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アマゾンが配送料定額の会員サービス「Amazon プライム」を開始した理由

2007年06月25日

米誌「BusinessWeek」が全世界のIT企業ランキング上位100社(The Info Tech 100)を発表しました。日本企業では、任天堂(8位)、ソフトバンク(39位)、キヤノン(51位)、KDDI(54位)、東芝(68位)、東京エレクトロン(81位)、ニコン(86位)がランクインしています。このランキングでトップに輝いたのは、昨年26位から大躍進したアマゾンです。

BusinessWeek The Info Tech 100 While many have not yet figured out that Amazon.com sells far more than books, the internet phenomenon is moving well beyond retail, offering e-commerce, computing, and physical distribution services to other business for lucrative fees. Despite high spending on new technology, second-quarter profits surged 115% on a 39% jump in sales, helping boost its stock price by 83% since the start of the year.

アマゾンが1位に選ばれた理由は、単なる書籍の小売りサイトという範疇を超えて、e-commerceから決済、物流までのすべてのサービスを提携企業に対して提供するといった、手数料ビジネスの将来性に着目されたからです。

そのアマゾンは日本でも、ネット通販で蓄積したデータを、「アマゾン販売分析レポート」として提携企業に販売する新たなビジネスを、7月から開始します。情報源は、『アマゾン、拡大の皮算用――購買履歴は宝の山、サポート体制課題』(日経流通新聞MJ 2007年6月18日 1面)です。

データ販売先のメーカーが製造する商品の予約数、受注数、出荷数、売上金額といった販売実績をはじめ、そのデータを基にした需要予測、在庫状況、地域別販売データまで、ウェブで一覧できる。商品詳細ページのページビューや閲覧者の購買率も知らせる。例えば出版社やレコード会社が増刷冊数やプレス枚数を決める際、アマゾンの需要予測を参考にできる。

過去一年間、600万人がアマゾンに購買履歴を残した。6割が男性だ。

「月額3万~4万円を使う30~40歳代の男性客が多い」。あるクレジットカード会社はアマゾンの客層をこう分析する。書籍や音楽映像ソフトの通販から始まったため「とんがった男性が多い」。商品カテゴリーがベビー用品やファッションなどに広がれば女性客も増えるとみる。

こうした会員の購買関連情報は宝の山だ。これまでは会員向けのレコメンド(商品推奨)に活用、ついで買いを促すなどの増収効果を生んだ。しかしデータの外販は、その資産価値の利用に本格的に乗り出したことを意味する。

日本のアマゾンの最大のライバルは、楽天市場です。アマゾンのユーザ一人当たりの売上高は2万5千円で、ライバルの楽天市場は10万円を超えると言われ、規模としては大きく水を開けられています。ユーザ一人当たりの売上高アップを狙って導入したのが、年会費3,900円で日本全国で送料が無料となる「Amazon プライム」です。情報源は、年会費3900円で常にお急ぎ無料配送--アマゾンが会員制プログラムを開始です。

Amazon.co.jpは6月8日、会員制プログラム「Amazon プライム」を開始した。年会費3900円を支払えば、日本全国を対象としたエクスプレス配送サービス「お急ぎ便」が使い放題になる。1つのアカウントで同居の家族2人までを家族会員として追加登録できる。

Amazon.co.jpでは通常1500円以上の購入で配送料が無料となるが、Amazon プライムに入会することで、最低購入額を気にしたり複数商品をまとめて注文したりする必要がなくなる。会費を払っておけばいつでも配送料無料が適用され、しかも通常の配送ではなく、関東地方であれば注文確定当日または翌日に商品が届く「お急ぎ便」が回数無制限で利用できる。

「Amazon プライム」によって、一人当たりの売上高の大幅な改善が見込めることは確実でしょう。しかし同時に配送コストはかなりの負担になることも予想できます。

Amazon.com創業者兼CEOのJeff Bezos氏は、「Amazonにとっては非常にコスト高となる。会員は利用頻度が高く、常にお急ぎ便を利用できる。そのため当初はコスト増となるが、これは非常に意義のある投資だ。短期的に見れば負担増となるが、長期的にみればメリットがあるだろう」と述べた。

ジェフベゾスCEOが「長期的なメリット」と考えているのは、販売量が増えればそれだけ販売データの資産価値も高まるということなのでしょう。その結果、アマゾンの販売分析レポートを購入する企業が増えれば、その利益でアップした配送コストも十分に吸収できるという目論見なのでしょう。もし、期待通りに分析レポートが売れなければ、「長期的にもメリットが無かった」という結果に終わるリスクを含んだ決断です。


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