナルドのビッグマックよりも3割大きく、食べ応えがある。単品で400円台、飲み物などとのセットで700円台になる見通し。

国内系ハンバーガーチェーンのロッテリアは、これまたリヴァンプの支援を受けて再建中です(外食事業の命運をリヴァンプに託すロッテ重光武雄オーナーの決断)。健康志向が広まりハンバーガーの国内消費が急拡大するとは思えない中、高級品のバーガーキングと大衆品のロッテリアという棲み分けは狙い通りに実現できるのでしょうか?

また、リヴァンプとロッテが共同で米国のファーストフードチェーンの国内展開を始めるのは、今回のバーガーキングが初めてではありません。今月の15日に第1号店を開店したクリスピー・クリーム・ドーナツも、両社の協業です。

ハンバーガーとドーナッツ。リヴァンプとロッテが共同で手がけるファーストフードは、高カロリー商材が中心で現在の時流には逆行しているように思えます。そう考えたところで、こんな記事を見つけました。情報源は、『ジャンクフードに甘い厚労省』(週刊東洋経済 2006年12月23日 23ページ)です。

英メディア規制委員会(Ofcom)は11月下旬、テレビなどのメディア広告からジャンクフードを閉め出す規制案を発表した。Ofcomは来年1月の実施に向け、関係諸団体の意見を参考に年内に最終案を策定する意向だ。

16歳以下の少年や児童の肥満が深刻な社会問題となっている英国では、たばこや酒類と同様に、ジャンクフードをメディアから排除する動きが、医療団体や消費者団体などの間で強まっていた。

Ofcomはこうした声に応えて、健康被害の元凶である脂肪分や高塩分・高糖分食品のメディア広告を規制するルールを世界に先駆けて作成した、と胸を張っている。

もっとも、ジャンクフードへの風当たりが強くなっているのは、英国に限った話ではない。Ofcomによると、スウェーデン、ノルウェー、カナダ・ケベック州などはすでにジャンクフードの広告規制を実施しているが、これらの諸国も英国内の規制強化の動きを注視しているという。

こうした動きに危機感を抱いたコカ・コーラ、ペプシコ、マクドナルドなど“ジャンクフード” 大手10社は11月、米国で放映される児童向けテレビ番組などの広告を自粛すると発表した。10社の児童向けテレビやインターネット等の広告費は、現在、全体の60%に上る。今後、その半分を投じて、糖分・脂肪の過剰摂取や食生活の改善キャンペーンに協力すると表明するなど、事態の沈静化に躍起だ。

高脂肪・高糖分食品への風当たりが強まる中で、日本では同様の動きは見られません。

そうした欧米の動きに関心を払うどころか、反対にジャンクフードを野放しにしているのが、日本だ。特に国民の健康を守るはずの厚生労働省にしてからが、『食育白書』の中で、ジャンクフードの食害には一言も言及してない。

高脂肪・高糖分食品の代表格であるハンバーガーとドーナッツは、欧米諸国では今後ますます広告活動が制限され、大幅な売上げの拡大も見込めないはずです。そこで米国の大手チェーンが新たな市場開拓先として目をつけたのが、ジャンクフードに対する規制のまったくない日本市場で、現地パートナーとして選んだのがロッテとリヴァンプという図式は、考えすぎでしょうか?

逆に健康ブームが巻き起こっている米国では、日本メーカーが開発したペットボトルの茶系飲料の人気が急上昇しています(全米でペットボトル飲料茶の人気が沸騰!)。また、近年のマグロ価格の高騰は、健康志向の日本食が世界的に普及した影響と言われています。

考えてみれば皮肉な話です。低カロリーな食習慣を世界に広めてきた日本に、欧米諸国で敬遠されつつある高カロリー食品のハンバーガーやドーナッツを、一所懸命売り込もうとする企業がいるのですから。ロッテとリヴァンプの隠されたミッションは、日本の若者の体脂肪率を欧米並みに引き上げることなのでしょうか?


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