iPhone全米発売を前に日本ではiPodのアフターサービスに不満続出
2007年06月11日
アップルの携帯電話iPhoneの発売日が、米国時間の6月29日であることがわかりました。iPhoneは事前注文制を採用していないため、需要を正確に予測することができません。iPhoneを販売するアップルストアとAT&Tの店頭では、当日は大混乱が起きても不思議ではないでしょう。情報源は、アップルストアとAT&Tストア、「iPhone」発売日の熱狂に備えるです。
Apple StoreとAT&T Storeの従業員らによると、6日現在、発売日に何台そろえられるのか分からないという。1店舗あたり40台しか入荷しないだろうと推測するブログもある。
セールス担当らは、発売に際し大規模な混雑を予想しているとも述べている。iPhoneを間違いなく真っ先に購入できるように、店舗の前で夜を明かす人が多数いるだろうという。
Forrester ResearchのアナリストであるCharles Golvin氏は、特に熱狂的なAppleファンの間で、iPhoneの発売に際し激しい興奮が起こるであろうという意見に同感だと述べた。
カナダのコンサルティング会社Solutions Research Group(SRG)は、iPod購入希望者のプロファイルの関する調査結果を発表しています。情報源は、iPhoneを買いたい人ってどんな人?――SRG調べです。
SRGによると、購入希望者の平均年齢は31歳で、72%は男性、女性は28%。年齢層別にみると、15~24歳は31%、25~34歳は32%、35~49歳は31%、50歳以上は6%という結果が出た。
学歴では購入希望者の58%が大卒以上で、全米平均の43%よりも高い。また43%はニューヨークもしくはカリフォルニア州在住で、全米人口のうち同2州に住む人口比率の約2倍であることが分かった。また平均世帯所得は7万5600ドルと、全米平均を26%上回っている。
このようなiPhoneの購入希望者のほどんどが、現在のiPodに満足しているユーザと想像できます。日本でもiPodは携帯音楽プレーヤー市場で、これまで圧倒的な強さを誇ってきました。しかし、販売面での独走状態とは裏腹に、日経ビジネスが実施した「携帯音楽プレーヤーについてのアフターサービス満足度調査」では、正反対の結果が出ています。
1位のシャープ、4位の松下電器、5位のソニーにも及ばす、6位がアップルジャパンという結果です。アンケート調査の自由回答欄には、「こんなひどい対応は初めて」「アップルの製品は二度と買わない」といった、ユーザの強い怒りの声が並んでいます。情報源は、『iPodユーザー怒る メーカー本位の保証に違和感』(日経ビジネス 2007年6月11日号 32~33ページ)です。
iPodのアフターサービスに対する違和感。それは購入した瞬間から始まる。家電量販店で購入すると、店では「もし不良品でも、ここでは交換に応じられません」と念を押されるのだ。持ち込む場合は全国7店舗しかない直営のアップルストアに行く必要がある。
その直営店も受け付けの仕組みを十分理解して臨まなければならない。自由回答には「3時間待った」という声があった。原則としてインターネットによる来店予約が必要という仕組みを知らずに、店頭で待ちぼうけを食らったという。
直営店に出向かなくても、自宅に故障品を回収に来る「ピックアップ&デリバリー修理サービス」を利用できる。ただ、申し込みは、ネット経由で事前のユーザー登録をするなどの手続きが必要。
電話で簡単に申し込もうとしても、「問い合わせ先がどこに書いてあるか分からなかった」(調査の回答)。「隠そうとしているのではないか」と、メーカーにとって効率が良いネット経由の申し込みに誘導していると疑うユーザーもいた。
ネット事前予約型のサポート体制は、全世界のアップル共通で採用されています。日本以外のところでは、不満を持つユーザはいないのでしょうか? さらにアンケートには、「電話サポートの問い合わせにお金を取ることに驚いた」という回答もありました。
iPodは購入時に多くの家電製品と同様に1年間の無償保証がつく。ただし、無料なのは修理だけ。電話での問い合わせは購入してから90日以内は1回まで無料だが、それ以外は1回3,800円かかるのだ。
そもそも保証期間を過ぎると「高い修理費がかかる」(調査の回答)。保証期間を2年に延長、電話問い合わせも無料で複数回できるプランもあるが、本体価格の2割程度の7,140円がかかり、修理費を先払いする釈然としない感じになる。
有料で行われている電話サポートも、その回答内容に不満を漏らす声も少なくありません。
「(電話で)質問したら『回答にお金がかかる。新しいのを買った方がいいのではないか』と言われた。壊れているかどうかも分からないのに。だからもう買わない」。
実際、修理の相談に応じず「すぐに有料の新品交換に誘導する」という画一的な対応には不満が多い。名前を彫ったりして、愛用する人も多い。調査でも「壊れたら修理してでも大事に使いたかった」という回答があった。
不具合の生じたiPodを修理するよりも、新品への交換を勧めるのも、アップルの全世界共通の方針のようです。米国ではアップルストアに製品を持ち込めば、10%の割引価格で新品を購入できるプログラムも用意されています。日本でもソフマップと提携して、下取品の査定金額を10%アップするサービスがあります。
修理を引き受けるよりも新品の購入を促すアップルの方針は、「もったいない」(mottainai)精神に反することは確かでしょう。このことと関係があるのかどうかは、定かではではありませんが、アップルは環境問題への取り組みが遅れている企業と見なされています。例えば、環境団体のグリーンピースが発表している「電気メーカー環境ランキング」では、アップルは2006年、2007年と、2年連続で対象14社中の最下位に甘んじています。
日本でのiPhoneの登場は、2008年以降と予想されています。日本ではどのようなチャネルを通じて販売されることになるのかは、現段階では不明です。しかし、全米で先行販売されるiPhoneへのアップルの対応状況を見れば、日本でのアフターサービスの将来を予想することができるはずです。
壊れたとしても使うのを我慢すれば済む音楽プレーヤーと、つながらなくなればビジネスやプライベートに支障を来す携帯電話とは、消費者が要求するアフターサービスのレベルが格段に違います。iPodで見せたアフターサービスの質が大幅に向上しない限りは、iPhoneをメインの携帯電話にすることは、かなり不安に感じます。メインの端末を別に使いながら、サブとして使われるというのが、日本でのiPhoneの位置づけになるのではないでしょうか。
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