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紙面の焼き直しを捨てネット事業に本格的に取り組む米国新聞社の戦略

2007年04月18日

米国の全国紙「USA TODAY」のウェブサイトUSATODAY.comの登録者数が、1ヵ月間で380%も増加しました。情報源は、USATODAY.com、サイト一新で利用者大幅増です。

米USA TODAYは4月12日、3月のサイト一新後、利用者および登録者が大幅に増加したことを明らかにした。

同社は3月、サイトに「Network Journalism」を設置。サイトデザインを一新、コメントや推薦など読者が作るコンテンツを増やし、双方向性を強化した。

その結果、3月の登録者数は380%も急増。読者が1回の訪問に費やす時間も長くなった。特にスポーツ、マネー、旅行、技術セクションへのトラフィックが増え、3月だけでコメント数は約4万に上った。Nielsen//NetRatingsによると、USATODAY.comの3月のユニークビジター数は2月から21%増加、1094万3000を超えている。

USA TODAYの登録者の増加は、Web2.0的コミュニティ機能を追加によってもたらされたことは確かでしょう。しかし、読みやすいウェブサイトをデザインするといったWeb1.0的な改善の努力も見逃せません。

新聞社のウェブサイトをデザインするには、従来の新聞紙面作りとは別の発想が必要となります。その理由は、新聞とサイトでは読まれ方がかなり違うことが明らかになっているからです。情報源は、紙とオンライン、新聞読者で違う「目線」――米調査です。

オンライン新聞の読者は、紙面の読者よりも読み始めた記事をちゃんと読んでいる――ジャーナリズムに関する教育機関の米Poynter Instituteが3月28日、こんな調査結果を発表した。

調査は、米国の新聞4紙の読者600人を対象に実施。読者の目の動きを感知する特殊な眼鏡をかけた状態で、15分間新聞を読んでもらい、紙面(大判およびタブロイド版)の読者とオンライン読者とを比較した。

紙とオンライン、新聞読者で違う「目線」 Poynter 読み始めた記事を、実際にどの程度読むかを比較すると、大判の新聞の読者は記事の62%、タブロイド版の読者は57%を読んでいたのに対し、オンライン読者は記事の77%を読んでいたことが判明。また、オンライン読者の3分の2は全文を読み切っていたという。

記事を読むスタイルも、オンライン読者と紙面読者では異なることも分かった。紙面読者の75%が、上から下へと記事を順に読む「きちょうめん」型のスタイルだったのに対し、オンライン読者では「きちょうめん」型と「拾い読み」型が半々だった。また、紙面の場合は「きちょうめん」型の読者の方が記事を読む量が多かったのに対し、オンラインの場合、いずれのスタイルの読者も同程度の量の記事を読んでいるという。

オンラインでの比率の多い「拾い読み型読者」(scanners)のニーズに対応するためには、ドロップダウンメニューやサイドバーなどのナビゲーションを充実させなければなりません。サイトの読みやすさという点では、日本の新聞社のサイトはまだまだ改善が必要だと思います。

確かに日本の新聞社の中でも、asahi.comはてなブックマーク機能を一部の記事に搭載するなど、Web2.0的機能充実に取り組んでいるところも見られます。しかし、大多数の新聞社のサイトはWeb1.0の段階で失格というのが、現状ではないでしょうか。

日本の数歩先を行く米国の新聞社のWeb戦略の関する情報を、ウォートン・スクールの記事に見つけました。成功例として紹介されているのはワシントンポスト紙のサイトwashingtonpost.comです。情報源は、「Web vs. Print: Online Successes at One Newspaper Raise More Questions Than They Answer」です。

The print-based Washington Post also generates the lion's share of content at its Washington, D.C. office, which has 625 reporters, editors and photographers compared to washingtonpost.com's 85.

新聞の編集に携わる人数の625には遠く及びませんが、Web専門の編集者が85名も配置されています。このため、ウェブサイトは単なる新聞紙面の流用にとどまらずに、独立した記事を制作することができます。

That said, washingtonpost.com does far more than repackage stories from the print edition; it has won an avalanche of awards for original reporting and multimedia storytelling. Last year, video journalists at washingtonpost.com won two Emmys. The website also pulled in two major national awards for best overall large-circulation news site and earned some of the highest marks for any news site from the "State of the Media 2007" report.

2つのエミー賞に輝くなど、新聞には真似のできないビデオジャーナリズム分野でその独自性を発揮しています。

A quick visit to washigntonpost.com can lead to hours of clicking. Viewers can read all the articles from the print edition, of course, but that's just a start. You can chat online with reporters, watch award-winning documentaries or see the cherry blossoms bloom with time-elapsed photography.

サイトでは新聞紙面をすべて読むことができます。しかし、新聞記事の再掲はあくまでも読者を引き付ける手段です。その後はサイトでし読めないドキュメンタリーやカラー写真で、読者の留め置くという明確な戦略性があります。

注目すべきは、ワシントンポストのオンライン事業の収入は、同社全体の14%しかないという事実です。専門家の意見では、新聞業界全体でオンラインの収入が半分を占めるのには、10年以上もかかるとも予想されています。それでも米国の新聞各社は、確実にネットに軸足を移しつつあります。日本の新聞社の多くは、このまま「座して死を待つ」道を選ぶのでしょうか?


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