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久方ぶりにリヴァンプのプレスリリース一覧を見て思ったこと(純個人的意見)

2007年07月25日

前回の記事に続いて企業再生支援会社リヴァンプについての話題です。24日付けの日経産業新聞に、アミューズメント施設運営会社ネクストジャパンホールディングスのトップ人事が掲載されていました。情報源は、『ネクストジャパン、渡辺社長退任へ』(日経産業新聞 2007年7月24日 23面)です。

遊戯施設運営のネクストジャパンホールディングスは23日、渡辺一正社長(38)が「一身上の理由」により30日付で退任すると発表した。後任は置かず、藤原治取締役(50)と炭本健取締役(40)の二名が代表取締役に昇格、共同代表制をとる。藤原氏が管理部門、炭本氏が営業部門を統括。従来よりも営業面の強化を目指すという。

実は、昨年の1月にリヴァンプとネクストジャパンの資本・業務提携に関する記事を投稿したことがありました(リヴァンプによるネクストジャパン再生はかなりの難題になりそうな予感)。この記事の基となった2006年2月9日付けのリヴァンプのプレスリリースによれば、同社がネクストジャパン株式の約15%を取得し、役員を派遣して経営改革を本格的に支援するプランが発表されています。

このニュースを聞いた私は、当時リヴァンプが支援する対象としては風変わりな会社だという印象を持った程度で、それ以来ネクストジャパンという会社のことはすっかり忘れていました。そういう事情もあり、今回のトップ人事をきっかけに改めて調べてみると、リヴァンプとネクストジャパンはまったく関係が無くなっていることがわかりました。両社の業務提携契約は2006年12月末をもって終了していたからです。

ネクストジャパンが2006年12月22日に発表したプレスリリース株式会社リヴァンプとの業務提携終了の合意に関するお知らせ[PDF]では、提携解消に至った経緯を次のように説明しています。

1.業務提携終了の理由とその内容

平成18年2月9日に当社とリヴァンプは当社の経営の改革支援を目的とした業務委託契約を締結し、リヴァンプより営業部門に2名と経営企画部門に1名の執行役員の派遣を受け、徹底的に経営及び店舗に関する課題の抽出をいたしました。その結果、今期(平成18年8月1日~)におきましては、既存店の運営改善と新モデルのトライアル等について当社既存社員を中心に推進していくこととし、平成18年8月以降リヴァンプからは玉塚氏のみをアドバイザーとした経営サポート体制を執っておりました。この度、さらなる既存店の運営改善、店舗リニューアル及びM&Aを含めた新事業の開発等、今後の事業展開を当社既存の経営陣と社員によって推進していけるものと両社協議の上で判断し、本契約を終了することといたしました。

本契約終了後においても両社の事業価値を高めるため、これまでに構築した関係 を活かしながら情報交換などを随時行ってまいります。

2.当社筆頭株主長江芳実氏とリヴァンプとの株式売買予約契約について上記業務提携契約終了に伴い、平成18 年2月9日において当社の筆頭株主である長江芳実氏とリヴァンプとの間で締結されました株式売買予約契約につきまして終了することで合意いたしました。また、これまでに売買予約権の行使はありませんでした。

要するに、両社は当初合意した長期的な業務・資本提携へと進むことなく、1年も経たずにその関係を解消したということです。ここでリヴァンプが提供した「経営支援」の実態は、コンサルティングファームによく見られる短期的な業務委託契約と同じと考えていいでしょう。業務提携終了についてリヴァンプ側は、特にプレスリリースは発表していません。以下は現在のリヴァンプのサイト上のプレスリリース一覧です。

この一覧からは両社の提携を伝えていたはずのプレスリリース、株式会社ネクストジャパンとの業務・資本提携に関するお知らせ[2006年2月9日]が、なぜかなくなっています。

さらにリヴァンプがOSGコーポレーションと、ミネラルウォーターの宅配サービスのベンチャーをスタートするといったニュースも思い出しました。この新会社についてもリヴァンプが手がける案件としては、業種・業態ともかなり変わっている、との感想を持ったものでした。本件に関してリヴァンプが発表してリリースは2件ありました。

この2つのプレスリリースもリヴァンプの一覧からは消えています。消えた理由はネクストジャパンと同じで、両社の業務提携が解消されていたからです。情報源は、『OSGコーポ、ミネラルウオーター宅配事業、リヴァンプと提携解消』(日経産業新聞 2006年10月17日 18面)です。

浄水器製造のOSGコーポレーションは16日、企業再生会社リヴァンプ(東京・港)と共同で設立したミネラルウオーターの宅配会社ウォーターネット(東京・千代田)について、リヴァンプなどの出資分をOSGなどが17日付ですべて買い取る、と発表した。

ウォーターネットはミネラルウオーターを宅配し、使用後のボトルを回収する事業を行う。だが、リヴァンプと7月にウォーターネット社長に就任した粟井英朗氏がボトルを回収しないビジネスモデルへの転換を主張、OSG側と対立した。

OSGとリヴァンプなどは3月にウォーターネットを設立。今回、リヴァンプなどの出資分23%をOSGと湯川剛OSG社長が買い取る。金額は7千万円。リヴァンプと粟井氏はボトルを回収しない方式の宅配会社を新設立する見通しでウォーターネットと株式の相互取得を検討中という。

リヴァンプの新規事業はわずか半年で頓挫したことになります。新会社解消に関する情報はリヴァンプのサイトには一切ありません。他のニュースソースを当たってみると、リヴァンプが計画している「ボトルを回収しない方式の宅配会社」とは、ウォーターダイレクトという会社であることがわかりました。情報源は、『ウォーターダイレクト、ミネラル水宅配サービス』(日経産業新聞 2007年4月11日 20面)です。

ウォーターダイレクト(山梨県富士吉田市、粟井英朗社長)は10日、ミネラルウオーターの宅配サービスを16日から開始すると発表した。富士山のふもとで採水したミネラルウオーター12リットル入りのポリエチレン製の容器を宅配便で届ける。2007年9月期に8億円の売上高を目指す。

送料とサーバーのレンタルは無料。販売価格は一本あたり1,995円で二本から届ける。容器回収は不要。従来の宅配サービスは容器回収が必要で、物流コストがかさみ、営業地域などに制限があったという。同社は06年10月の設立。企業経営支援のリヴァンプなどが出資している。

ウォーターダイレクトの取締役には玉塚元一氏も名前を連ねているので、リヴァンプは依然としてミネラルウオーターの宅配事業に本腰で取り組んでいるのでしょう。同社がこの種の事業にそこまで入れ込んでいる理由は、正直言ってよくわかりません。オフィスで富士山のミネラルウォーターが欲しければ、アスクルにアサヒの『富士山のバナジウム天然水』を注文すればいいだけのことで、私には特に新規性があるビジネスのようには思えないのですが...。いずれにせよ、ウォーターダイレクトに関するプレスリリースはリヴァンプからは発表されていないので、その狙いはよくわかりません。

その他リヴァンプが経営支援に参加していても、プレスリリースを発表していない会社としては、マンション開発のフージャースがあります(リヴァンプの第2号案件はリクルート出身者が創業したマンション会社フージャース)。フージャース側はプレスリリース[PDF]で、リヴァンプと経営戦略に関するコンサルティング契約を結んだことと、澤田貴司氏が同社の社外取締役に就任することを発表していますが...。

こうして調べてみると、リヴァンプのプレスリリースの発表姿勢は一貫性に欠く印象を与えます。普通コンサルティング会社は、経営支援業務の開始そのものを対外的に発表することはないので、リヴァンプがすべての案件に関する情報を開示しなくても、何ら不思議なことではありません。資本提携という形でリヴァンプ自体が出資するものだけを発表する、といった同社なりの情報開示のルールがあるのかもしれません。

また現在進行中のものだけをプレスリリース一覧に載せることにしている、といった解釈も可能です。しかし、資本・業務提携を華々しく発表してそれが中途で挫折すると、発表時のリリースを一覧から除いてしまう行為が続けば、他人の目には「最初からなかったことにする」ことを狙った、ご都合主義のように映ってしまう危険性を秘めていることも、また事実でしょう。

経営支援というこれまで社外に表れることの少なかった業務内容を、リヴァンプが積極的に外部に開示してくれることはありがたいことです。リヴァンプが手がけるクリスピー・クリーム・ドーナツの1時間待ちの行列や、バーガーキングバーガーキングの日本再上陸は、マスコミへも格好の話題を提供してくれます。但し、所詮ファーストフード店の1号店の集客に成功しただけであって、本当に注目すべきなのは多店舗展開の成否であることを考えると、マスコミは少々騒ぎすぎのような気もしますが...。

客観的に見れば、リヴァンプはその実力以上にマスコミから注目されている会社で、リヴァンプ側もそれもマーケティング戦略として上手に利用しているようにも見受けられます。メディアを味方につけようとするのは、リヴァンプが得意とする外食、小売り業態では消費者に与えるイメージが重視されるので、ある意味当然の戦略でしょう。

私のようにリヴァンプを応援するつもりで、その動向をフォローしている人間は、同社の情報開示姿勢に若干の疑問を感じてしまいます。私程度の人間が疑問に思っても何ら影響力はありません。しかし、ご都合主義的な発表が続けば、頼みのマスコミから大きなしっぺ返しがくるのではないかと心配です。


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