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ヤフー新CEOジェリー・ヤン氏への期待は Chief Emotional Officer の役割?

2007年07月04日

デルのCEOに創業者のマイケル・デル氏が復帰して、半年近くが経過しました。トップに復帰してからのデル氏は、経営陣を大幅に入れ替えるとともに、同社のビジネス戦略の転換に精力的に取り組んで来ました(デルのリナックス版製品の発売は顧客主義復活を示す重要な試金石)。すでにデルCEOの経営改革の成果の一端を評価する記事も現れています。情報源は、創業者がCEOに復帰したDellの見事な方向転換です。

CEO復帰以来Dell氏が実施した行動は,ほぼ当たり前の対策であるかもしれないが,うまく効果を上げている。例えば,シンプルに顧客フィードバック受け付けサイトを開設し,Dellに対して望む変更を尋ね,希望の多かったものから順次対応してきた。

今回発表したカラフルな新型ノート・パソコンは, Dellが顧客の求めに応えた最新の事例である。ほとんどの企業は顧客中心主義を掲げているが,この数カ月間にDellがとった動きは,透明性が高く,顧客の必要性に対応しようというDellの熱意がよく感じられる。

(中略)

さらにDellは,最近ほかの変革にも取り組んでいる。Dellは,環境保護団体のグリーンピースが四半期ごとに発表する“環境に優しい”電子機器メーカー調査報告書で,中国のLenovo Group(聯想集団)と同点2位になった。

わずか半年間の成果だけで、デルCEOの手腕を判断することは早計でしょうが、同氏がデルの改革に不退転の決意で望んでいることと、CEOとして強力なリーダーシップを発揮することに何の躊躇を見せていないことは、確かな事実です。

デルと同じように業績不振から創業者をトップに迎えたのがヤフーです。しかし、ジェリー・ヤン氏は創業者であっても、CEOとしてヤフーを率いてきた実績もなく、これまで「経営はプロに任せる」と公言してきたように、大企業の経営者としての資質は未知数です。

一度は席を譲ったCEOの役職に復帰したデル氏の場合と、ヤン氏の事情は大きく異なります。このため、これまでどちらかと言えば地味な役回りに徹してきたヤン氏については、CEOとしての経営手腕に厳しい目を向ける意見も少なくありません(新たにヤフーのCEOに就任したヤン氏--その手腕は?)。

Yang氏は社員にはYahooの方向性にとっては救済者とも、特にすばらしい発言者とも映ってはいない。どちらかというと裏方という印象があり、そのためにYahooの現社員や前社員の中には、会社の業績が再び軌道に乗るまで、あるいはDecker氏が引き継ぐ体制が整うまで、Yang氏が暫定的に CEOに就任すると考える人もいる。

明確なビジネスプランを提示するといった戦略性や、目標に向けて部下を引っ張るリーダーシップという点では、ヤン氏に対する評価は必ずしも高いものではありません。一方、優秀な人材が相次いで流出するという深刻な問題を抱えるヤフーでは、創業者のヤン氏のCEO就任を歓迎する声が大きいのも、また事実です。情報源は、新生Yahoo!よ,どこへ行く!!です。

Yahoo!にとって重要な人物がこの6月に辞めた。CTO(最高技術責任者)のFarzad Nazem氏である。同氏は「Zod」と呼ばれ,エンジニアたちからの信望が厚かった人物。Yahoo!への在籍年数は11年。Yahoo!設立当初から同社の技術部門を率いてきた。Economist.comに掲載の記事は,同氏の辞任でYahoo!従業員の士気が低下していると報じている。そしてこのことは今回のYang氏のCEO就任と関連しているのだという。

記事によれば,Yahoo!は人材獲得競争で,Googleなどのライバルに比べ劣勢である。優秀な技術者がYahoo!を離れ,どんどんライバル企業に移っていく。これはYahoo!にとって致命的。その要因の一端が元CEOのSemel氏にあり,また同氏ではこの状況を変えられないことが明らかだったという。一方でYang氏は起業家であり,エンジニアと良い関係を築いている。今のYahoo!のCEOにふさわしいのはYang氏と記事は伝えている。

米国企業での創業者のCEO復帰について考えていたところ、ウォートン・ビジネススクールの記事の中で、Chief Emotional Offeicer と耳慣れない言葉を知りました(Many Family Firms Rely on a Largely Invisible CEO -- Chief Emotional Officer)。同族企業内では、CEOと呼ばれる人物が組織全体の求心力を高める役割を果たす場合が多い、と言うのがウォートンの記事の中身です。

さらに調べてみると、マネジメント・トレーニングの1つとして、Chief Emotional Officer Workshop というのが実施されていることも発見しました。合理的な経営判断が最優先される思われきた米国企業の中でも、情緒面から組織を支えるもう1つのCEOの役割が、重要視される時代になったのでしょうか?

ヤフー創業者のCEO就任の話題に戻します。ヤンCEOに期待されているのは、強烈なリーダーシップを発揮する Chief Executive Officer ではなく、社員のモチベーションをアップさせるもう1つのCEO、Chief Emotional Officer としての役割ではないでしょうか?  経営面は有能な実務家とされる新社長スーザン・デッカー氏に任せて、社内の結束を強固にして人材の流出を食い止めることが、暫定CEOのヤン氏がなすべき仕事なのでしょう。

ところで、組織の求心力を高める Chief Emotional Officer の適任者として真っ先に頭に浮かぶのが、長嶋茂雄・読売巨人軍終身名誉監督です。その長嶋氏が自らの半生を振り返る「私の履歴書」が日本経済新聞の朝刊で始まりました。長嶋効果で日経新聞の駅売り部数も、増えるのでしょうか?


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