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ブックオフ・スキャンダルの影響で大日本印刷と提携し老舗のメンツが保てた丸善

2007年07月20日

印刷業最大手の大日本印刷と書籍販売大手の丸善が、資本・業務提携することを発表しました。情報源は、明治生まれの超老舗同士がデジタル化で手を組んだ--大日本印刷と丸善、業務・資本提携です。

丸善の主要業務である教育や学術市場をはじめとする業務全般で協業する。また大日本印刷(DNP)は大和証券エスエムビーシープリンシパル・インベストメント(DPI)からDPIが所有する丸善の株式のうち4万4480株(発行済み株式の25.5%)を譲受し、丸善の筆頭株主となる。

丸善はDNPが保有する印刷技術や情報技術のノウハウの提供を受け、顧客の利便性や満足度を高める。また事業の拡大を図る狙いがある。

丸善は1869年(明治2年)、DNPは1876年(明治9年)創業のいわば超老舗企業。今回の提携について、丸善代表取締役社長の小城武彦氏は「両社とも似た事業を提供し、創業130年を超える生い立ちを持っている。また、1897年(明治30年)から出している印刷物は、第1号からずっとDNPに印刷を依頼している。大変すばらしいパートナーだ」と話す。

この記事は、丸善側が発表したリリース「業務・資本提携及び筆頭株主の異動に関するお知らせ[PDF]」に概ね沿った内容で、老舗企業同士の対等な業務提携というニュアンスで書かれています。しかし、大日本印刷が経営再建中の丸善を支援するというのが実態でしょう。丸善側が社長の小城武彦氏が記者会見に出席したのに対して、大日本側は副社長どまりというのが、両社の力関係を表しています。

明治生まれの大日本の傘下に収まることになった丸善も、一時は平成生まれの新興企業に救済されるという噂もありました。情報源は、『丸善再建、システム事業に活路、大日本印刷が支援、技術提携急ぐ』(日経流通新聞MJ 2007年7月16日 5面)です。

産業再生機構を退社した小城氏を(丸善)前社長の村田誠四郎氏に紹介したのは、ブックオフコーポレーション創業者の坂本孝氏だった。ブックオフと丸善は店舗内装の共同出資会社を持つ。業界ではブックオフが丸善支援に乗り出すとの見方もあり、両社の旧経営陣は将来の可能性を否定しなかった。

ただ、村田氏と坂本氏は別々の不正会計問題が発覚し、トップの座を降りた。優先株の引き受けについて、丸善の上位株主からは「持ち株比率を上げても、それに見合う効果は期待できない」と冷めた声が出ていた。

財務改善の圧力が迫り、ブックオフや既存の上位株主の追加支援が見込みにくくなった時、老舗の看板を汚さない大日印との提携は丸善にとって「渡りに舟」となった。

村田前社長を引き継いだ小城社長の代になって、支援企業もブックオフから大日本に代わり、最終的には老舗のメンツを維持できたわけです。しかし、自身も新興企業のカルチュア・コンビニエンス・クラブ出身の小城社長は、老舗企業のメンツだけにこだわって、業務提携の相手を選んでいるわけではありません。大日本の業務提携発表の前には、単独での通販事業から撤退し、アマゾンとの共同事業に戦略転換するする方針も発表しています。

なお、日経流通新聞の記事ではブックオフと丸善の不正会計問題は無関係のように書かれていますが、ブックオフが発表した調査委員員会中間報告[PDF]では、丸善側から坂本氏個人へリベートが流れていた事実も報告されています。このスキャンダルが明らかになったきっかけは、週刊文春の2週連続のスクープ記事『「デタラメ上場」ブックオフ坂本会長に巨額リベート発覚』『ブックオフ坂本会長ベンチャーの新教祖 躍進の裏の「架空売上げ」をスッパ抜く』にありました。もし文春のスクープ記事が出なければ、今頃丸善はブックオフの傘下に収まっていいたのかもしれません。


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