« iPhoneでは事前告知型発表をしたアップルの基本戦略はやはりサプライズ? | メイン | マイクロソフトのブログパーツ「Carol(キャロル)」は羊の皮をかぶった狼? »

Top経営戦略 > 米国本社のCEOが交代しても、日本のヤフーのアライアンス力はまだまだ健在

米国本社のCEOが交代しても、日本のヤフーのアライアンス力はまだまだ健在

2007年06月20日

6月12日に開かれた米国Yahoo!の株主総会後の質疑応答セッションで、業績を低迷させた張本人として株主からの非難を一身に浴びていたのが、同社の会長兼CEOのテリー・セメル氏です。情報源は、ヤフー、年次株主総会を開催--業績低迷で株主から非難です。

約100人の株主を代表しているとする株主は、ここ数年の「Yahooの行動について株主に謝罪がなかったことに驚いた」と語った。この株主は、 Googleが広告市場で独占的立場にあること、グラフィカル広告ビジネス拡大に向けたGoogleのDoubleClick買収、YouTubeなど Yahooにとって重要な「買収機会の逸失」、そして同社最高技術責任者(CTO)、Farzad Nazem氏の突然の辞任などに言及した。

この株主はSemel氏に対し、「自分の職務に対するやる気があるのか?」と尋ねた。

「もちろんある。Yahooには今後、これまでおそらく一度もなかったようなチャンスが来る」とSemel氏は語った。検索による売り上げ確保に改めで集中し、ディスプレイ広告をリードするYahooは、「自社にとって妥当なところまで必ず(ネット広告の)市場シェアを拡大するし、その自信もある」と語った。

この時は、CEOを続投する意欲を見せていたセメル氏ですが、結局その職を退くことになりました。情報源は、Yahoo!、CEO交代――共同創業者のジェリー・ヤン氏が新CEOにです。

米Yahoo!は6月18日、CEOの交代を発表した。同社の共同創業者で取締役のジェリー・ヤン氏がCEOに就任し、テリー・セメル会長兼CEOは非常勤の会長となる。また、執行副社長で広告主・パブリッシャー部門の責任者を務めるスーザン・デッカー氏が、同社社長に就任する。

セメル氏は、後任へのスムーズな引継ぎの重要性を以前から認識しており、最近は、CEO職を退く意思を取締役会に示していたという。ヤン氏とデッカー氏については「当社を前に進めていくのに完ぺきな組み合わせだ」と評価し、今回の人事については「正しいことであり、今が(その人事を行う)正しい時期だ」としている。

新CEOとなるヤン氏は、デビッド・ファイロ氏とともに1994年にYahoo!を創業。以来、同社で取締役などの職を務めてきたほか、米 Cisco Systemsや日本のヤフーなどの取締役を務める。CEO就任に当たり、「当面の最優先課題は、業務遂行の迅速化やリーダーシップの強化、勝つための企業文化の醸成を通じ、Yahoo!の戦略ビジョンを実現すること」としている。

新CEOとなる台湾生まれのジェリー・ヤン氏は、日系米国人の夫人に持つなど、親日家の起業家です。一方、ヤン氏にCEO職を譲ることになったテリー・セメル氏は、ワーナー・ブラザーズ元会長で、プロ経営者としての手腕が期待されてYahoo!にやってきた人物です。

スタンフォード大学出身のジェリー・ヤン氏とデビッド・ファイロ氏が作ったYahoo!の中で、大人の経営者セメル氏が担ってきた役割は、Googleにおけるエリック・シュミットCEOの役割と近いものではないでしょうか。しかし、Yahoo!とGoogleの業績の差が、セメル氏とシュミット氏の経営手腕に対する評価の差につながり、最終的にはセメル氏の退任をもたらした、と考えられます。

米国ではマイクロソフトとの合併話が出るなど、その将来が危ぶまれているYahoo!ですが、日本のヤフーは積極的な事業展開を図っています。最近では、iTunes Store と提携や、テレウェイヴへの出資など、日本独自でアライアンス戦略を強化する動きが顕著です。

年内にはさらに提携先を拡大する事業計画が控えています。情報源は、『ヤフーID、他社サイトにも開放、年内に有料制、ポイント制度も』(日経流通新聞MJ 2007年6月18日 9面)です。

ヤフーは同社の会員制度「ヤフーID」を使い、他社サイトの本人認証やクレジットカード決済を代行する有料サービスを年内に始める。ヤフーIDの会員約1,900万人はヤフーのユーザー名とパスワードを入力すれば、提携先の通販サイトやコンテンツ販売サイトなどを利用できるようになる。

ヤフーIDはウェブメールやオークション(競売)など同社サービスを使うのに必要で、実際に利用している人は1,969万人(5月末)に達する。このうちクレジットカード番号や銀行口座を事前登録した利用者は1,600万人で、競売などを利用する有料会員は615万人。

有償開放は今秋以降に他社サイトとシステムを接続し始める。通販サイトなどでヤフーIDとパスワードを入力すれば買い物やコンテンツ購入ができるようにする。ヤフーのサイト内に発行や利用を限っていたポイント制度も他社に開放する。ポイントや有料会員向けの特典提供で、実店舗やサイトの集客も可能になるという。

利用者にとっては複数のサイトで別々のIDを取得し、カード番号を重複して登録する必要がなくなる。

ヤフーが保有する1,600万人もの決済情報は、どのECサイトも喉から手が出るほど欲しい情報でしょう。ヤフーIDは、使い捨てのフリーメールが欲しい時に利用するだけの存在ではなかったわけです。

個人情報の管理が難しくなりつつあることを考えると、この顧客ベースを利用し、ポイントも共用化できれば、ヤフーIDの利用は提携先にとっても、魅力的な選択肢の1つになるはずです。米国ではGoogleの後塵を拝することの多いYahoo!ですが、日本ではそのブランド力は、まだまだ健在と言えるのではないでしょうか。


★恐縮ですが、『人気ブログランキング』を クリック してください。


  • このエントリーをdel.icio.usに追加
  • このエントリをニフティクリップに追加
  • このエントリをLivedoor クリップに追加
  • このエントリをFC2ブックマークに追加
  • このエントリーをバザールに追加
  • このエントリをSaafブックマークに追加
  • このエントリをChoixへ追加
  • newsing it!
  • このエントリーをCoRichへ追加
  • このエントリーをはてなブックマークする
  • このエントリーを含むはてなブックマーク
  • このblogをはてなアンテナに追加
  • このエントリーのはてなブックマーク数

このエントリーに含まれるタグ

関連するエントリー

ワード

このエントリーのダイレクトリンクURL:

このエントリーのトラックバックURL:

【注意】重複トラックバック防止プラグインにより、同一エントリーに対する同一のトラックバックは登録されない設定にしています。また2006年から、本エントリーへのリンクのないトラックバックも登録されない設定に変更しました。

コメントする

(初めてのコメントの時は、コメントが表示されるためにこのブログのオーナーの承認が必要になることがあります。承認されるまでコメントは表示されませんのでしばらくお待ちください)



アクセス解析 アクセス解析 レンタルCGI