Wikipediaに百科事典としての100%の信頼性を求めることで失うものは?
2007年02月02日
ヤフーが毎年実施している『Web of the Year 2006』の年間総合大賞に輝いたのは、オンライン百科事典のWikipediaでした。大賞に選ばれただけあって、日本でのWikipediaの利用も思いの外進んでいます。情報源は、『ウィキペディア、信頼も蓄積を』(日経産業新聞 2007年2月1日 1面)です。
インターネットコムなどが2006年12月に実施した調査によると「調べものに利用する」という能動的な利用者が62.2%にのぼり、「検索結果に出たときに利用する」という人を上回った。昨年4月調査結果と比べ逆転した形で、認知度向上に伴う新しい利用法が定着してきた。
昨年12月の利用者数は1,294万人と1年で2倍以上に(ネットレイティングス調べ)。ウィキペディアのデータを利用した検索サービスなど人気をあてにした関連ビジネスも登場している。
ただ、事典の信頼度については「まあまあ信頼」という回答が77.6%にのぼる。30万項目を超える巨大化が進む中、「調べものはまずウィキから」という期待に応えるには、内容の正確さを担保する仕組みの充実も今後必要になりそうだ。
先日開かれた「世界経済フォーラム」(通称「ダボス会議」)に集まった記者の間でも、Wikipediaを巡ってこんな内輪話がありました。情報源は、「Web3.0」という言葉はウィキペディア社会で禁止されているって知っている?です。
オンライン百科事典のウィキペディアは「Web2.0」を代表する企業の1社。あるセッションで、スピーカーの1人はWeb2.0現象のことを、「どこかにいる賢い人、それも名前を知らずに済み、カネを払わずに仕事をしてくれる人を利用することだ」と表現してみせた。
だが、ウィキペディアはどうやらダボスのパネリストよりも、ウェブ2.0の先を議論したがらないようである。スタンフォード大学教授でニューヨーク・タイムズ紙のコラムニストを務めるジョン・マーコフ氏は、「Web3.0」という言葉がウィキペディア社会で禁止されていると指摘した。
実際、ウィキペディアでWeb3.0という言葉を確かめてみると、「消去され、再生を防ぐために保護されている」との文言が出てくる。言い換えると、我々は将来を見たが、人には見させないということか。
これが問題の「Web3.0」ついての記述です。
以下のような議論を経て、「Web3.0」は削除・再書き込み禁止となりました。
いまだ実体のないものについて曖昧な推測記事を書くことはまかりならん、ということのようです。もはやWikipediaが完全に百科事典と認知されるようになった以上、過去の事象と、ある程度評価が定まりつつある現在進行中のものしか掲載できないわけです。日本語のWikipediaでも、現在進行中の項目に関しては自己責任原則で利用するように警告しています。
洋の東西を問わず最近の学生は、Webのコンテンツをそのままカット&ペーストして、レポートを作成することが多いようです。「Web3.0について自らの考えを述べよ」といった課題をもらった学生の多くは、何の疑念を持つことなくWikipediaの「Web3.0」の項目を「事実」としてそのままコピーしてしまうこともありえるでしょう。そんな問題を避けるために、特定の個人の推測に近い項目は削除するポリシーが取られているのではないでしょうか?
ところで日本語の「Web3.0」はこうなっています。
「スタブ未満」という理由で即時削除となっていますが、そのスタブ段階の書きかけの内容がまだ残っています。「Web 3.0(ウェブ サンテンゼロ)とは ~ まだ内容については固まっていない」という記述は、確かにこのまま残しておく価値もありません。なお、ここで使われているWikipedia独特の用語「スタブ」には、みんなで作り上げていくというWikipediaの精神が反映されています。
Wikipediaに完全な百科事典としての役割を期待するのであれば、「Web3.0」のような曖昧な項目が削除されてしまうのも、いたしかたがないことなのかもしれません。しかし、個人的には単なる憶測レベルでも、種々雑多な情報が載っている方が、Wikipediaの魅力が増すように思うのですが。。。もちろん、内容の真偽を判断するのは自己責任ということで。私のWikipediaへの基本的な期待値は、「みんなの意見」は案外正しいレベルぐらいです。
【おまけ】
現在は「東国原英夫」で検索すると、「そのまんま東」にリダイレクトされる関係が、近い将来逆転することになるでしょう。
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インターネットコムなどが2006年12月に実施した
ただ、事典の信頼度については「まあまあ信頼」という回答が77.6%にのぼる。30万項目を超える巨大化が進む中、「調べものはまずウィキから」という期待に応えるには、内容の正確さを担保する仕組みの充実も今後必要になりそうだ。







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