念願の上場を果たしたソースネクストの告発本第2弾が登場
2006年12月29日
今年1年を振り返ってみると、ライブドア、村上ファンド、楽天と、六本木ヒルズに本社を置く企業がマスコミを騒がせた1年という印象を受けます。暮れも押し迫って、読売新聞の一面を飾った会社も、六本木ヒルズが本社のコムスンでした。情報源は、コムスン、介護報酬を過大請求…返還要求へです。
東証1部上場の人材派遣業「グッドウィル・グループ(GWG)」の中核企業で訪問介護最大手の「コムスン」(東京都港区)が組織的に介護報酬を過大請求していた疑いがあるとして、東京都は介護保険法に基づき、都内にある同社の事業所約50か所を一斉に立ち入り検査(監査)した。
都は過大請求分の返還を求めるほか、同社に業務改善を勧告することを検討している。
関係者によると、コムスンの訪問介護事業所では、ヘルパーが家事援助などのサービスをした際、利用者の様子を確認する「見守りサービス」もしたことにして時間を長くしたり、薬の服用を手助けしただけで本来は介護保険制度の対象にならないケースなのに、ほかのサービスも合わせて行ったことにするなどして、介護報酬を過大に請求していたとみられている。
読売新聞の報道に対してコムソン側は、グッドウィル・グループの折口雅博会長名で、すぐさま反論文書「2006年12月27日付「讀賣新聞」朝刊一面の報道につきまして」(PDF)をサイト上で公開しました。
掲題報道の当社子会社「コムスン」が組織的に介護報酬を過大請求していた記事内容及び東京都が都内にある同社の事業所約50 ヶ所を一斉に立ち入り監査した記事内容、都側が過大請求分の返還を求めている、業務改善勧告を検討している等の記事内容に付きましては、一切事実無根であり、悪意に満ちた事実誤認内容の報道となっております。
東京都は、大手数社に対して、「コムスン」と同様の実地指導を行っており、介護報酬を過大請求していた疑いがあったわけでは一切ありません。(中略)
本日の「讀賣新聞」の報道に関しましては、かかる報道はまったく事実に反するものであり、当社及び当社子会社「コムスン」の名誉を著しく損なうものであり、当社は当該報道機関に対しても速やかに抗議を行うと同時に、法的措置についても検討を開始しましたことをご報告致します。
ライブドア事件以来、新興企業に対するマスコミの目は一転して厳しくなりました。例えば、週刊新潮では「三木谷社長の『Xデー』」と題した記事で、三木谷氏の逮捕を憶測する内容を掲載しました。これに対して楽天は、名誉棄損を理由に12億6,861万円の損害賠償を求めて東京地裁に提訴しています。
読売新聞の報道を受けて、グッドウィルの株価も大幅に下落したのは、楽天の場合と同様です。コムソンもしくはグッドウィルが本当に読売新聞を告訴するかどうかは、今のところわかりません。
しかし、六本木ヒルズに本社を置く新興企業が批判されるのは、グッドウィルが最後ではないでようです。扇情的なタイトルの告発本「六本木ヒルズ最後の伏魔殿」が、12月27日に発売されました。告発されているのは、廉価版ソフトの急先鋒ソースネクストです。
「驚速」「特打」のソフトで知られる、1996年8月設立の新興会社「ソースネクスト」。
驚くべき急成長の影にある、創業社長・松田憲幸氏の恐るべき裏の貌を見逃してはならない。
本書は、伝聞や噂の類に頼らず、証拠書類や当事者のコメントからそれを明らかにし、会社経営の本来あるべき姿について考えるものである。
ソースネクストは今月の20日に東証マザーズに新規上場されたばかりなので、まさにこのタイミングを狙って出版されたのでしょう。同社の株価の方は、今年の終値は45万円で、新規公開価格の22万円の2倍となり順調そのものです。やはり一般新聞とは違って、この種の告発本の影響はほとんどないのでしょう。
実はソースネクストが株式の公開を試みたのは、今回が初めてではありません。2002年には、ナスダック・ジャパン(現ヘラクレス)への上場を直前で中止したことがありました。直前の上場中止は、スキャンダルの臭いを感じさせるものです。そういった経緯もあり、2005年1月に発売されたのが、「ソースネクストの重大疑惑」という告発本です。ソースネクストは告発本のネタにされやすい会社です。
業務上横領、詐欺、有印私文書偽造、特別背任・・・
共学の手口を全公開!!
関係者が衝撃の告白!!
「私はソースネクストに騙された」 2002年上場中止の真意と、再上場画策の野望。
誰も知らない有力ベンチャーの実態と、「禁じ手」を連発する青年起業家の実像を、本書が深くえぐる!!
現在は入手困難のなっている本書の感想は、こちらをご覧ください。なお、現在同書が入手困難になっていのは、ソースネクストが暴力団を介し金銭を支払って回収したというさらなる疑惑も囁かれています。
ことの真相はともかく、一時はアマゾンでも入手可能であった「ソースネクストの重大疑惑」は、現在抹消されていることは事実です。アマゾン自体が「潜入ルポ アマゾン・ドット・コムの光と影―躍進するIT企業・階層化する労働現場」という、自社に批判的とも思える内容の本を現在でも扱っているのを考えると、少々不自然な感じはします。
当然、「六本木ヒルズ最後の伏魔殿」方もアマゾンでは扱っていません。livedoorブックスが一時的に扱っていたのですが、こちらも今では登録抹消です。「六本木ヒルズ~」という題名の本をライブドアが堂々と販売していたのも、考えてみればノー天気なことですが。
正直に言えば、私自身はソースネクストはこれらの告発本に言われているような悪辣な会社かどうかは、よくわかりません。1980円の廉価ソフトを家電量販店やコンビニエンスストアを主力チャネルにして販売することにより、急成長してきたのが同社の基本戦略です。また、7月には業界の常識を破る「更新料無料」のセキュリティソフトを投入して、大きな話題にもなりました。
ソースネクストがソフトウェア業界の常識に挑戦してきたことは確かでしょう。その分、同社の存在を快く思っていない業界関係者が多数いたとしても、不思議ではありません。そうした守旧派勢力が、こうした告発本の陰で暗躍しているとも想像できますし。
結局は、怪しげな告発本止まりでは真相は藪の中でしょう。苦節4年10カ月を経て上場を実現したソースネクストが、この手の噂話は黙殺することを決め込んだとしても不思議ではありません。週刊新潮や読売新聞のようなメジャーなマスコが疑惑の究明に乗り出せば、今や上場企業となったソースネクストも、正式な対応が迫られることになって、新たな進展が見られると思うのですが。
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「驚速」「特打」のソフトで知られる、1996年8月設立の新興会社「ソースネクスト」。
業務上横領、詐欺、有印私文書偽造、特別背任・・・
