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経営共創基盤とリヴァンプ 同じ再生支援専門会社でもそのイメージは大違い

2007年04月27日

昨日の投稿リヴァンプの再生支援はハンバーガー、ドーナツ以外でも通用するのか?の続きです。リヴァンプは設立以来、マスコミに登場する機会の多い会社です。その理由の1つは、数ある再生ファンドとは一線を画した手法で、日本独自の再生モデルを標榜する目新しさにあります。2番目の理由は、ユニクロOBが作った会社という面白さです。加えて、澤田、玉塚の両代表パートナーの見た目の良さは、メディアにとっては魅力的な取材対象にもなります。

しかし今後は、リヴァンプが再生支援会社の代表としてマスコミに取りあげられる機会も、徐々に減ってくるのではないでしょうか? 先月解散した産業再生機構で最高執行責任者(COO)を務めた冨山和彦氏らが4月3日に、新たな企業再生の専門会社株式会社経営共創基盤(Industrial Growth Platform, inc.)を設立しました。本格的なターンアラウンドビジネスを手がける日本の会社は、もはやリヴァンプだけではありません。情報源は、『「民間版再生機構」相次ぐ、機構OBが中核、来月に大型組織――長期的視点で改革』(日本経済新聞 2007年3月18日 3面)です。

企業の再建を助言し、融資や投資先をあっせんする再生支援会社の設立が相次いでいる。3月15日に解散した産業再生機構で働いた人たちが中核となる大型組織が4月に誕生する。企業再生ファンドとは異なり、再生チームを派遣し、長期的な視点で事業改革を進める。一月にも機構の別の幹部らが支援会社を設立した。こうした「民間版再生機構」が再建に成功し、M&A(企業の合併・買収)を通じて産業界の活性化を促せるか。

再生機構の専務を務めた冨山和彦氏ら約20人が新会社を4月に設立する。そこに機構の執行役員だった松本順氏ら7人が昨年11月に設立した支援会社も合流する見通しになった。手掛ける案件が増えれば、再生機構と同じ200人規模まで人員を増やす計画だ。

会社の設立趣意書には「顧客益、社会益を犠牲にする短期的、短絡的な自益の追求は行わない」との項目を盛った。投資家から資金を集めて企業に投資し、短中期保有で売却益を追求するファンドとは一線を画した。

企業とは再生の助言契約を結んで、十人単位でチームを送り込む。企業の経営陣や社員といっしょに再建計画を練り、実行に移す。チームは社長、役員を含むことを想定し、経理、法務、管理、事業戦略を担う幹部らも包括的に用意する。

論客でならす冨山氏は、すでにビジネス系メディアの間では引っ張りだこです。4月以降だけでも、『修羅場を踏んだ経営人材が日本にも出てきた』(毎日エコノミスト 2007年4月9日号)、『プロ集団をマネジメントする秘訣は「気配り」と「ぶれない軸」』(週刊ダイヤモンド 2007年4月21日号)といったビジネス雑誌を始め、オンラインメディアのnikkeiBPnetも、4月24日からインタビュー記事の連載をスタートしました。

さらに日経ビジネス4月9日号の記事『再生計画の未達が続けば銀行の協力姿勢に暗雲 JAL』では、経営危機にある日本航空の再生支援に、冨山氏率いる経営共創基盤が乗り出すのを待望する声も伝えられています。マスコミの注目度が高い経営共創基盤ですが、そのサイトはこんな具合です。

株式会社経営共創基盤(Industrial Growth Platform, inc.) トップページは白をバックにした黒のテキストだけの超シンプルなデザインです。

これは仮の姿なのでしょうか? それとも、虚飾を一切排除したデザインには、何か特別なメッセージが込められていると考えるべきなのでしょうか?

冨山和彦代表取締役の「CEO メッセージ」には、こうあります。

私たちは事業と財務の両面にわたる幅広い問題領域において、トップ、ミドルそしてラインマネジメントにわたるさまざまな「経営」現場に自らも飛び込んでいき、そこでの格闘を通じてより良い「経営」と「経営人材」を、顧客である企業体、事業体あるいはその主要なステークホルダーのみなさまと共に創り出していきたいと考えています。さらには社会全体において「経営」と「経営人材」の質的向上と経済の持続的な成長を実現していくためのプラットフォームの一つになりたいという思いを込めて、株式会社経営共創基盤(Industrial Growth Platform, Inc.)という社名といたしました。

経営共創基盤は、人材投入型で経営を支援し、顧客企業およびその主要ステークホルダーと持続的な価値向上に関わる長期的なリスクを共有する、新たなプロフェッショナルサービスモデルを提供してまいります。これは世界的にみてもユニークで新しいモデルだと思います。しかし21世紀の企業社会が直面する新たな問題に対しては、真に創造的な解が求められているはずです。私たちはそれを日本の地から創り出し、世界に問う挑戦を続けていく志を持って、これからも精進を重ね、一所懸命に日々の活動に臨んでまいります。

国策会社産業再生機構出身者だけあって、天下国家を論じるCEOのメッセージには、一般企業にはない格調が感じられます。反面、民間企業としてはある種の敷居の高い雰囲気もあり、積極的な営業活動をしている会社には見えません。

リヴァンプ 一方、リヴァンプのトップーページは、トリコロールカラーを基調とした今風のデザインで、Flashアニメーションも使用されています。

しかし、業績不振に陥った企業の再生支援を業とする会社のサイトとしては、軽薄な印象を与えることも否めません。

続いてリヴァンプのMISSION 経営理念です。

私たちは、会社そのものが強くなることを目指します。

外部から経営陣を呼び込む場合、最も懸念されるのは、利害が本質的に一致せず、彼らの都合のいいように改革され、手を引かれたらまた以前に逆戻りか、さらなる落ち込みを招くような状況です。それを避けるには、呼び込む経営陣が何を考え、何を目指しているのか、そこをしっかりと見極めることが必要です。

リヴァンプは、自己本位に陥ることなく、短期的な視点ではなく、クライアントの会社が経営改革を通じて本質的に強くなることに全エネルギーを注ぎます。もちろん短期で改革を実行するスピードは大事ですが、ただ資本を入れ、書類上の見た目のつじつまを合わせるような経営では、長い目で見れば決してうまくいきません。 何よりも、一緒に育つこと。そこが大切です。

それは、会社そのものが問題を克服して実力をつけ、成長し、元気になることを意味します。それはまた、株主にとっての価値を拡大していくことにもつながります。 私たちの目指す理想は、まさに、そこにあります。なぜなら、クライアントの会社がそれを目指し、私たちはそこに、より大きな満足をもたらしたいと考えているからです。

経営共創基盤のCEOメッセージとは違って、大上段に振りかぶったものではなく、コンサルタント会社のセールス・ピッチに近い内容です。

簡単にサイト情報を比較しただけでも、経営共創基盤とリヴァンプの雰囲気には、かなりの違いがあることが理解できます。古い言葉で言えば、重厚長大の経営共創基盤、軽薄短小のリヴァンプといったところでしょうか。その他、両社のオフィスの場所、リヴァンプがファッショナブルな南青山、経営共創基盤が金融ビジネスのメッカ兜町、といった違いにも必然性があるようにも思えてきます。

このような違いは、両社がターゲットとして狙う業種・業態の違いを表しているのだと考えられます。リヴァンプは、ブランド・イメージが重視される消費財分野での再生支援が得意そうですが、ナショナル・フラッグのJALの再建は荷が重いように見えます。他方、経営共創基盤には、外資系のファーストフード・チェーンのビジネスは、不釣り合いのように思えます。

支援企業に対して出資するとともに、直接経営を指揮する専門家チームを派遣することで長期的な経営基盤の再構築を目指す、という両社の手法には本来大きな違いはないはずです。今後は、両社が得意分野をどのように棲み分けていくのでしょうか?


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