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グーグルが提供する豪華な福利厚生は羨ましい限りではあるが...

2007年03月22日

誰もが憧れる働きやすい会社No.1グーグルでさえ辞める人間は後を絶たないに関連した話題です。Knowledge@Whartonに、グーグルが従業員向けに提供しているPerk(給与以外の福利厚生)のことが、詳しく取り上げられました。グーグルのシニア・プロダクト・マネージャのKallayil氏は、同社の福利厚生メニューついて、電話インタビューで次のように語っています。 情報源は、"Perk Place: The Benefits Offered by Google and Others May Be Grand, but They're All Business"です。

"Let me pull this up because there are so many," he says. When his computer produces a list a moment later, Kallayil makes his way down the screen and continues: "The free gourmet food, because that's a daily necessity. Breakfast, lunch and dinner I eat at Google. The next one is the fitness center, the 24-hour gym with weights. And there are yoga classes."

There is a pause before he adds that he also enjoys the speaker series, the in-house doctor, the nutritionist, the dry cleaners and the massage service. He has not used the personal trainer, the swimming pool and the spa -- at least not yet, anyway. Nor has he commuted to and from the office on the high-tech, wi-fi equipped, bio-diesel shuttle bus that Google provides for employees, but that is only because he lives nearby and can drive without worrying about a long commute.

数ある豪華な役得をまとめると、こんなものがあるようです。

  • 朝昼晩の食事
  • 24時間利用可能なジム
  • 個人トレーナー
  • プール、スパ
  • ヨガ教室
  • 医者、栄養士
  • クリーニング
  • マッサージ
  • シャトルバス .....

Kallayil氏が男性であるため言及していませんが、これ以外にも託児所等の施設も完備しています。衣食住のすべてのカテゴリーをカバーするグーグルの福利厚生は、まさに至れり尽くせりです。

しかし、グーグルも何の理由もなく、従業員に大盤振る舞いをしているのではありません。記事ではその目的として、次のようなものを挙げています。

  1. 優秀な人材を採用する
  2. 食事や雑用の時間を減らして長時間働かせる
  3. 従業員を大切にしていることを目に見える形で示す
  4. 従業員が他社に移るのを引き留める

部外者には至れり尽くせりとも思えるグーグルの福利厚生策も、従業員が雑用で会社を離れる時間を惜しむほど業務量が多いことの裏返しであるとわかれば、羨ましさも半減と言ったところでしょうか。

さらに記事では、こうした施策もすべての従業員にとって魅力的なものではないだろう、と指摘しています。これは24時間アクセスできる電子メールや携帯電話の普及が、米国人のプライベートな時間を奪いつつあることと関係しています。

Wharton's Rothbard points out that the advent of new communications technologies -- e-mail, cell phones and personal digital assistants -- have blurred the lines between the workplace and the home for many people. This rapid change has called attention to two types of employees: integrators and segmentors.

こうした労働環境の変化が、公私の時間を明確に区分しようとはしない労働者(integrators)と、厳密に区分するライフスタイルを好む労働者(segmentors)といった意識の分化をもたらしています。日本語に当てはめれば、前者は「仕事人間」でしょうか? 私生活が会社に完全に従属してしまうと「社畜」となります。

Perks like Google's appeal to integrators, people for whom work life and home life have little distinction. These are the employees who like to plug into the wi-fi system on Google's commuter bus and do work as they ride to and from the office; who check office e-mail frequently at home on nights and weekends; and who like child-care facilities at or near their office so that they can bring a part of home with them to work.

公私の時間を明確に区分しようとはしない労働者(integrators)にとっては、私用の多くを会社の中で済ますことができるので、グーグルの提供する福利厚生は好都合です。

Segmentors, by contrast, like to maintain distinct walls between work and home. These are people made uncomfortable by a workplace filled with perks related to one's personal life. Even employees with children can dislike the fact that their employer provides on-site childcare.

他方、できるだけ公私の時間を分けたいと考える労働者(segmentors)にとっては、私生活への過度の介入ともとれる福利厚生は、余計なお世話でしかありません。

グーグルの豪華な福利厚生に対して色々な見方があることについて、前述のKallayil氏はこう答えています。

"It's not that you have to eat here or use the gym here," he says. "It's all voluntary. It's your choice. We're all adults."

当の従業員は、うまく会社に囲い込まれているとの意識は希薄です。グーグルは会社の施設を使うことを強制しているわけではなく、実際に使うか使わないかは従業員の自由裁量だから、というのがその理由です。さらにグーグルの従業員は「大人」なので、何の問題もないと考えています。

ここで大事なのは「大人」というニュアンスでしょう。同僚が残業していると一人だけ帰りづらいといった雰囲気のある「子供」の職場環境からすると、自分だけ会社の施設を利用しないことを選ぶにも、ある種の勇気が必要になります。さらに会社の上下関係がプライベートにも影響を及ぼす日本では、上司と一緒にジムやプールを利用したいと思う若手社員も、実際には少ないのではないのでしょうか?


ここで話は、英会話スクールNOVAのテレビCMに飛びます。

昼間職場で同じミスを繰り返した部下(ヤマちゃん)を、上司(タケちゃん)が罵倒します(パワハラの臭いも少し)。その2人が終業後に英会話学校で出会ったときには、何のわだかまりもなく「NOVA友」として、仲良く肩を抱き合うというのがCMのストーリーです。

しかし日本では仕事が終わっても、社内の上下関係を引きずらないことはありえないでしょう。「大人」のグーグルならありえたとしても。私がヤマちゃんであれば、5時以降はタケちゃんとは顔を合わせたくはありません。英会話では数段レベルの高いヤマちゃんが、タケちゃんを英語でやり込めて意趣返しをする、というのが私好みのオチなのですが...。


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