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消費者を執念深く追い回すリターゲティング広告は疎んじられる危険性も

2007年05月29日

消費者のウェブサイトの訪問履歴から、その消費者にとって興味があると思える広告内容を配信することを、行動ターゲティング広告と呼びます。グーグルのアドセンスがその代表例です。その一歩進んだ形として、「リターゲティング広告」をサイバーエージェントが開始しました。そのコンセプトは、一度つかんだ獲物はどこまでもしつこく追跡することにあります。情報源は、逃した見込み顧客を取り戻せ--サイバーエージェント、リターゲティング広告を開始です。

サイバーエージェントは5月29日、ウェブサイトを訪れたけれども成約に至らなかった見込み客に対して再びアプローチできる広告ツール「MicroAd Retargeting(マイクロアド リターゲティング)」の提供を開始する。

同社の広告ネットワーク「MicroAd」を利用して広告を配信する。具体的にはまず、広告主のサイトを訪れたユーザーに対してCookieを付与する。そのユーザーが広告主で商品を購入するなどの行動を取らず、MicroAdに加盟している別のサイトを訪れた場合、「いまなら送料無料」といった広告を掲載し、再び広告主のサイトへの誘導を図る。

このように、企業サイトを訪問した際のユーザーの行動履歴を利用して、別のサイトを訪れた場合に広告を表示し、企業サイトに再来訪を促す手法は「リターゲティング広告」と呼ばれている。日本ではデジタル・アドバタイジング・コンソーシアム(DAC)がアイメディアドライブと共同で「行動ターゲティング by クライアント」というサービスを2月より提供している。

サイバーエージェントの場合、自社が運営する広告ネットワーク「MicroAd」を利用する点が特徴だ。MicroAdはブログなどのサイトで、コンテンツの内容に近い広告を自動配信するサービス。楽天ブログやgooブログなどに掲載されており、加盟サイトの月間ユニークユーザー数の合計は 1000万人にのぼるという。

1回でもMicroAdを利用している広告主のサイトを訪れた消費者が、MicoroAdを利用している別のサイトを訪れると、そのサイトの内容とは無関係に前と同じ広告が表示されるという仕組みです。企業側にとっては一度つかんだ見込み客をどこまでも追跡できるわけで、有効なマーケティング手段の1つと考えられても不思議ではありません。

しかし、画期的とも思える行動マーケティング系の「おすすめ商法」も、度が過ぎれば消費者にとって嫌悪の対象と変わる危険性も秘めています。情報源は、『鬱陶しいっす ネットのお誘い』(週刊AERA 2007年6月4日号 40~42ページ)です。

最近、ネットがうっとうしい。そう感じている利用者が、決して少なくないはずだ。親切なようで、おせっかい。便利なようで、小うるさい。そして、けっこう失礼で的外れ・・・。

「ちょっと買い物しただけで、あとから大量にメールが来る」

「やむなく仕事で買った本なのに、何度も関連書を宣伝される」

たとえばネット通販なら、大手といえば楽天やアマゾン。経験のあるひとも多いだろう。商品を注文すると、「ショップからのお知らせ」とか「楽天からのメルマガ」が送られる。

楽天の場合は、最初からこのメッセージが「送られる」にチェックされている。なにもしないと、欲しくもないメールが届くから、いちいち注文のたびにチェックをはずさないといけない。

「いやー、また外すのを忘れて、来ちゃったよ」

そんな皮肉で会話が成立するほど、この楽天メルマガは有名だ。

楽天のメルマガは一部の消費者にとっては、迷惑メールと同じ扱いです。それでは、メールを送りつけるのではなく、サイト内に「おすすめ商品」を表示するだけなら、これほど嫌悪されることはないのでしょうか? こちら方も同じように疎んじられるケースもあるようです。

アマゾンの「おすすめ商品」の機能も、利用者にとって評価が分かれる。どんな本を買ったかというデータを統計的に処理して、

「この商品を買った人はこんな商品も買っています」

と表示される。

記者の経験で言えば、ある週に「うつ病」を取材すればアマゾンの画面は「うつ病」だらけになり、翌週の「定年」の取材をすると、今度は「定年」だらけになる。

そりゃ、たしかに定年退職者の取材をしたし、その参考書籍も買ったよ。だけど、わたしの定年は20年先だ、来週じゃない。

「いい加減にしてくれぇ」

いらいらする。小さなストレスがたまる。でも、文句を言うのも大げさだと、利用者には遠慮もありそうだ。これって、ちっぽけな問題だろうか?

一部の進んだユーザの中では、行き過ぎた「行動マーケティング広告」に対して自衛策を採り始めた人もいます。

フリーの技術者でライターのこもりまさあきさん(35)は今春、新著「ライフハック ウイズ マック」を出した。副題に「ストレスフリーの快適MACLIFEガイド」とある。

ネットには、いろいろなストレスがある。どうすれば遮断できるか。マックを使って、苛立ちから解放される具体的な方法を、豊富な実例で示している。

たとえばバナー広告。最近は、ユーザーの好みや関心を分析して、表示されるバナーを変える技術が登場している。ユーザーが検索した単語などに連動させる方法で、「行動ターゲティング広告」などと呼ばれる。

まるで「おすすめ商品」と同じうっとうしさ。このバナー広告を削除するソフトがある。

「本気で邪魔に感じるときがあるでしょう。特に文章中でピカピカされたら・・・」

これを自動的に消してくれる。利用者側がちょっとした工夫をすることで、さまざまなストレスを減らせることを、こもりさんは示そうとした。

見込み客をしつこく追い回す企業と、それをストレスに感じる消費者との間の攻防は、ネット上のいたちっごとして今後も続くのでしょう。

さて、行動マーケティング広告に活用できる豊富なデータを世界一抱えている会社と言えば、グーグルです。何しろ最長2年分の検索履歴を保存しているのですから。情報源は、Google、ユーザーデータの長期保存を弁明です。

Googleは欧州連合(EU)当局に対し、セキュリティと業務上の理由から、ユーザーの検索データは最長2年間保持しておく必要があると弁明する。これに先立ち同社は、この行為が欧州のプライバシー法に抵触する可能性があるとの通告を受けていた。

EUの情報保護に関する諮問機関はGoogleにあてた書簡で、ユーザーの検索に関する情報の保存期間が長過ぎるとの懸念を表明。これに対し同社は6月19日までに返答する方針だと、5月25日に説明した。

検索が利用されるごとにGoogleではユーザーの好み、関心事、考えといった情報を収集しており、これを広告主などの第三者が利用できる可能性もある。しかしこの情報を他社に渡すことはないと同社は強調する。

グーグルは消費者の検索履歴を、広告目的で他社に渡すことはないようです。しかし、他社の渡さなくてもサイバーエージェントと同じように、グーグルが自分でリターゲティング広告のサービスを提供することは可能なはずです。正直に言って、2年前に自分が何を検索したかなんて、まったく思い出せません。個人的には2年も前に自分が関心を持っていた事柄を、広告を通じて思い出すことができれば、それはそれで意外と面白いように思いますが...。


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