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YouTubeにある政府の偽ブランド品撲滅キャンペーン広告の効果は?

2007年01月09日

中国の胡錦濤国家主席が愛飲するのがスターバックスです。そのスタバが上海で同社の社名やロゴなどをまねて営業しているとして、地元業者と争っていた裁判で勝訴しました。情報源は『「スターバックス」の商標侵害、上海業者に名称変更命令』(日本経済新聞 2007年1月6日 7面)です。

上海市高級人民法院は地元業者の行為を商標権侵害と認め、名称変更などを命じる判決を言い渡した。

スターバックスは2008年に下級審で勝訴。地元業者がこれを不服として、逆に本家を訴えていた。二審制の中国では今回の判決で本家の勝訴が確定したことになる。

敗訴したのは「上海星巴克珈琲館」。「星巴克」は中国語で「スターバックス」を意味する。店舗に社名やスターバックスに似たデザインのロゴなどを掲げているとして、本家に訴えられた

今回のスターバックスの勝訴は、たまたま胡錦濤が同ブランドのお気に入りだったからではありません(中国国家主席も愛飲するスターバックスを悩ますエチオピア問題)。中国は2001年のWTO加盟以降、諸外国から批判の多い偽ブランド対策への取り組みを強化しています。

その批判の急先鋒となるのが他ならぬ米国政府です。マスコミの注目も集めやすいスタバ勝利の判決は、対米アピール効果を狙ったからという見方もできそうです。

しかし、当の米国政府がこの程度のことで満足することはないでしょう。知財権の権利保護が一向に進まない国として、中国を名指しする姿勢を、この年末にもさらに鮮明に表明しています。情報源は知財権 米「中国の侵害深刻」 著作権ビジネスでは9割です。

米通商代表部(USTR)は11日、米議会に提出した中国の世界貿易機関(WTO)加盟5周年の年次審査報告で、中国での模造品製造や著作権侵害など知的財産権(IPR)の侵害が、「米国のあらゆる分野の産業に深刻な経済的被害をもたらし、容認しがたい」と厳しく糾弾した。

ソフトの不正コピーによる被害は2005年で12億7,000万ドルと試算。中国の著作権ビジネスの9割前後は侵害にあたるとみている。加えて、米国境で差し押さえたコピー製品の69%、8,720万ドル相当は中国から流入したものという。

報告書は、IPR侵害が横行する要因として、中国の法令順守意識が希薄なことを指摘。違反事案に対する刑事捜査、違反者の起訴などに対する司法当局の腰の重さや、罰金など刑事罰の軽さも問題視し、「侵害者に安全な隠れ家をつくっている」と厳しく批判した。

米国と同じように中国による知財権侵害の被害者である日本は、米国並に中国を厳しく非難できるのでしょうか? 事情はそう単純ではありません。外国製の偽ブランド品の最大の購買者は日本人であり、こうした違法ビジネスの横行を助長している元凶が日本だ、と批判する欧米諸国も少なくないからです。

日本政府も、偽ブランド品購入を防止するために、2003年から「模倣品・海賊版撲滅キャンペーン」に取り組んでいます。しかしながら、現在まではかばかしい成果があがっていないのが現状です。そこで予算を増額し、テレビCMの投入にも踏み切りました。情報源は、ニセモノ撲滅に23億円 予算案で政府倍増です。

「あなたが旅先で買うコピー商品の売り上げの一部が組織犯罪に使われ、知らないうちに犯罪に加担しています」。政府は先月、こんな刺激的な説明を添えたテレビCMで、海外の露店で有名ブランドらしきバッグを買う日本人女性の映像を流した。

思い切ったCMは政府の焦りを示している。キャンペーンに本格的に取り組み始めた04年度に12億円だった関連予算は、07年度予算案では23億円へとほぼ倍増した。しかし、昨年7月の政府の世論調査では「正規品より安い」などの理由で偽物購入を容認する人は45.2%に上り、04年の46.9%からほとんど変わっていない。

昨年12月13日にソウルであった知的財産権の取り締まりに関する国際会議では、有名ブランドを多く抱える欧州連合(EU)から「韓国の露店などで模倣品を買う99%は日本人旅行者。日本政府は対策を講じているのか」と強く批判された。

これがそのテレビCMです。

「偽ブランド品販売が組織犯罪者の収入源」なので「買わないでね」、というのがこのCMのメッセージです。「偽ブランド品の購入は知財権の侵害に加担することになる」という、ストレートなメッセージではありません。「売春はヤクザの収入源」なので「買春しないでね」、というロジックと同じです。本質を外れている(外している)ように思えるメッセージでは、あまり効果も期待できないのではないでしょうか?

さて、興味深いのは「模倣品・海賊版撲滅キャンペーン」のCMが、YouTubeに投稿されていることです。投稿者は個人で、CMの著作権は侵害されていると思われます。政府はこの投稿の削除をYouTubeに依頼すべきでしょうか?

どうせなら政府が自分で投稿すべきでしょう。その方が日本政府も一所懸命に取り組んでいる対外アピールにもなるはずです(結果はともかくも)。ちなみに米国政府は麻薬撲滅広告を自らYouTubeに投稿しています。

最後にスターバックスの話題に戻します。中国では勝訴したスタバも、本国では競争妨害行為があったとして、同業の珈琲店主から訴えられています。


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