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iPhoneでは事前告知型発表をしたアップルの基本戦略はやはりサプライズ?

2007年06月19日

今月29日に米国で発売されるアップルのiPhoneに関するユーザ調査の結果が発表されました。情報源は、米国携帯ユーザー認知度は6割超、うち14%が「購入する」です。

モバイル関連調査会社の米Mメトリックスが15日(米国時間)発表した調査結果によると、米国の携帯電話ユーザーの3人のうち2人が米アップルの携帯電話「iPhone」を知っており、非常に認知度が高いことが分かった。

米国で、iPhoneを知っているユーザーのうち「購入に強い関心がある」は14%で、人口比で計算すると約1900万人に相当する。iPhone は米AT&Tが5年間の独占販売契約を結んでいるが、購入意思の強い人の67%は、AT&T以外の携帯電話を利用しており、乗り換えを促すことになるとみられる。

英国では、iPhoneの発売時期や価格、携帯電話事業者は決まっていないが、知っている人の28%が強い購入意思を持っているという。Mメトリックスは「英国ではスマートフォンが米国の2倍普及しているため」と分析している。

iPhoneの事前人気の高さを示す調査結果から判断して、アップルのマーケティング戦略は大成功と言っていいでしょう。特に、英国での購買意欲の高さは意外でした。考えてみれば、今回のようにアップルの新製品についての事前購買意欲の調査結果が発表されるのは、異例のことになります。なぜなら事前に情報を公開することなく突然発表されるのが、アップルのマーケティング戦略の基本だからです。

アップルの新製品は、これまでCEOのスティーブ・ジョブズが基調講演の最後の方で、決まり文句の「One more thing …」とともに発表されてきました。サプライズ発表の翌日には、このニュースを聞いた消費者が店頭に押し寄せ、それがさらにニュースになる、というのが同社のローンチ(launch)戦略の基本パターンです。

しかし、このようなリードタイムがないローンチ戦略を採るのは、IT業界の中では特殊な部類に入ります。マイクロソフトやインテル等のIT企業は、通常将来の製品発表をロードマップという形で示して、事前に製品情報の周知を図るという戦略を採用しています。

それではなぜ、今までの慣例に反して、iPhoneは正式発売の6ヵ月も前に発表されたのでしょうか? アップルも普通のIT企業のような「ノーサプライズ型」の発表に切り替えたのでしょうか? IPhoneでの発表戦略の違いについて、ウォートン・スクールのニュースレターが分析しています。情報源は、New Products (Like the iPhone): Announce Early or Go for the Surprise Rollout?です。

Historically, Apple has kept product plans quiet without leaking many -- if any -- details about them until CEO Steve Jobs sees fit, usually at an Apple conference or event. The iPod was announced suddenly in 2001 and became a runaway hit.

The strength of industry-leading products like the iPod may allow Apple to be more aggressive about its iPhone plans. "If you are the top dog, you pre-announce to make competitors less aggressive," says Van den Bulte, adding that lesser rivals may even scrap products based on an announcement. "Had the iPod not been a tremendous success, the iPhone may have had a different launch strategy."

弱小ブランドには、新製品の発売予定を発表しても、後から類似商品を発売する上位ブランドに喰われるリスクがつきまといます。一方、iPodで業界リーダーとなったアップルにとっては、事前に製品発表してライバルのやる気をそぐ戦略の方が相応しい、という分析です。これ以外のアップルがiPhoneで事前発表を行った理由としては、流通チャネルとの提携の必要性が指摘されています。

Apple also had to pre-announce the iPhone because there are multiple parties needed to make the product a success. The iPhone had to be approved by the Federal Communications Commission; it needed a wireless carrier such as AT&T; and it had to line up suppliers and manufacturers to produce the iPhone and procure parts.

Other products that similarly need many partners have also been pre-announced, such as Microsoft's Vista operating system, which was made public years in advance to line up software developers, retailers and PC makers. Whitehouse points out that it's particularly key to get customers engaged in forthcoming products that seek to serve as a broadly used "platform" upon which other products or applications are built, like Microsoft's Vista or Adobe's forthcoming AIR (formerly "Apollo").

それではアップルの製品発表は、これまでの「サプライズ型」から、通常のIT企業のような「事前周知型」に変わっていくのでしょうか? やはり今まで通りのサプライズ戦略が基本であることは、変わらないと思います。先週行われた「Apple Worldwide Developers Conference 2007」でも、ジョブズは Windows版の「Safari」を突然発表して、聴衆を驚かせたばかりです。

発表された Windows版のSafariには脆弱性が報告されていますが、すでにダウンロード数が100万件に上っています。発表とともに一気に盛り上がるアップル型のマーケティングの真骨頂でしょう。

なお、iPhoneに搭載されるブラウザもSafariです。なぜ,AppleはWindows版Safariを開発したのか?によれば、この時期にWindows版を発表した理由は、「Safari+iPhone」のプラットフォームを強化する狙いがあるようです。


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