誰もが憧れる働きやすい会社No.1グーグルでさえ辞める人間は後を絶たない
2007年03月20日
Great Place to Work(R) Institute Japanが第1回日本版の「働きがいのある会社」を20社発表しました。
1位.リクルートエージェント (人材紹介業)
派閥がなく、職場では笑いが絶えません。経営陣に対してもちゃんと意見が言える環境が整っており、新しいチャレンジも奨励されています。2位.モルガン・スタンレー証券 (証券業)
「歯車として」ではなく、「1人の人間として」扱われていると肌で感じられ、責任が委譲され思い切った仕事が出来ます。3位.マイクロソフト (ソフトウエア・関連製品)
自由な発言が出来ます。目的意識の強い人や前向きな人には自己を磨くのに最適な会社です。
伝統ある「Great Place to Work」(GTW)ランキングの、初の日本版で堂々3位に入って健闘したのが、マイクロソフトの日本法人です。しかし、本家米国版の「100 Best Companies to Work for 2007」では、マイクロソフトは50位に甘んじています。米国版のトップを飾ったのは宿敵グーグルでした。
「働きやすい会社No.1」の選ばれたグーグルはその人気を利用して、急拡大するサービスを支える人材を積極的に採用しています。グーグルとの間で人材獲得競争が熾烈化する中、スタンフォード大学での講演会に現れたマイクロソフトのスティーブ・バルマーCEOは、なりふり構わないグーグルの姿勢を痛烈に批判しています。(MSバルマーCEO、Googleの人材乱獲を批判)。
バルマー氏はインターネットの宿敵Googleにも言及し、オンライン検索事業のその先のベンチャー事業では、たいした吸引力を発揮できていないと批判した。Googleは1年で陣容を2倍にするつもりだともバルマー氏は言い、「わたしに言わせれば正気とは思えない。それぞれ違うことをしている人間を無作為に集め、価値を創出できることを示した者などいないだろう」
IT分野の優れた人材獲得をめぐる競争は厳しい状況になっているとバルマー氏。「かつてなかったほどに人材争奪戦が激化している。最高の人材を獲得することは、当社にとって依然大きな課題だ」
我が国でも優秀な学生が、続々とグーグル本社に入社する動きが見られます。グーグルが世界中の優秀な人間を一本釣りする手段として活用しているのが、「Google Code Jam」と呼ばれるプログラミング・コンテストです。情報源は、東大の「産業総論」で露呈 日本人の知力崩壊が始まったです。
国際的なプログラミング・コンテストは、ACM/ICPC以外にも、巨大IT企業がスポンサーになって、いろいろ行われているが、その本当の狙いは、コンテストを通じて若手の優秀な技術者をいち早く発見して囲い込んでしまおうというところにある。
T・S君も、そういうコンテストの中でも有名なグーグルが主催する“Google Code Jam”というコンテストに参加したところ、予選で優秀な成績をおさめたので、ニューヨークで開かれた本選会に招待された。そこには書いてなかったが、もちろん、招待というからには航空運賃もホテル代も向こう持ちだろう。
向こうでは、グーグルの本社に招待されて、その技術力とか素晴らしい労働環境(つい先だって、NHKでグーグル本社内の様子を紹介するドキュメンタリー番組があって、その夢のような労働環境の一端が紹介されていたが、あれである)とかをいろいろ紹介された。
帰国してからも、向こうから次々にリクルーティングの働きかけ(具体的には書いてなかったが、給与の提示も日本の企業とはくらべものにならないものがあったはず)がつづいているという。
そういうプロセスを経て、情報に強い優秀な人材はいまどんどん外資系企業に引き抜かれつつある。今年、東大の情報系のいちばん優秀な人材が集まっている情報科学科の修士課程卒業生のトップグループはドサッとまとめてグーグルに抜かれてしまったという。
それでは、優秀な人材は皆グーグルへ向かうという一方通行の流れしかないのでしょうか? 実は幹部クラスの人材がすでにグーグルを退社する、といった逆方向の流れも見られ始めています。例えば、先月末にはCBSがグーグルの広告担当幹部の引き抜きに成功しています。さらに3月には、はてな米国法人取締役に元グーグル日本担当マネージャーが就任しました。
はてなの全額出資子会社で、米シリコンバレーを拠点に開発業務を手がけるHatenaは3月15日、14日付けで取締役にRichard Chen氏が就任したことを発表した。
Chen氏は、カリフォルニア大学バークレー校において政治経済の学士号、同ハース・スクール・オブ・ビジネスにおいて経営学修士(MBA)を取得。英語、日本語が堪能で、2002年より約5年間にわたり、Googleのシニアビジネスプロダクトマネージャーとして、日本市場戦略立案・事業構築を Google米国本社サイド責任者として指揮し、2007年1月に同社を退社した。
日本市場におけるアドワーズ事業およびアドセンス事業の構築を担当、グーグル日本法人の立ち上げと拡充にも関与したという。また、グローバル市場を対象としても、アドワーズ事業およびアドセンス事業の戦略提携開発、Googleニュース、Googleビデオ、Googleブック検索など新規サービスの立ち上げなど、国際化を指揮したとしている。
この2人は、なぜ「働きがいのある会社No.1」を離れることを選んだのでしょうか? 偶然かもしれませんが、この2人は純粋な技術者ではなく、広告関連の幹部です。技術者にとっては天国のグーグルでも、マーケティングのキャリアを追求しようとする人材には、物足りないところがあるのでしょうか? 本当の事情はわかりませんが、グーグルでさえ人材を引き留めることができない事実こそが、米国社会のダイナミズムを生んでいることは、間違いないでしょう。
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