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USEN宇野康秀社長が朝日新聞に語ったライブドアを支援した理由

2007年03月25日

法人としてのライブドアに対して、証券取引法違反(有価証券報告書の虚偽記載、偽計・風説の流布)で2億8000万円の罰金判決が下されました。証取法違反では過去最高額の罰金となった判決を受けたライブドアの平松庚三社長は、即日記者会見を開き、判決を受け入れ控訴しない意向を明らかにしています。

法人としてのライブドアに有罪判決が下ったことにより、フジテレビはライブドアに対して正式に損害賠償を起こす意向を表明しました。(ライブドア事件:380億円賠償求め提訴へ フジテレビ)。

法人としてのライブドアに罰金2億8000万円の東京地裁判決が言い渡されたことを受け、フジテレビジョンは週明けにも、LDを相手取って総額380億円前後の損害賠償請求訴訟を同地裁に起こす。

フジによると、保有していたLD株をUSENの宇野康秀社長に売却したフジは、取得額(約440億円)と売却額(約95億円)の差額約345億円を損失と算定。賠償額はこの損失に、フジの支払い催告にLDが応じなかったことによる延滞金を加算する。

フジテレビからライブドア株を個人として買い取った、USENの宇野康秀社長は、 朝日新聞「フロントランナー」(be on Saturday)の中で、ライブドアを支援した理由について次のように語っています。(無料の映像配信でネットに集客)。

解体寸前だったライブドアに、個人として、救いの手を差し伸べたのが1年前。「出る杭(くい)は打たれる」の向こうを張って、「ベンチャー経営者の気概を見せたかった」。

個人資金95億円をつぎ込み、フジテレビジョンが保有していたライブドアの株12.75%を買い取った。

原資はすべて借金。金利負担だけで、少なく見積もっても、年1億円を超える勘定だ。しかも、肝心のライブドア株は、同じ時期に触手を伸ばした複数の外資ファンドが過半を保有。そして、事件をきっかけに株価総崩れとなった新興企業の例に漏れず、USENも、昨年来高値の3820円から一時800円近くまで売り込まれた。

「ベンチャー経営者の気概を見せたかった」という個人的な思い入れに加えて、USENが会社としてライブドアを支援したのには、別の理由がありました。ネット企業の経営者として、ライブドアのメディア価値を認めて、同社との業務提携を進めようと考えた上での決断です。

――ライブドアはどうなりましたか。

宇野 USENとしては、メディア部門で業務提携したわけですが、ライブドアの大株主という私個人の立場は、切り離して考える必要がある。1年たつのに何もないじゃないかと言う人もいるが、1年前はまさに破綻(はたん)のふちにあり、潰(つぶ)れれば社会全体に混乱をきたす恐れさえあった。その会社が1年たって何の問題もなく経営できている。これだって大きな成果のはず。堀江(貴文)さんとは、それまで仕事上の付き合いもほぼゼロ、プライベートの付き合いもゼロ。「庇(かば)い合ってる」というような見方は見当はずれです。

――なぜ支援したのですか。

宇野 事件で若干、ユーザーが離れた面はあるが、メディアとしての価値の高さに注目しました。それに私自身、社会に出たのがちょうどバブル期で、明日はどんな楽しいことが待ち受けているかと、毎日ワクワクしながら夢を追いかけた一人で、バブル崩壊も経験した。当時から一貫して、社会的にも、ブロードバンドのようなインフラの面でも、もっとベンチャー企業が生まれる土壌をつくるべきだと言ってきた。それが、ようやくできたかなと思った矢先のライブドア事件です。これでベンチャーの風土や若い人たちの夢を消してしまっては残念だという気持ちが大きかった。投資効率なんて気にしていなかった。

ベンチャー企業を支援したいという宇野氏の言葉は、決してうわべだけのことではありません。インテリジェンスの社長時代に部下だった藤田晋氏が、同社を退社してサイバーエージェントを起業したときにも、気前よく資金援助に応じています(あえて2000年の雑誌記事からUSEN宇野康秀社長の起業家魂を考える)。

こうした人望を反映しているのでしょうか、宇野氏は若手経営者から相談を受けることも多く、「ヒルズ族の兄貴分」として慕われる存在になっています。宇野氏と若手経営者仲間との親交を通して生まれたのが、Gyaoの看板番組の1つである「Real Business」です。

宇野氏自身がインタビューアーとなり、30代、40代の若手経営者に話を聞くのが番組の内容です。これまで放送された「Real Business」の8回分が、単行本『USEN宇野康秀×8人の若手経営者のリアルビジネス』として出版されました。


USEN宇野康秀×8人の若手経営者のリアルビジネス USEN社長の宇野康秀が一線で活躍する8人の若手経営者と対談し、ビジネスの見つけ方、事業の育て方、失敗の生かし方など成功の秘訣を聞き出しました。
同じ経営者という立場だからこそ聞けたこと、話せたことがあります。
書籍オリジナルの「宇野康秀が語るリアルビジネス」も収録しました。
起業したい方にも企業の中でがんばりたい方にも役立つ仕事のヒントが詰まった本です。


本書の目玉は、8名の経営者をインタビューした上での結論となった、「成功者に共通する3つの特徴」でしょう。

1.不屈の闘志で失敗を乗り越える

  • 堀 主知 ロバート サイバードホールディングス グループCEO
    • 失敗してもゾンビのように立ち上がる
    • うちには打たれ強さがある
    • 十七歳で美容室の扉をたたいてから商人まっしぐら
    • 四季報を見て片っ端から電話
    • 「負けた」と言わなければ負けない
    • ケータイはあらゆる産業の子機になる
  • 淺野 秀則 フォーシーズ 代表取締役社長 
    • 七転び八起きどころか十二回くらい転んでも粘った
    • 貧乏を長くやってやはりお金持ちの方がいいなと思った
    • 成功する秘訣は失敗からどうやって学ぶか
    • デリバリー専門にしたのがポイント
    • 一番悩んだ素材は生地だった
    • 日本の食市場はとんがっている
  • 夏野 剛 NTTドコモ 執行役員
    • 一寸先は闇、だから今やることを逃さない
    • そうか、ケータイがあった!
    • 他社と協働する方が早いと発想転換
    • ケータイは周辺産業にどんどん出て行く
    • 動画コンテンツは隠れた大ヒット
    • 企業人と起業人にメンタリティの違いはない

2.時代の先端を走る

  • 熊谷 正寿 GMOインターネット 代表取締役会長兼社長
    • 地味でもいい、勝てない勝負はしない
    • パチンコ店を十七歳で経営
    • 自分の会社を作る
    • 地味に収益を積み上げるスタイル
    • あらゆるものがIPネットにつながる
  • 藤田 晋 サイバーエージェント 代表取締役社長
    • 勝ち残るのはものすごい情熱を持つ会社だ
    • とにかくインターネットだという強い信念
    • ビジネスモデルよりも情熱を形にしようとがんばる
    • 外の会食より社内を盛り上げる方を優先
    • インターネットをメディアとして確立する

3.新しいものを生み出す

  • 西山 知義 レインズインターナショナル 代表取締役社長
    • マーケットの空白を見つけたのが成功のポイントだ
    • 起業しか頭になかった
    • 会社の存在価値を言えない自分にショックを受けた
    • 生ビールも牛タンもニーズに合わせて価格を決めた
    • 外食日本一を目指す
  • 加藤 義博 アイケイコーポレーション 代表取締役社長
    • ビジネスチャンスはお客様の不満に隠れている
    • 今は実績をしっかり積み上げる時期
    • オートバイにビジネスチャンスを見出す
    • 早い全国展開とコマーシャルで勝った
    • ライダーのライフスタイルを提案できる会社に
  • 松田 憲幸 ソースネクスト 代表取締役社長
    • お客様の「こうなるといいな」で考えれば成功する
    • お客様のことだけ考えた
    • ネーミングは「手段」ではなく「わかりやすさ」
    • ソフトの価格は映画の値段を参考にした
    • メールは二十四時間以内に返すルール
    • パソコンをうまく使うソフトはまだまだ足りない

この番組を放送しているGyaoは、2005年4月のサービス開始から1年2カ月で会員1,000万人を獲得し、現在の会員数は1,300万人を超えるほどの規模になりました。当初疑問視されていた広告を中心としたGyaのビジネスモデルも、昨年11月には単月レベルで黒字に転換を果たしています。

さて刑事裁判での2億8000万円の罰金判決を、スンナリと受け入れたライブドアの平松庚三社長ですが、民事裁判の判決はこれからが本番となります。機関投資家らから請求された損害賠償額は、すべて合計すると300億円を超える巨額なものとなっています。

またライブドアの方でも、前社長の堀江貴文被告ら旧経営陣に対し、4月半ばにも損害賠償請求訴訟を起こす方向で本格的な検討に入ったことも伝えられています。刑事訴訟が一段落しても、依然として難問山積のライブドアを率いる平松庚三社長は、『ボクがライブドアの社長になった理由』を通して、火中の栗を拾うことになった心境を告白することにしました。


ボクがライブドアの社長になった理由 ライブドア新社長、平松庚三初の著作!

ライブドア再建という難業を引き受け注目を浴びた平松庚三、60歳。
ソニーを初めとしてアメックス、AOLなど数多くの経歴を重ね、ビジネス界で強力な人脈を持ち、ライブドアの社長へと至った波乱万丈な氏の初の著作。
小僧でいつづける60歳が今すべてを語る。


ライブドア事件以降、ネット企業家の社長本ブームも沈静化した雰囲気があります。一連の判決で再びネット企業が注目されようとしているこの時期に、あえて書籍を刊行することにした宇野氏と平松氏は、結構したたかな人物なのでしょうか?


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