「都市の品格」が問われるとすれば、相模原市の政令指定都市入りは?
2007年04月06日
4月8日は統一地方選挙です。神奈川県の相模原市には、今回の市議会選挙に出馬せずに引退を表明した現職市議が7名もいます。市議会の若返りを考えて潔く身を引くとは見上げた心がけ、と思ったりすると、事情はまったく違うようです。情報源は、年金減額逃れ? 議員7人「駆け込み辞職」 相模原市です。
統一地方選に出馬せず引退することを表明していた神奈川県相模原市議会(4月から定数52)の市議7人が、今月29日の任期満了を待たずに3月末で辞職していたことが分かった。1日施行の地方議員年金制度に関する法改正で、退職年金(議員年金)の給付水準が12.5%引き下げられることになり、一部の元市議は、「減額を逃れるための辞職だった」と認めた。
今回辞職したのは7期から3期までの議員7人。市議会事務局の試算では、7人に支給される議員年金は年額約201万~265万円。任期満了だと新たな給付水準が適用されて約179万~236万円となるため、年間平均約24万円が減額される見込みだ。
議員年金は、議員の掛け金と自治体の負担金からなる自主財源で運営され、在任12年以上で退職すると支給される。財政状況は悪化しており、市議会議員共済会(東京)によると、今回の引き下げは03年度以来という。
全国的には知名度が高いとは言えない相模原市ですが、同市は2010年3月末までに政令指定都市への移行を目指しています。このため今年の4月には、専門部署として政令指定都市推進課を設置しました。この他にも、新『相模原市』新宿メガキャンペーンというイメージアップ作戦も展開してきました。
相模原市が政令指定都市を目指すのは、合併により人口70万人以上という要件を、本年3月の段階で満たすことができたからです。神奈川県には、すでに横浜、川崎の政令指定都市が2つあり、相模原市も政令指定都市になってメジャーブランドの仲間入りを果たしたいと考えているのでしょう。
ちなみに神奈川県内では、自動車の「相模ナンバー」は「相撲(すもう)ナンバー」と半ば蔑まれていて、現在のブランド力は横浜、川崎に比べるべくもありません。したがって、「政令指定都市入り=メジャー入り」と期待する市民感情は、痛いほど理解できます。
政令指定都市に移行するには、人口要件の他にも、行政能力要件、手続き要件があります。この2つの要件は、行政側が計画的に準備を進めていけば、さほどの障害とはならないでしょう。人口要件を満たした相模原市にとっては、政令指定都市入りはもはや完全に射程距離に入った、と考えてもいいのかもしれません。
ところで、数学者の藤原正彦氏による「国家の品格」は、昨年の大ベストセラーになりました。多くの人がこうした内容の本に興味を持ったということは、現在の日本において、その品格を問う声が大きいことの証拠でしょう。国家の品格が問題視されるのであれば、都市の品格も問われて当然だと思います。
年金が減額されるのを避けるために、任期満了を待たずに辞職する市会議員を多数抱えるのが、相模原市の現状です。決して品格のある都市とは思えません。もし政令指定都市になるのに、「品格要件」というものがあるとすれば、相模原市の政令指定都市移行の道は、思いの外遠いのではないでしょうか?
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