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大和証券CMに蛯原友里登場 「エビ売れ伝説」は金融商品でも通用するか?

2007年01月31日

日経新聞朝刊での大和証券のカラー全面広告が、本日で3日間連続の掲載となりました。お堅いはずの証券会社の広告に、起用されているのがタレントの蛯原友里(通称エビちゃん)とくれば、かなりのインパクトを与えてくれます。この時期に連日広告を投入するのは、不正会計処理問題で揺れる日興コーディアルグループの敵失をついて、一気に顧客を奪い取ろうという大和の戦略の一環なのでしょうか? そういうわけで新聞広告に登場したエビちゃんも、いつになくキリリとした表情です。

彼女が登場したCMの効果で商品が売れる現象が「エビ売れ」と呼ばれるほど、エビちゃんは今や広告業界では絶大な神通力を誇っています。しかし、これまで彼女が登場してきたCMは、ファッションや化粧品、食品といった身近な製品が中心だったので、証券会社のCMには若干の違和感を覚えました。そこで、大和証券のHPを調べたところ、彼女のテレビCMもすでに完成していることがわかりました。

蛯原友里(エビちゃん)大和証券CM それも30秒CMが4バージョンも公開中です。

4編のCMは、
・株券電子化
・ダイワダイレクト(オンライントレード)
・ポイントプログラム
・ライフハーモニー(投資信託)
を宣伝する内容になっているのですが.....

どのCMでも、エビちゃん自身は冒頭に商品やサービスの名前を叫ぶだけで、数秒程度の登場場面しかありません。その後は、エビちゃんをCMキャラクターに起用することを巡っての、広告代理店担当者とクライアント企業(つまり大和証券)とのやりとりが続きます。

しかし、なぜ彼女がこのCMに登場する必然性があるのか、といったような真剣な議論ではなくて、「いいね~。エビちゃん」というクライアントの感想に終始する内容です。CMの本来の目的であるはずの商品内容の具体的な説明も一切なしで、ある意味思い切ったCMです。あくまでも受け狙いのイメージアップが目的なのでしょう。

つまり、このCMは「エビちゃんさえ出しておけばOK」、といった昨今の広告業界の知恵のなさを皮肉っているのだと考えられます。「エビ売れ」ブームをパロディ化したCMに本人自らが出演するとは、エビちゃんもたいしたものです。

エビちゃんと同じく雑誌「CanCam」専属モデルの押切もえ(もえちゃん)も、CMで頑張っています。「もえ売れ」といった言葉こそ聞かれませんが、彼女が宣伝するセイコーウオッチの「ワイアード」の販売が絶好調です。2006年4~12月の売上高が前年同期比6割増え、特に女性用は3倍にも伸びました。情報源は、『セイコーウオッチ「ワイアード」――もえさん効果、100%引き出せ』日経産業新聞 2007年1月31日 5面)です。

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ロングテールが席巻する中、チラシ・マーケティングで80:20の法則を実現

2007年01月30日

「続きはWebで」「詳しくは○○で検索」といったネット誘導型のテレビCMが珍しくなくなりました。「nikkeiBPnet NET Marketing」がマクロミルの協力を得て10月に実施した「ネット連動型テレビCMへの反応度調査」によれば、実に6割もの人が「ネットの検索窓へ誘導するテレビCMを見たことがある」と回答しています。

さらに「見たことがある」と答えた回答者の6割が、少なくとも1回以上CMで使われたキーワードでネットを検索した経験があると回答しています。

これらの調査結果は、検索誘導型のテレビCMは有効性を証明するものなのでしょうか? 実は少し注意すべき点がありそうです。もともと自宅からインターネットにアクセスできるユーザのみを対象とした調査なので、テレビCMに誘導された回答者の割合が高くなっても当然でしょう。

この調査が、郵送や電話調査で行われていたとしたら、もっと低い数字になっていたのではないでしょうか? しかし、この点を割り引いたとしても、今後ネットとの連動を狙うタイプのテレビCMが増えてくることは、間違いないでしょう。

ネット連動型のテレビCMが増えつつある中で、先週放送されたテレビ通販最大手の「ジャパネットたかた」のCMは、異彩を放っていました。高田明社長がインタビューを受けるという設定のCMのメッセージは、全編にわたってただ「27」という数字だけを印象づけるものでした。CMの目的は、1月27日の新聞朝刊の折り込みチラシの事前告知にあったのです。

ジャパネットが訴求していたのは折り込みチラシだけで、ネット通販を示唆するようなフレーズは一言もありません。これが27日に配られたチラシです。これでもかというくらいに商品情報が満載された紙面は、昔ながらの圧迫型チラシの見本のような構成です。

ジャパネットたかたのチラシ広告

ジャパネットたかたでも、インターネットでの動画配信などをスタートして、ネット経由の売上げが全体の16%まで占めるようになっています。しかし、同社の顧客特性を考えると、あくまでも主力の広告メディアは、オールドメディアに位置づけられるテレビと折り込みチラシなのでしょう。

その高田社長のインタビュー記事が、日経流通新聞に掲載されました。情報源は、『ジャパネットたかた社長高田明氏――お薦め品、語りで売り切る』(日経流通新聞MJ 2007年1月29日 3面)です。

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26歳の社長の娘を将来の後継者と想定していたヤマダ電機のコンプライアンス

2007年01月26日

不二家の不祥事をきっかけとして、同族経営に対する批判の声が高まっています。単純に、「同族企業=コンプラインス意識が低い企業」、と決めつけてしまうことが危険であることも言うまでもありません。世界のトヨタや松下も、元をたどれば同族企業であったわけですから。

しかし、どんなに規模が大きくなっても、旧態依然とした同族意識から抜けきれない企業があるのも、また事実です。家電量販店売上げトップの東証一部上場企業で、こんな話がありました。情報源は、「50歳で社長」認めず算定、ヤマダ電機賠償訴訟です。

家電量販最大手のヤマダ電機(本社・前橋市)の山田昇社長の長女直美さん(当時26)が02年12月、前橋市内で乗用車にはねられ死亡した事故をめぐり、社長夫妻が男性運転者に対し、慰謝料を含めて計7億2691万円の損害賠償を求めた訴訟の判決が24日、前橋地裁であった。

小林敬子裁判長は男性に6702万円の支払いを命じた。原告の主張する賠償額は、直美さんが将来、ヤマダ電機の社長を継ぐことを見込んで算定したが、同地裁はその特別な事情をくむ認定はしなかった。

03年4月に同地裁で言い渡されたこの事故の刑事裁判の判決では、男性が脇見運転をして赤信号のまま交差点に進入、青信号で歩いて横断していた直美さんをはねるなどして死亡させた、と認定している。

訴状で原告側は、直美さんが入社3年目で、同社の課長職である社長室長だったことから、35歳で取締役、50歳で社長に昇進していたと想定し、将来得られるであろう収入「逸失利益」を5億7215万円と算定。一方、被告側は「全労働者の平均賃金」をもとに計算した4277万円が妥当と主張していた。

将来の社長という主張を排して、請求額の10分の1しか認めなかった判決は、世間感覚から考えても妥当なものではないでしょうか。愛娘を26歳の若さで失った遺族の悲しみは理解できますが、社長の娘なのだから後継者への道が約束されているとして、その分の収入までを逸失利益に見込むのは、かなり無理があると思います。

つい先頃、タレントの風見しんご氏が10歳の長女を交通事故で失うといった痛ましい事件もありました。この場合、長女の逸失利益に将来彼女が有名タレントとしてなった場合に得られるであろう収入分までを織り込むことはできるのでしょうか? 実際に風見氏がそのような損害賠償請求を起こすことはないでしょうし、26歳と10歳という年齢差から、両者の事例を比較するのはあまり意味がないのかもしれませんが。

同族企業の社長の子息がその地位を引き継ぐ確率は、タレントの子供が実力主義の芸能界で成功する確率よりは、はるかに高いのかもしれません。しかしながら、一部上場企業の社長の座は、直系親族という理由だけで確実に承継されるものではありません。後継者を選ぶには、株主や従業員を始めとするステークホルダーを納得させる説明責任とプロセスの透明性が求められるはずです。

損害賠償請求における主張の通りに、山田社長が愛娘の社長就任を既定路線として考えているようであれば、世間の常識とは乖離しているように見えます。店舗基盤が全国に拡大しても、発想の根本は群馬ローカルのヤマダ商店に近いようだ、といった印象を受けてしまうのは、私だけでしょうか?

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Road to Super Bowl? CGM型アフィリエイト動画広告「filmo」がスタート

2007年01月25日

先日の投稿パーソナライズド・アドで堂々と宣伝すればヤラセとは呼ばれないの中で、米国で流行中の消費者参加型(CGM型)広告サービス、「パーソナライズド・アド」を紹介しました。このサービスは、一般ユーザが送った顔写真を本物のテレビCMにはめ込んで、オリジナルのCMを作ってくれるものです。

完成した作品は、自分のブログに貼り込んで愉しむことができますが、プロが制作したCMと一緒にテレビで放映される機会はないので、リーチも限定されています。したがって純粋な意味でのCGM型広告とは、呼べないものなのかもしれません。

しかし、一般消費者からCMのアイデアを公募して、テレビ向けCMを制作する本格的な試みも、米国ではすでに始まっています。その作品が発表されるのが、全米中の注目を集めるスーパーボウルの本放送であると聞けば、そのスケールの大きさに驚かされます。情報源は、あなたのCMを全米ネットで流しませんか? 個人とマス広告のコラボが始まっているです。

アメリカンフットボールの全米プロNo.1を決定する試合、スーパーボウル。今年は2月4日にフロリダ州マイアミで開催されます。毎年9,000万人以上がテレビ視聴する全米最大のスポーツイベントであるこのスポーツ中継は、世界で最も高額なテレビCM枠であり、さまざまな広告主と広告クリエイティブのショーケースとしても知られています。

最近ではTivoのようなハードディスクレコーダーの普及が進む中で、テレビCMはスキップされるのではという声があるのですが、スーパーボウルの中で放送されるCMはむしろ主役の試合以上に注目を集めると言われるほどです。

昨年のスーパーボウルの中の30秒CM枠の平均単価が250万ドル(約3億円)と言われており、この価格は年を追うごとに上がっています。30秒の映像を1回流すのに必要なお金が3億円ですから、さすが世界一高額なCM枠です。

(中略)

広告のプロである広告会社ではなく、消費者にスーパーボウルで放送するCMのアイデアを考えてもらうという試みが広がっています。少なくとも、お菓子のドリトス、自動車のシボレー、そして試合の主催者であるNFL(米ナショナルプロフットボールリーグ)のテレビCMは、何らかの形で消費者からCMのアイデアを募っており、「消費者参加のプロセス」を経て完成したCM作品が放送される予定です。

NFL SUPER BOWL CM

NFLのテレビCMは、昨年の11月にアイデアを一般公募することが発表され、応募を受け付けていたのですが、先日「受賞アイデア」が発表されました。

「NFLファンも、つらいよ(It's hard for us, too)」というニューハンプシャー州在住の男性、ジノ・ボーナさんのアイデアは、7カ月のシーズンオフの間、週末の暇を持て余す熱狂的なNFLファンたちのみじめな姿を描くという作品なのだとか。

アイデアは公募でしたが、実際の制作は業界のプロ中のプロが行います。

監督はCM界の巨匠として知られるジョー・ピトカ氏(Joe Pytka)です。

全部を消費者にまかせるのではなく、ピトカ氏のようなプロフェッショナルと消費者のアイデアをコラボレーションさせることによって、完成度の高い作品に仕上げ、リスクを軽減しているとも言えます。

日本でもこの2月から、ブロガーが企業の依頼に応じてCMを制作するサービスがスタートします。そのスケール感は、スーパーボウルの希有壮大さとは、比べるべくもありませんが... 情報源は、『エニグモ、ブログ開設者にCM制作依頼』(日本経済新聞 朝刊 2007年1月24日 15面)です。

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江副浩正リクルート元会長と和解した朝日新聞のAERAに今度は日経が抗議

2007年01月24日

昨年の1月26日にリクルート創業者の江副浩正氏が朝日新聞社を訴えた損害賠償請求訴訟が、両者の和解という形で決着を迎えました。情報源は、江副元会長と朝日新聞が和解 ライブドア報道でです。

ライブドア事件をめぐる朝日新聞の報道で名誉を傷つけられたとして、リクルート事件で贈賄罪などに問われ、有罪判決が確定した江副浩正元リクルート会長が朝日新聞社に200万円の損害賠償を求めた訴訟が22日、東京地裁で和解した。

和解条件は「朝日新聞社は、江副元会長に取材しなかったのは遺憾との江副元会長の指摘を真摯(しんし)に受け止める」などの内容。

訴状などによると、朝日新聞は昨年1月26日付朝刊の「虚飾 ホリエモン逮捕(下)」の連載記事で、「リクルート事件二重写し」「カネのにおい 突進の果て」との「見出し」で、江副元会長がカネのため手段を選ばないと受け取られかねない記事を掲載した。

朝日新聞社の話「和解内容は、指摘を真摯(しんし)に受け止める趣旨で、記事内容に誤りがあるとしたものではない」

昨年8月に記者が起こした『虚偽メモ事件』などを契機に、「ジャーナリスト宣言」を掲げて信頼回復に向け抜本改革に取り組んでいる(はずな)のが、朝日新聞です。この事件以来、誤報を認めることを覚えた(はずの)朝日ですが、今回は素直に誤りを認めることはなかったようです。

江副氏が朝日の記事の中の問題箇所として指摘したのは、次の一節です。

「新興企業には、『成長の強迫観念』がある」
リクルート出身で、「リスク・ヘッジ」代表の田中辰巳さん(52)は言う。

江副浩正元会長が、政治家や官僚に未公開株を譲渡して逮捕されたのは89年。就職情報誌などが頭打ちになっていた。

「立ち止まることは死を意味する」
事件前、秘書課長だった田中さんは、江副氏が会議の度にそう繰り返していたのを覚えている。不動産や電話回線の再販などへ次々と手を広げ、江副氏のスケジュール帳には、毎週のように政治家との会食が組まれるようになった。

「情報産業じゃなかったのか」
リクルートは、「地上げ屋」と批判されたが、空前の土地ブームに人々は踊った。ライブドアは、規制緩和やベンチャー育成の機運に乗り、株式市場は沸き立った。

「映画のリメーク版を見ているようだ」
田中さんには、2つの事件がダブって見えた。

この記事に対して、江副氏は「立ち止まることは死を意味する」と会議で繰り返し話していたとされている点などを「誤報」であるとし、「一般の読者に、地道に事業に専念せず、虚業を推し進めていたと受けとられる」などと主張していました。朝日側が今回の和解で認めたのは、江副氏本人に確認を取ることなく、田中氏への取材内容だけを元に記事を書いてしまったことに落ち度があったということで、「誤報」であることを認めたわけではありません。

当事者同士が和解してしまったので、真相のほどは永久にわからなくなりました。真相を知る一番の方法は、問題となった江副氏の発言を記者に伝えた田中元総務課長に確かめることでしょうが、それも難しそうです。現在では危機管理の専門家に転身している田中氏は、いまさらこのような争いに巻き込まれたくないことでしょうし。

そもそもリスク管理の専門家を名乗る人間が、自らの発言が嘘つきと呼ばれかねないリスクを招いてしまったことは、皮肉な結果ではあります。今回両者が和解に至ったことで一番ホッとしているのは、田中氏のような気がします。謝罪の達人と呼ばれる田中氏であれば、円満に事態を収拾することができるのかもしれませんが...

こうして江副氏とは和解した朝日新聞社ですが、今度は「AERA」の記事を巡って日経新聞社から抗議を受けました。情報源は、『「AERA」に本社が抗議書』(日経新聞 朝刊 2007年1月23日 38面)です。

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クリスピー・クリーム・ドーナツとマックグリドルのローンチ・マーケティングの違い

2007年01月23日

ハーンバーガーのロッテリアのリニューアルに続き、リヴァンプとロッテが共同事業として展開している「クリスピー・クリーム・ドーナツ」(KKD)の第1号店が、先月15日新宿にオープンしました。「ダンキンドーナツ」の業績不振による撤退、「ミスタードーナツ」の異物混入事件、ダイエット志向の浸透など、ドーナツを取り巻く市場環境が厳しさを増す中で船出ですが、KKDは予想以上の健闘振りを見せています。情報源は、『クリスピー・クリーム・ドーナツの巧みな戦略 ドーナツ復権? 新宿にファン集結』(日経ビジネス 2007年1月22日号 24ページ)です。

東京・新宿、午前7時。出勤姿もまばらなこの時間から、サラリーマンやOL、学生、外国人と様々な人が、まるでディズニーランドのアトラクションを待つかのごとく、行列を作る店がある。

クリスピー・クリーム・ドーナツ 昨年12月15日にオープンした米国で人気のドーナツチェーン「クリスピー・クリーム・ドーナツ」の新宿サザンテラス店だ。

オープン以来、連日朝7時の開店から午後11時の閉店まで、常時100人程度の行列が絶えない盛況ぶり。待ち時間は平均で1時間~1時間半。それでも1日平均3,000~4,000人ほどの客が、今でもドーナツ目当てに訪れている。

初物好きの日本人ならではの光景と割り引いて考えたとして、この寒空の中でドーナツ目当てに1時間以上も並ぶ行列は、KKDの人気が高いことの証拠でしょう。ロケットスタートを切ったKKDの1号店オープンの成功の裏には、米国流の周到なマーケティング戦略がありました。

新宿店がオープンする10日ほど前、東日本旅客鉄道(JR東日本)本社ビルや、マイクロソフトが入る小田急サザンタワーなど、新宿の主要なオフィスビルにドーナツが届けられた。すぐにできる黒山の人だかり。「知ってる。海外で人気だよ」「おいしい!」といった声がさらに人を呼び話題となった。

これは、クリスピーが新規出店の前に必ず行う「ドーナツ・ドロップ」という施策。オフィスだけではなく、新宿の路上でもワゴンを引いて通行人にドーナツを配った。

1週間ほどで配ったドーナツは合計7,000ダース。これを食べた数万人の口コミが、新宿店のスタートダッシュを支えたのだ。

地域密着型の口コミ基本としたKKDのマーケティング戦略の効果を調べるために、kizasiで「クリスピー・クリーム・ドーナツ」を検索してみました。

kizasi検索 クリスピー・クリーム・ドーナツ

リアル店舗の盛況ぶりとは違って、ネットでも口コミが爆発的に盛り上がっている、とは言えないようです。新宿に1号店ができたばかりでは、KKD日本上陸もネット全体を席巻するほどの全国的にホットな話題になっていないのも、ある意味当然かもしれません。

今後5年間で首都圏限定の30~50の出店を計画しているKKDでは、短期間での地方展開を予定しているわけではありません。したがって、仮に現時点での地方での口コミが盛り上がっていないとしても、同社の事業計画に大きな齟齬が生じるものでもないでしょう。

続いて、ブログの記事を集計して口コミの好感度がわかるBuzzTunesでも調べてみました。

BuzzTunes検索 クリスピー・クリーム・ドーナツ

こちらの方でも、書き込み件数自体はあまり多くありません。BuzzRank(クチコミ好感度)は5.9です。世間を騒がしている不二家の好感度は2.5と比べて、2倍の好感度があることになります。

元々、私自身は書き込みの内容を機械的に分析する、この種のサービスの信憑性には懐疑的でした(ブログで好評・悪評を判定するBuzzRankはホメ殺しは理解できる?)。今回の結果を見ると、こうした評価もそれなりに妥当かもしれないと思えてきたりします。第一印象とはいい加減なものかもしれません。

このクリスピー・クリーム・ドーナツ日本法人の社長は、日本マクドナルド出身の香坂伸治氏です。そのマクドナルドは、KKDのオープンのちょうど1ヶ月後の1月15日に新製品「マックグリドル」の販売を開始しました。情報源は、200円から…新・朝マックは「甘さ&塩味」です。

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中国で偽ブランド訴訟に勝ったスターバックスがなぜか韓国では敗北

2007年01月18日

中国の偽ブランド業者を相手取って起こした裁判で、スターバックスが勝訴したことを以前お伝えしました(YouTubeにある政府の偽ブランド品撲滅キャンペーン広告の効果は?)。しかし、お隣の韓国では完敗です。情報源は、商標訴訟:韓国最高裁が示した「パクっていない理由」とはスターバックス、商標訴訟で敗訴です。

世界的なコーヒーチェーン店のスターバックスと韓国企業が争った「商標模倣」論争で、最高裁判所は韓国企業に軍配を上げた。最高裁判所第1部(主審:ヤン・スンテ最高裁判事)は、米シアトルに本社のあるスターバックス社が「広く知られているスターバックスの登録商標を模倣した」として、韓国でコーヒーチェーン店を展開する株式会社エルプレヤを相手取り提訴した商標登録無効請求訴訟の上告審で、スターバックス敗訴という1・2審を確定したことを12日、明らかにした。

starbucks korea スターバックスは2003年12月に特許審判院に「STAR PREYA」商標の登録を無効にするよう請求したが、審判員は「類似商品とは見なせない」とし、これを拒否した。控訴審を担当した特許裁判所も、2005 年3月に「双方の商標の“STAR”部分は一般的単語で、識別力はかなり弱く、スターバックスは“人魚”、スタープレヤは“女神”の図柄であるため、類似商標とは見なせない」という判決を出した。

また、特許裁判所は「エルプレヤが商標登録を行った時点で、スターバックスの店舗はソウルの6カ所しかなく、メディア報道も18回ほどだった」と、韓国で名前が知れ渡っていた状態とは断定できないと判断した。最高裁判所はこうした特許裁判所の判断をそのまま認め、確定した。

判決理由として韓国の特許裁判所が指摘している、「双方の商標には類似性がない」「スタバは韓国では一般に周知された著名ブランドではなかった」には、かなり無理があります。この判決を知った日本人は、当然ながら一様に呆れています(痛いニュース(ノ∀`))。

知財権の保護に関しては、当然中国よりも韓国の方が進んでいると想像していたので、そうした点からもまったく意外でした。今回の判決は、韓国での根強い反米・嫌米ムードの反映なのでしょうか?

知財立国を標榜する日本では、さすがにスタバの類似商標に関する裁判はないようです。しかし、米国スターバックス本社との間でドメイン名(starbucks.jp)を巡る紛争(ADRの一種)は起きていました。なお、ADR(裁判外紛争処理)とはAlternative Dispute Resolutionの略で、仲裁、調停、あっせんなどを代表とする、裁判によらない簡易迅速な紛争解決方法のことです。

このJPドメイン名紛争処理では、昨年末に申立人の米国スターバックス本社側が、ドメイン名の移転裁定を勝ち取って決着しています。そもそも前登録者は、starbucks.jpのドメイン名を使って何をしていたかというと、想像通りのパターンです。

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ドメイン名「2ch.net」が差し押さえられ、かたや一銭の見返りもない「防衛省.jp」

2007年01月16日

2ちゃんねるのドメイン名が差し押さえになったことが大きな話題になっています(「2ch.net」ドメイン差し押さえ?)。

今回の仮差し押さえは、西村氏個人はもとより、1000万人ともされる2Chユーザーにも大きな影響を及ぼす公算が大きい。東京地裁の「値段がつくものは差し押さえ可能」との判断から、「日本国内では前代未聞」(ドメイン登録機関)とされるドメインの仮差し押さえも行われるからだ。

手続きが進んでドメインの所有権が移り、2Chというサイトがネット上の住所を失ってしまうと、ユーザーが従来の「2ch.net」にアクセスしても、何ら閲覧できなくなる。

ドメイン名は所有権であるようにこの記事では書いていますが、ドメイン名はあくまでも登録して使用しているだけなので、所有権というのは厳密には間違いでしょう。2ch.netのようにアクセス数の多い著名なドメイン名に、経済的な価値があることは確かなことではありますが。

ことほどさように、ドメイン名を巡る権利関係は分かりにくいものです。2ch.net差し押さえの顛末を知りたくなった人が向かう先は、専門家である法律家の見解です。そういった状況の中で、ネットに詳しい弁護士がちょっとした意見をブログに書けば、アクセス数が急増するのも当然でしょう。

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ソニーがロケフリ製品向けにプレイスシフト(placeshift)を商標登録

2007年01月13日

先日の投稿で、ユニクロが「すててこ」をカタカナの「ロングトランクス」というネーミングにしてネット限定販売したところ、完売続きで大成功した話題を紹介しました(ネーミングの罠「すててこ・ロングトランクス」と「個人請負・IC」)。今度は、ソニーがテレビ映像をネット経由で外部から視聴できるようにする製品、「ロケーションフリー(略称ロケフリ)」iconに、新たなキャッチコピーを導入してマーケティング展開することを明らかにしました。情報源は、『「placeshift」、ソニー、商標登録』(日経産業新聞 2007年1月11日 13面)です。

ソニーはテレビ放送をインターネットで転送する技術に関連する造語「placeshift(プレイスシフト)」を日本国内で商標登録した。自宅で普段見ている番組をネットを使って国内外など場所を問わず視聴可能にする専用機器「ロケーションフリー(ロケフリ)」の概念を日本で浸透させるのが狙い。

ロケフリ機器の市場は、都市によって番組が大きく異なる米国で先に広がっている。日本でも利用を促すには「一般消費者に機能を分かりやすく説明する必要がある」(LFX事業室の前田悟室長)とみており、今後、プレイスシフトを広告のキャッチフレーズなどに活用するとみられる。

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この記事を素直に読むと、ソニーは「ロケーションフリー」よりも「プレイスシフト」にした方が、「一般消費者に機能をわかりやすく説明できる」と考えていることになります。英語の「placeshift」という言葉は、動詞として通用しているので、欧米圏では一定の効果が期待できるのは、確かでしょう。今後は、日本でも「ロケーションフリー(R)はソニーのシフトプレイス(R)製品」といったようなコミュニケーション戦略を展開して行くことが予想できます。

しかし、ロケーションフリーという言葉は、これまでのソニーのマーケティング努力もあり、日本ではそれなりに浸透しているのではないでしょうか? すでに「ロケフリと言えばソニー」という印象が強かったので、今回の決定はマーケティング・コミュニケーション戦略上でも、混乱を引き起こすことが懸念されます。

さらに、いまさら日本人にとっては聞き慣れない「プレイスシフト」という言葉を持ち込むのは、現状での高いブランド想起率のアドバンテージ(ロケフリと聞いて最初に思いつくブランドがソニーとなる確率が高い)を、わざわざドブに捨てるようなものではないでしょうか?

また、この年末にはスカイパーフェクト・コミュニケーションズ(スカパー)でも、1つの契約で複数の部屋でも視聴できるように、ソニーのロケフリ製品の販売を始めたばかりです。そのキャッチコピー「チューナーは1台でOK!他の部屋でもスカパー!が楽しめる”ロケーションフリー(R)”登場!」でも、商標であるロケフリを全面的に打ち出しています。

このタイミングでの戦略転換には、どうも解せない部分も多いように思います。実は「プレイスシフト」というコピーを導入した本当の理由は、この記事の後段部分に隠されていました。

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パーソナライズド・アドで堂々と宣伝すればヤラセとは呼ばれない

2007年01月11日

この前の投稿「ブログのヤラセとドキュメンタリーの仕込みとの間のグレーゾーン」に続いて、ブログを利用した口コミマーケティングの話題を取りあげます。このブログはシックス・アパート社のMovable Typeを利用していますが、同社の日本代表自らが、広告メディアとしてブログを活用する有効性を説いています(クチコミを生かす早道はWebサービスとの連携)。

であれば、アフィリエイト広告こそがブログのメインのコンテンツである、と考えるユーザが増えてきても、不思議ではありません。しかし、依頼元の企業の名前を隠したまま、通常の投稿を装って企業に有利な宣伝文句を書き連ねれば、ヤラセブログとの避難を浴びて、最悪の場合ブログが炎上する事態を招いてしまします。

すでにこの種のヤラセブログによる口コミマーケティングが大きな社会問題となっている米国では、政府が本格的な規制に乗り出す動きも見られ始めました。情報源は、Web2.0型消費者主導の口コミ広告に規制の動きが始まる米国です。

米国のFederal Trade Commission(連邦取引委員会、日本の公正取引委員会に対応する組織)では、「商品の口コミプロモーションにおいてブログなどで口コミを行った消費者に口コミ手数料を支払うタイプのマーケティングを行う企業は、その旨を開示しなければならない」といった議論が始まっています。

これまで、スポンサー付きブログやSNSなど、口コミマーケティング目的のスポンサー付き投稿は、法律上の問題はないが倫理上の問題があると数多くの指摘が行われてきました。

例えば、マイスペースが作るマーケティング用のコミュ二ティは、キャラクターを活用しているものがあります。そこでハンバーガーチェーンが「キャラクターであるキングバーガーの友達の輪に入ろう」というマーケティングを行い、10代の多くの子供たちが参加しました。

しかし、これに対しては「子供達をだましてビジネスに取り込むハーメルンの笛吹きだ!」といったトーンでの批判が一部で出ています。また、PPP(PayPerPost)などのサイトでは、参加者が企業から委託を受け、手数料をもらって商品宣伝のブログを書くことが奨励されています。その結果、極端な場合には商品を一度も使ったことがなくても、商品を褒めそやす中身の薄い、同じようなブログが氾濫する傾向が指摘され始めています。


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ネーミングの罠「すててこ・ロングトランクス」と「個人請負・IC」

2007年01月11日

本日の日経流通新聞(2面)によれば、ユニクロが「すててこ」を「ロングトランクス」という呼称で、ネットに限定して売り出したところ、好評で完売続きになっているそうです。

ロングトランクス(ウインター)

ネーミングが変わっただけでヒット商品になるとは、まさにマーケティングの妙というものでしょう。

さて、雇用の多様化の結果近年増えつつある就労形態の1つが、「個人請負」です。その過酷な労働実態が、今週発売の週刊東洋経済にレポートされています。情報源は、『雇用破壊-「個人請負」という名の悲惨-「労働者」の権利を持たない労働者たち』(週刊東洋経済 2007年1月13日 54~57ページ)です。

委託契約社員、業務委託契約――。名称はさまざまだが、これらはすべて「個人請負」だ。個人請負とは、ある個人が企業から業務を請け負って働くことを指す。ほとんどは1社専属で、他の社員と同じように働いているため、契約社員と混同されがちだが、位置づけは個人事業主、自営業者。

身分は自営業者なので、労働基準法、労災保険法などの労働法がいっさい適用されない。残業手当、有給休暇はなく、業務災害による傷病でも一部を除き労災保険は給付されない。「解雇」制限もなく、職を失っても失業保険が給付されない。年金、健康保険は全額自己負担で国民健康保険、国民年金に加入する。企業にとっては、事業主負担部分である法定福利費を払う必要がない。

個人請負で働く人は近年急増しており、一説には全国で50万人とも70万人とも200万人ともいわれている。だがこの分野を正確に把握する公的統計や調査は存在せず、市場規模、就業実態など、その全体像は依然あいまいなままだ。職種は多種多様だが、最も身近なところでは、都心部を中心に最も速い配送手段として活用されている「バイク便」のライダーや、日々オフィスを回って乳製品を販売する「ヤクルトレディ」などは、ほぼ全員が個人請負だ。

この後の記事では、バイク便ライダーとヤクルトレディの労働実態が詳しく述べられています。完全歩合制のため、バイク便が月収20万円、一番稼ぐヤクルトレディでも25万円で、その過酷な労働条件と比較すれば、割のいい仕事ではありません。さらに各種社会保険もないために、事故や病気が原因で就労できなくなれば無収入に陥る不安も、常につきまといます。

このように会社との間で個人が業務委託契約を結んで就労する形態は、米国では「インディペンデント・コントラクター(IC)と呼ばれ、900万近いICが存在すると呼ばれています。このICの日本での普及とサポートを行っている団体が、「インディペンデント・コントラクター協会」です(インディペンデント・コントラクターは新しい雇用形態として定着するか)。

同協会の秋山進理事長は、団体の設立主旨として、次のように述べています。

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ワード

ブログのヤラセとドキュメンタリーの仕込みとの間のグレーゾーン

2007年01月10日

本日の日経産業新聞の1面を飾ったのが、「BR」という聞き慣れないタイトルの記事でした。Blogger Relation(ブロガー・リレーション)の略がBRで、米国の企業ではPR手法の1つとして、BRが注目されているという内容です。情報源は、『PRからBRへ(ウェブが拓くBizスタイル2.0)』(日経産業新聞 2007年1月9日 1面)です。

シリコンバレーの中央部に位置するカリフォルニア州サニーヴェイル。民間のベンチャー支援施設「プラグアンドプレイテックセンター」の一室に、テックダートのオフィスがある。ブログ(日記風の簡易型ホームページ)を活用した企業向けコンサルティングを手がける社員14人の同社が2006年10月に始めた新サービスが、大企業の間で話題を呼んでいる。

「通信」「コンピューターセキュリティー」「企業向けソフト」などテーマ別に分けられたリストには、各分野の市場動向や技術に精通したブロガー(ブログの書き手)約250人の名前が並ぶ。「テックダート・インサイト・コミュニティー」と名付けられたこのサービスは、ブロガーたちと直接対話したい企業にその機会を提供するユニークな試みだ。

「企業は既存の調査会社やアナリストが提供するありきたりの製品評価や市場分析では満足しなくなっている。一方で爆発的な勢いで増えているブロガーの中には特定の製品やサービス、技術の動向について優れた洞察(インサイト)を持っている者が少なくない。両者を橋渡しする仕組みができればおもしろい」。自らもシリコンバレーで有名なブロガーであるマイク・マスニック最高経営責任者(CEO)はサービスの狙いをこう語る。

これまでにIT(情報技術)関連企業を中心に10社が採用。「非常に率直で示唆に富む意見を聞くことができる」(ベリサイン)、「影響力のあるブロガーと定期的に意見を交換できる貴重な機会」(SAP)などユーザー企業の評価も高い。

独自の基準によって選ばれたブロガーたちは報酬を参加企業から受け取る仕組みだが、「多くのブロガーはお金のためというより、関心や知識のある分野の企業の人間と知り合えたり自分の見解をほかの人と分かち合い、見識を深められることに魅力を感じている」とマスニック氏。

日本でもブロガーと企業の橋渡しをして、記事の材料を提供するサービスは、かなり普及しています( 各種サポートサービスは充実してきたが、プロブロガーへの道は遠い)。具体的には、以下のようなサービスです。

この種のサービスの日本での位置づけは、アフィリエイトの亜種としての小遣い稼ぎの側面が強く、ユーザの意見を企業の製品開発に反映させる手段といった認識は、はなはだ希薄のように思われます。

こうして生まれた企業とブロガーとの関係が度を超すと、いわゆる「Flog(Fake Blog:企業に雇われていることを隠す、あるいは偽ってブログをすること)問題」が起こります。情報源は、『「やらせ」記事で逆効果(ウェブが拓くBizスタイル2.0)』(日経産業新聞 2007年1月9日 2面)です。

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